アメリカ海兵隊の部隊

組織・編成

海兵隊の基本組織はMAGTF(MARINE AIR GROUND TASK FORCE)と呼ばれる空陸戦闘部隊で構成された機動部隊で、艦艇を伴った作戦時に編成され、単一司令官の下任務を行う混成部隊である。MAGTFは敵勢力の規模により柔軟な編成が可能で司令部部隊(CE)、地上部隊(GCE)、航空戦闘部隊(ACE)、管理支援部隊(CSSE)の4つの組織がその役割を分担している。司令部部隊(COMMAND ELEMENT)は各部隊を指揮管理するための組織であり、その下には歩兵部隊を中心戦力としたGCE(GROUND COMBAT ELEMENT)、輸送ヘリ、攻撃ヘリ、戦闘機部隊、電子戦航空機からなるACE(AVIATION COMBAT ELEMENT)、工兵、医療部隊、補給部隊からなるCSSE(COMBAT SERVICE SUPPORT ELEMENT)が存在する。これら4つの部隊は敵の規模によって一個師団から一個大隊など自由に編成、投入が可能である。この基本組織であるMAGTFは作戦の規模や目的に応じて3つの組織MEF、MEB、MEUに目的別に分別されている。その他にMPSと呼ばれる事前集積艦部隊があり、MEBの兵員の事前配置、補給物資の確保などを行う事が出来る。

SPMAGTF
限定的な目的のために編成される1000人規模の少数部隊。MEUと同様の任務を行うことが多い。

MEF/MARINE EXPEDITIONARY FORCE

MEFは海兵隊が有するMAGTFの中でも最大規模の集団で広範囲の水陸両用作戦及びそれに続く侵攻作戦が可能な大部隊である。1個海兵師団またはそれ以上のGCEとそれぞれ一個ACE、CSSEから編成されており順次増強も可能になっている。200機以上の航空機と500両以上の戦闘車両、1000台の支援車輌を維持し兵員は平均で49700人、さらに海軍が2600人、海軍支援要因2800人がこれに加わる。さらに海軍要員の中には海軍特殊戦部隊SEALが含まれ強力な情報収集能力も有している。現在3個のMEFが編成されている

■第1海兵遠征軍 I MEF(太平洋軍所属)アメリカ東海岸
■第2海兵遠征軍 II MEF(大西洋軍所属)アメリカ西海岸
■第3海兵遠征軍 III MEF(太平洋軍所属)日本・沖縄岩国


MEB/MARINE EXPEDITIONARY BRIGADE
MEBは長期間の海上配備が可能なMEFよりも小規模な戦闘部隊で強襲作戦の可能な航空部隊、支援部隊を持つ旅団規模の海兵軍団である。緊急的作戦の初期の段階で投入され30日間にわたり単独作戦行動の維持が可能な編成とされている。約150機の航空機部隊と100両の戦闘車両からなり海兵隊員15000人、海軍700人、海軍支援要因1250人で編成される。現在MEBは6個が編成されており以下の地域に配置されている

■第1海兵遠征旅団
■第2海兵遠征旅団
■第3海兵遠征旅団

MEU/MARINE EXPEDITIONARY UNIT
MEUはアメリカ海兵隊戦闘集団の最小単位で3〜5隻の強襲揚陸艦もしくは強襲用艦艇に乗船し24時間の即応体制をとっている。もっとも素早い軍事行動が可能な海兵戦闘部隊で15日間の作戦物資と弾薬を維持しており大佐を指揮官とする1900人の海兵隊員と100人の海軍兵士、490人の海軍支援部隊で構成される。MEUはその全ての部隊がSPECIAL OPERATIONS CAPABLE(特殊作戦能力)を付与されており現在問題視されてる各紛争にも随時投入される他、その機動性を活かしてSEALや各特殊部隊との連携、VBSS(Visit Board Search and Seizure)訓練も行っている。SOC付与されたMEUの主な任務は偵察、監視、爆破工作、航空機搭乗員の回収(TARP)洋上のエネルギー施設の奪還、洋上の臨検及び艦船捕捉(VBSS)人質の奪還作戦(NEO)などである。

■11MEU SOC 第11海兵遠征大隊 (第1MEF所属)
■13MEU SOC 第13海兵遠征大隊 (第1MEF所属)
■15MEU SOC 第15海兵遠征大隊 (第1MEF所属)
■22MEU SOC 第22海兵遠征大隊 (第2MEF所属)
■26MEU SOC 第26海兵遠征大隊 (第2MEF所属)
■31MEU SOC 第31海兵遠征大隊 (第3MEF所属)

FORCE RECON
フォースリーコン(FORCE RECON)は海兵隊の艦隊付偵察部隊であり、他の師団付偵察部隊とは異なる。その創設は第二次世界大戦中のパラシュート部隊を起源にしており、1965年11月当時ベトナムに展開していたMAF(水陸両用団)に配備された。フォースリーコンは基本的には長距離偵察部隊であるが、通常の監視任務、偵察行動の他、水陸両用戦、舟艇運用訓練を受けている。またフォースリーコンの隊員は全員が空挺隊員としての資格も得ており、ウォーターボーン、エアボーンの双方をこなすエリート部隊として存在している。ベトナム戦争以降のアメリカ軍の戦闘行動に参加し湾岸戦争でも長期間の偵察を行い情報戦をサポートした。フォースリーコンは通常4〜6名、最大でも12〜14名程度の偵察隊を組織し行動する。海兵隊にはこの他にも艦隊付対テロ部隊FAST、電子戦、爆撃誘導を行うラジオリーコンなどが存在する。
第1偵察中隊 1MEF 司令部直属
第2偵察大隊 2MEF 第2師団隷下
第3偵察大隊 3MEF 第3師団隷下