アメリカ合衆国国防統合軍と安全保障会議の組織
アメリカ合衆国大統領--国家安全保障会議
アメリカ合衆国大統領は文民の代表として陸海空軍の他州兵、沿岸警備隊など全軍の最高司令官となる。アメリカ合衆国内に於ける総司令官(COMMANDER in CHIEF=シンク)とは大統領を指し陸軍、海軍等に司令官は存在しない。また国家安全保障会議(NATIONAL SECURITY COUNCIL=NSC)は1947年の国家安全保障法において制定された大統領直属の機関で軍には属さない。国家安全保障会議には大統領を中心に副大統領、国務長官、国防長官で構成されている。この他に進行役である国家安全保障問題担当大統領補佐官が存在し必要に応じてスタッフを揃える。またCIA長官、統合作戦本部議長なども常席し必要に応じて財務長官、司法長官など各分野の専門家、民間人などを招集する。
アメリカ合衆国大統領--国家安全保障会議
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国防長官-国防総相
(この他副大統領、CIA長官、統合参謀本部議長等)
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統合軍(UNIFIED COMBATANT COMMAND)
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北方軍
NORTHCOM
欧州軍
EUCOM
中央軍
CENTCOM
南方軍
SOUTHCOM
太平洋軍
PACCOM
統合部隊軍
JFCOM
特殊作戦軍
SOCOM
戦略軍
STRATCOM
輸送軍
TRANSCOM

以下
陸、海、空軍の各実戦部隊
国防長官(SECRETARY of DEFENSE)
国防長官は1947年国家安全保障法によって国防総省が誕生したことで生まれた役職でそれ以前までは軍人である陸軍省長官、海軍省長官が統制していた組織を一つに統合しそこに海兵隊、空軍を加えた組織の最高責任者として位置づけられた。1947年に国防総省が設立されると大統領に指名される文民である国防長官の地位は重要なものになっており大統領を含む国家指揮権限の一翼を担う。。
国防総省の組織図
国防長官
国防副長官
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陸軍省(庁) 海軍省(庁) 空軍省(庁) 長官官房 統合参謀本部
陸軍長官 海軍長官 空軍長官 国防次官 統合参謀本部
議長
陸軍参謀総長 海兵隊司令官 空軍参謀総長 国防次官補 |
陸軍事務次官 海軍作戦総長 空軍次官 | |
海軍次官・次官補 | |
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| 統合軍
現業部門 ――――――― ――――――― 国防省内局
アメリカ軍情報サービス
国防捕虜・行方不明者部
国防省教育活動
国防省人的資源活動
経済調整室
トライケア(健康)管理活動
ワシントン地域サービス
国防先進研究計画局
国防販売局
国防契約監査局
国防契約管理局
国防財政会計局
国防情報システム局
国防情報局
国防法務局
国防兵站局
国防保安協力
国防保安局
国防脅威削減局
ミサイル防衛局
国家画像地図局
国家安全保障局
国防省部隊保護局
統合軍(UNIFIED COMBATANT COMMAND)
アメリカ軍の軍事力のほぼ全てはアメリカ国防省統合作戦本部が統括する統合軍(UNIFIED COMBAT COMMAND)に管理されている。統合軍はそれぞれの地球上の特定轄区に担当地域を定めている地域別統合軍と機能別統合軍に区分けされる。統合軍には中東地域を担当する中央軍の様に平時には司令部のみがアメリカ本土に設置され通常は兵力を持たない軍団なども存在する。その様な部隊は有事の際に他の軍団から兵力を移動させ組織を構成、司令部を適切な地域へ移動させる。1991年の湾岸戦争でも中央軍は同様の形態で軍事行動を行っている。統合軍の数や組織の形態などは発足以来変更が続いているがおおむね10前後の組織で構成され戦力はその時代毎に危機を孕んだ地域で増強されている。

地域別統合軍(GEOGRAPHICAL COMMAND)
北方軍(US NORTHCOM=UNITED STATES NORTH COMMAND)
■司令部:コロラド州パターソン空軍基地
■担当地域:北米大陸(カナダ、メキシコ)、大西洋一部地域
■編成:第4海兵遠征軍(4th MEB)、州兵航空団、統合民間支援部隊、カナダ軍、北米航空宇宙防衛コマンド(NORAD)

北方軍は2001年の同時多発テロの結果誕生した新たな軍団で沿岸警備隊を傘下に収める国土安全保障省とも緊密な関係にある。冷戦時には東側の戦略爆撃機防衛の為にカナダと合同で組織した北米航空宇宙防衛コマンド(NORAD)が北米防衛の要であったが北米軍は外国の脅威や隣国の危機に対応するのではなくテロや麻薬などの問題を中心に対応を行っている。コロラド州パターソン空軍基地は2002年に戦略軍に吸収された宇宙軍の本部で、宇宙軍自体は戦略軍に移動したがその機能はNORADと北方軍が継承している。常時兵力は100人前後と小さいが実際にはアメリカ本土に展開する各方面軍所属部隊をコントロール可能で有事に於ける北方軍の戦闘能力は非常に高いと言える。

欧州軍(US EURCOM=UNITED STATES EUROPE COMMAND)
■司令部:ドイツ シュツットガルド ファイヒンゲン
■担当地域:ロシア、ヨーロッパ、大西洋、アフリカ、地中海
■編成:在欧陸軍、在欧海軍、在欧空軍、欧州海兵隊、在欧特殊作戦コマンド、
■駐留部隊:タスクフォースイーグル、タスクフォースファルコン

冷戦時に東ドイツからのワルシャワ軍侵攻を阻止する目的で設置された欧州軍はロシア、東ヨーロッパ及び大西洋の広大な戦略担当地域を持つ。1947年に設置された際にはほぼ陸軍だけで構成されていたが現在では陸海空の戦力が充当されている。欧州軍司令官はNATOのヨーロッパ連合軍の最高司令官を兼任。冷戦終了後は主に東ヨーロッパ、旧ユーゴスラビアなどに活動の場を移している他低強度紛争の頻発するアフリカ地域も担当する。国連の平和維持活動などでも多数の部隊を派遣している。タスクフォースイーグル、ファルコンは旧ユーゴスラビア地域における活動を実施中。

中央軍(US CENTCOM=UNITED STATES CENTRAL COMMAND)
■司令部:フロリダ州マクディル空軍基地
■担当地域:中東、中央アジア、アラビア海
■編成:中央陸軍、中央海軍、中央空軍、中央海兵隊部隊、中央軍特殊作戦コマンド

中央軍はアラビア海及び中東、中央アジア地域を担当する。1962年に打撃軍として創設され1980年には緊急展開部隊と統合され1983年に中央軍として再編される。司令部はアメリカ本土にあり創設期は兵力も存在しなかったが1990年の湾岸危機以来世界で最も危険な地帯と化した中東及び中央アジアの戦略の要として重要視されている。湾岸戦争以降は9.11同時多発テロに始まった対テロ戦争のアフガニスタン侵攻(不屈の自由作戦)、2003年のイラク戦争(イラクフリーダム)の戦争を指揮している。(司令部は戦争の都度該当地域に前線司令部を設置)

南方軍(US SOUTHCOM=UNITED STATES SOUTH COMMAND)
■司令部:フロリダ州マイアミ
■担当地域:南米大陸、中南米、カリブ海
■編成:南方陸軍、南方海軍、南方空軍、南方海兵隊、南方特殊作戦コマンド
■駐留部隊:グアンタナモ統合任務部隊、タスクフォースブラヴォー

アメリカの喉元に位置する中南米の国家とキューバ、そして麻薬大国コロンビア、戦略と経済の要衝パナマ運河など南米地域を担当するのがアメリカ南方軍である。アメリカの経済に重要ないわゆる下請け国家が多数存在し経済的にも重要なこの地域は同時に不安定地域でもある。これらの地域の情勢の不安は直接アメリカ経済を刺激するためアメリカ軍と政府にとっても神経質にならざる得ない地域である。またコロンビアなどの麻薬国家では大量の麻薬がアメリカに向けて出荷されることから南方軍は南方特殊部隊軍や国務省、CIA、DEAなどと連携し現地政府の協力の下麻薬撲滅を目的とした麻薬戦争に着手している。軍事行動では1979年のグレナダ侵攻、ハイテク兵器の実験場となった1989年のパナマ侵攻などを行っている。

太平洋軍(US PACCOM=UNITED STATES PACIFIC COMMAND)

■司令部:ハワイ州オアフ島 キャンプH.M.スミス
■担当地域:太平洋全域、インド洋、東アジア(中国、北朝鮮)、東南アジア諸島、オセアニア地域、南極、北極海
■編成:太平洋陸軍、太平洋艦隊、太平洋空軍、太平洋海兵隊部隊、太平洋特殊作戦コマンド
■駐留部隊:在日米軍、在韓米軍、アラスカ軍
全統合軍中最も広大な地域を守る太平洋軍はアメリカ海軍を中心とした編成を維持しておりハワイに太平洋陸軍、日本に海軍第七艦隊を配置。またアラスカは北方軍担当地域でありながら駐留部隊は太平洋軍所属のALCOMとなっている。一時期は中東、アフリカ沿岸地域も担当地域にしていたが現在ではそれぞれ中央軍、欧州軍の担当になっている。主力を担う太平洋艦隊は空母を含む艦船200隻、航空機2000機、将兵25万人を抱える。中国、台湾、インド、パキスタンそして北朝鮮など近年緊張が高まる地域を担当する。

機能別統合軍(FUNCTIONAL COMMAND)
統合部隊軍(US JFCOM=UNITED STATES JOINT FORCES COMMAND)

■司令部:ヴァージニア州ノーフォーク
■編成:陸軍部隊コマンド、大西洋艦隊、空軍航空戦闘コマンド、大西洋海兵隊部隊、統合特殊作戦コマンド、統合予備役部隊

統合部隊軍は大西洋軍として組織されていた海軍中心の部隊を1999年に改編して誕生した。統合軍の組織で部隊を維持しているにもかかわらず特定の地域を持たない統合部隊軍は各統合軍に予備戦力として増派される為の4軍部隊をそれぞれ訓練し高度に維持するのが目的となっている。

特殊作戦軍(US SOCOM=UNITED STATES SPECIAL OPERATIONS COMMAND)

■司令部:フロリダ州マクディール空軍基地
■編成:統合特殊作戦コマンド、陸軍デルタフォース、海軍SEALチーム6、空軍第24特殊戦術中隊STS、陸軍特殊作戦コマンド、空軍特殊作戦コマンド、海軍特殊作戦コマンド

特殊作戦軍は各軍が保有する特殊部隊(SPECIAL FORCES)を統合・管理・運用するために組織された軍団で各方面軍に付随し独自の特殊作戦を展開している。現在の特殊部隊はベトナム戦争中の1960年代にその殆どが創設され各軍が独自に運用してきたが4軍の非生産的勢力争いは特殊部隊の運用でも繰り広げられ結果多くの失態を続けた。特に1980年の在イランアメリカ大使館人質事件ではそれら上層部の運用対立が露呈し作戦は大失敗に終わる。この事から1987年に特殊作戦部隊を統合し運用するために組織され装備や訓練などを統括し連携の強化を行っている。現在では特殊部隊は高度な戦術と装備によって更に強力な組織となり地上戦では偵察、奇襲作戦の主役としての地位を不動の物としている。1980年以降は対テロ作戦も重要視。湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争でもいち早く投入され大きな成功を成している。

戦略軍(US STRATCOM=UNITED STATES STRATEGIC COMMAND)

■司令部:ネブラスカ州オファット空軍基地
■編成:空軍宇宙コマンド、陸軍宇宙コマンド、海軍宇宙コマンド
■駐留部隊:海軍タスクフォース14、34、134

戦略軍はアメリカ軍の保有する戦略兵器、つまり核兵器全般を管理する組織で地下サイロの核ミサイル(ICBM)発射施設、戦略爆撃機、潜水艦装備のSLBMなどが主な対象兵器である。冷戦時代には核に対する防衛を兼ねたNORAD同様重要な戦力であったが現在では2002年に統合され引き継いだ宇宙軍の任務が重要な役割を果たしている。監視衛星の打ち上げ、他国衛星の監視も行っている。

輸送軍(US TRANSCOM=UNITED STATES TRANSPORTATION COMMAND)

■司令部:イリノイ州スコット空軍基地
■編成:空軍航空機動コマンド、海軍海上輸送コマンド、軍事交通管理コマンド

輸送軍はアメリカ軍の戦域(作戦地域)までの部隊と装備の輸送を一手に引き受ける戦略輸送部隊で陸海空の輸送装備をフル稼働させ短期間で戦略地域への大量輸送を可能にしている。1990年の湾岸危機ではクウェート奪還の為の部隊派遣に輸送軍が活用され短期間の内にサウジアラビアなどに大部隊の展開を成功させている。