UNITED STATES OF AMERICA DEPARTMENT OF THE ARMY
アメリカ合衆国陸軍

世界最大の軍事力を誇るアメリカ陸軍は2つの世界大戦やベトナム戦争を経て優れた実戦部隊へと変貌してきたがそこに至るまでには様々な過程があった。。1775年にアメリカで大陸軍(CONTINENTAL ARMY)が結成されたのがアメリカ陸軍のルーツとされているが、この時代から既にアメリカ軍は有事に対する事後対応という形態を取っており、海外での戦争の発生後に兵士を動員し戦闘終了後には兵士を復員させるというシステムが一般的であった。これらは平時には軍の機能を最小限に抑えながら有事には市民の走力をもって対応するというアメリカ的発想による物が大きかった。第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争など長期に渡る戦争もアメリカ軍はこの方式で乗り越えてきた。しかしベトナム戦争での敗北はアメリカ軍、特に陸軍に多くの教訓を残した。これらの戦争の教訓を活かすためにアメリカ軍は1973年訓練教義コマンド(TRADOC=TRANING and DOCTRINE COMMAND)を設立、本格的な戦闘研究に取りかかっていく。当時のアメリカ軍はワルシャワ条約機構への対応が重要視されており数に於いて圧倒的優位を誇るソ連以下ワルシャワ軍の侵攻を食い止めるには事前準備による戦力の常時維持と先制攻撃が重要と結論付けられた。これは200年以上に渡るアメリカ軍の方針そのものを変更する大きな計画であり、戦力の肥大を促進するものであった。また兵士の増大は財政的負担も大きかった。また強大なワルシャワ軍の侵攻を止めるには火力、装備の高性能化も必要であり戦場に於いてはこれら火力を活かすために先制攻撃によるイニシアチブの獲得が重要視された。
1976年にはこれら新しい軍隊の規範となるFM100-5(FIELD MANUAL100-5)が作成され従来の防御重視の戦略では無く攻撃を重視し敵の前線と後方を同時に攻撃する立体戦術「エアランドバトル」が提唱された。

エアランドバトルは優れた機動力と高い火力を優れた管制システムで部隊を統制し陸と空から相互支援を行いながら同時に侵攻する戦術であり、これを実現させるための高機動な陸上兵器と機械化歩兵の確立、航空部隊の開発が重要になった。また戦場に於いて最も重要な情報の管理統制はこれまでのトップダウン方式では無く現場にいる下級指揮官との双方向の情報交換を可能にさせる事となった。実現には下級士官に対する高度な教育が不可欠となりこの後あらゆる分野で多くの教育機関が設立されていく。この結果1982年にはFM100-5を改訂しアメリカ軍は更なる強化を目指した。
戦闘訓練にリアリティを求めだしたのもこの時期で戦場の兵士達はレーザー光線による命中判定システムを利用し実際の戦闘をシミュレート。局地戦や市街戦など多くの訓練を実行可能にし練度を向上させた。
またエアランドバトル実現の為に1986年陸海空及び海兵隊の4軍を統括する総司令部統合作戦本部(JOINT CHIEFS OF STAFF)及び「統合軍(UNIFIED COMBATANT COMMAND)」を設置。これまでの各軍参謀下における独自作戦を廃止し全軍の兵士、装備を効率よく運用するシステムを構築した。また同年にはFM100-5が再度改訂されこの他にも同盟関係にある各国の軍隊と連携作戦を行うための要項も取り上げられていく。
これらシステムの完成には高性能な兵器が不可欠であったが最も重要であったのは当時著しく進化を遂げていたコンピューターシステムによる功績が大きい。コンピューターは80年代以降急速に軍隊に浸透し火器、通信、管制などあらゆる分野で効率を上げた。これらコンピューターを多用したアメリカ軍の装備はハイテク兵器と呼ばれ最新のテクノロジーを結集したアメリカ軍は世界でも類を見ない装備水準を維持するに至った。
これらアメリカ軍の新構想が成果を見せるのは1991年湾岸戦争の際であった。海軍の海上封鎖、制空戦闘、空軍輸送部隊による陸軍の大規模輸送、100時間で勝利した電撃的地上、航空戦は統合軍システムとエアランドバトルの成果でありアメリカ軍の組織改革はここに完成したと言える。

しかしアメリカ軍が大規模戦闘に対する完成を見た頃1993年のソマリアでアメリカ軍に大きなショックを与える出来事が発生する。モガディシオに於ける特殊作戦で2機のヘリコプターが撃墜され乗員が死傷。救助を試みた部隊が民兵と大規模な市街戦を展開させ18名に登る死者がでたのだ。これはハイテク兵器の投入が制限される平和維持活動や市街戦に於ける戦闘能力がゲリラなどの攻撃に対しては無力であるという結果を導き出しアメリカ軍が今後介入するであろう戦闘に大きな課題を与える。この結果を踏まえてアメリカ陸軍では新しい戦争、21世紀の戦争へ対応するためにフォース21(FORCE 21)を提唱。FM100-5を改訂し柔軟で多彩な任務への対応力強化を開始した。クリントン政権下による財政建て直しによる軍備削減も手伝って機甲師団は大幅に削減。より機動性の高い軽師団の編成を進めていく。更に陸海空の兵力を統合軍がより効果的に運用可能になる為の組織「統合任務部隊(JOINT TASK FORCES)」を組織していく。

90年代中盤には爆発的なインターネット世界普及によるコンピューター、ネットワーク環境の整備に伴いアメリカ軍内部でもこれらデジタル機器が急速に進化していった。陸軍でもこれに伴ったデジタル化が推進されていく。これらの装備開発はフォース21プロジェクトに沿って推進されデジタルソルジャーによる軍事革命「RMA(REVOLUTION in MILITARY AFFAIRS)」と呼ばれた。
戦場の兵士達はランドウォーリアと呼ばれるデジタル機器で構成された歩兵用装備とライフルを携行。戦場の光景が兵士の視点から映し出されそれらを戦術インターネットと衛星通信網を利用してリアルタイムで司令部に転送。現場の状況をいち早く伝達しつつ前線の兵士達に個々の情報を共有させ市街地での戦闘を有利に展開させるなど情報共有と機動性の向上を成功させる。
2000年に新たに改訂されたエアランドバトルではこれまでの戦車、航空支援中心の戦術を転換。小規模な歩兵部隊を中心とした支援と連携の新しいエアランドバトルを確立。
これら新たな部隊の改装は2003年時点で陸軍第4歩兵師団にしか施されていないがこの後第1騎兵師団、82空挺師団などに同様の装備もしくは改良されたランドウォーリアシステムが配備される予定で10年後には全地上部隊のデジタル化が完了するとされている。

■アメリカ陸軍の組織

アメリカ合衆国大統領--国家安全保障会議
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国防長官-国防総相
(この他副大統領、CIA長官、統合参謀本部議長等)
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統合軍(UNIFIED COMBATANT COMMAND)
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北方軍
NORTHCOM
欧州軍
EUCOM
中央軍
CENTCOM
南方軍
SOUTHCOM
太平洋軍
PACCOM
統合部隊軍
JFCOM
特殊作戦軍
SOCOM
戦略軍
STRATCOM
輸送軍
TRANSCOM
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陸軍
軍事支援部
DOMS
欧州陸軍
USAREUR
中央陸軍
ARCENT
南方陸軍
USARSO
太平洋
陸軍
ARPAC
部隊
コマンド
FORCE COM
陸軍
特殊作戦
コマンド
ARSOC
陸軍宇宙
コマンド
ARSPECE
軍事
交通管理
コマンド
MTMC
第7軍
(ドイツ)
第3軍 第8軍
(韓国)

工兵隊(USACE)
陸軍資材コマンド(AMC)
訓練教義コマンド(TRADOC)
陸軍情報保全コマンド(INSCOM)
犯罪捜査コマンド(USACIDC)
医療コマンド(MEDCOM)
陸軍予備(USARC) 第1軍、第5軍
陸軍州兵(ARNG)
アメリカ陸軍は陸軍長官の下、陸軍総参謀長と陸軍参謀本部が各部隊を統括している。陸軍長官は主に国防長官をサポートし国防長官の出席する統合参謀本部に必要な知識と助言を行う。アメリカ陸軍はアメリカ統合軍の各セクションに対応する9つの軍を持っておりこの他にそれら組織、軍、軍団に対して工兵、医療、研究開発などの支援組織を維持している。アメリカ陸軍では部隊の最大単位として軍を用いる。アメリカ陸軍には第1軍、第3軍、第5軍、第7軍、第8軍の5つの軍団がありこのうち第3、第7、第8軍が実戦部隊として配備され第1、第5軍は管理、訓練司令部として配置されている。
所属統合軍 軍(ARMY) 軍団(CORP) 所属師団/旅団
第1軍団
ワシントン州
フォートルイス
第2歩兵師団 第3旅団
第25歩兵師団(軽装備) 第1旅団
第3軍団
テキサス州
フォートフッド
第1騎兵師団
第4歩兵師団(機械化)
欧州軍
EUCOM
欧州陸軍
第7軍 第5軍団(欧州)
ドイツ
ハイデルベルク
第1機甲師団 ドイツバドグラウツナッハ
第1歩兵師団(機械化) ウルツブルク
第18空挺軍団
ノースカロライナ州
フォートブラッグ
第82空挺師団 ノースカロライナ州フォートブラッグ
第101空挺師団 ケンタッキー州フォートキャンベル
第10山岳師団 ニューヨーク州フォートドラム
第3歩兵師団(機械化) ジョージア州フォートスチュアート
第8軍 第8軍直轄(韓国) 第2歩兵師団 韓国 キャンプレッドクラウド
太平洋軍直轄 第25歩兵師団(軽装備) ハワイ州スコフィールドバラックス
州兵軍団 第7歩兵師団(軽装備)
コロラド州フォートカーソン
第24歩兵師団 カンザス州フォートライリー
第28歩兵師団 ペンシルバニア州 
第29歩兵師団 ウエストヴァージニア州フォートベルヴォア
第34歩兵師団 ミネソタ州ローズマウンt
第35歩兵師団(機械化) カンザス州フォートレブンワース
第38歩兵師団(機械化) インディアナ州インディアナポリス
第40歩兵師団(機械化) カリフォルニア州ロスアラミトス
第42歩兵師団 ニューヨーク州トロイ
第49機甲師団 テキサス州オースチン