U.S.NAVY SEALS
■HISTORY
世界の海軍が持つ特殊部隊の中でも群を抜いた存在になっているのがアメリカ海軍のSEALSである。第二次世界大戦中に水中破壊工作部隊(UDT:Under Water Demorition Team)として活躍したアメリカ海軍の精鋭部隊はケネディ政権下でSEALとして生まれ変わった。彼等はメコンデルタ地帯のベトコンとの戦闘を行うために、より高度な戦闘技術。すなわち陸、海、空のあらゆる方向地域での作戦が可能な戦闘部隊SEALを発足させた。SEALはSEA(海)AIR(空)LAND(陸)の頭文字をとって命名された。当初はサンディエゴからシールチーム1が派遣されPBR(河川哨戒艇)に乗り込み河川からの攻撃を担当した。続いてアメリカ東海岸に籍を置くシールチーム2が投入されると当時のチーム2メンバーのリチャード・マルシンコ少尉はチーム1の牧歌的戦術に満足できず、自ら陸に上がり敵を探し攻撃するというゲリラ戦を展開した。当初海軍ではSEALの運用について意見がまとまっておらず、その能力も疑問視されていたが、現場の隊員が独自に判断し柔軟に対応する戦術が有効に働きSEALの戦闘力は評価されることになった。やがてCIAがその能力に注目し、現地で作戦を行うPRU(省偵察部隊)と接触、直接作戦を展開するようになった。やがってフェニックスプロジェクトと呼ばれるこの作戦でSEALはメコンデルタ地帯における独自の秘密戦争を開始。ベトコンの司令官の暗殺や機密書類の奪取、ベトコンのスパイとされる政府メンバーの暗殺などを行いベトコンから恐れられた。最初の作戦地域が沼地や河川の多いメコンデルタであったことはSEALにとっては幸運で彼等はこの後実に独創的な武器や装備を開発していく。これらの装備や銃器は現在でも広く知られ開発の参考にされているものも少なくはない。彼等はベトコンの支配地域を4名〜7名程度のメンバーで偵察しベトコンを待ち伏せ攻撃し即座に撤退した。そのためLRRPの様な重装備になることは希で食料などは多くは持たず小銃用の弾薬と手榴弾がそのほとんどを占めた。ベトナム戦争が激化するとSEALもチーム3,4、5と拡大され5チームを維持することになった。かれらはマルシンコの行った作戦を踏襲しSEALの戦闘技術は完成を見た。戦後イラン大使館占拠事件でデルタフォースの作戦が失敗に終わると軍上層部では海軍のSEALにデルタフォースと同じ対テロ能力を与えることを模索しだした。この時創設を行った人物はベトナム戦争で勇猛を馳せ、ベトコンに賞金までかけられたSEALS隊員リチャード・マルシンコ中佐だった。彼は即座に海軍版デルタの組織作りに着手し特に海上テロや都市戦に主観を置いた部隊を作り上げた。この6番目ののチームはSEAL TEAM6(シールチームシックス)と命名され募集と選抜は各SEALチームから行われた。彼等は基礎訓練であるBUD/S及び空挺訓練など一連の訓練を既に終了していた者ばかりだがその中から更に能力の高い者を選び出すのがマルシンコの仕事であった。1988年には海上の船舶を臨検する任務を主にしたSEAL TEAM 8が創設された。チーム8は敵性船舶の乗船臨検、攻撃を行う部隊でチーム6と同様の対テロ訓練を受けている。湾岸戦争では海上封鎖を突破しようとするイラクの船舶に対し海上臨検を行った。またその他のチームも砂漠地帯に展開し後方攪乱、偵察などを行った。SEALは創設以来グレナダやパナマなどアメリカの関わったあらゆる戦闘に参加しており、独自の支援部隊も充実している。SBU Special Boat Unit(特殊船艇部隊)やNSW Naval Special Warfare Groupeなどがある。SEALは志願制であり海軍を始め海兵隊、フォースリーコンなど様々な部隊から選抜コースを受けに来る。彼等はまず7週間の事前訓練にかけられその後SEAL選抜コースとして有名なBUD/S(Basic Under WaterDemolitions/SEAL)の24ヶ月継続訓練を受ける。第一段階では溺死プルーフと呼ばれる水中、水泳訓練が施されその他の訓練でも志願者を肉体的、精神的に限界に追いつめる。この時点で60%以上が脱落し悪名高きヘルウィークを迎える。この間睡眠時間は与えられずひたすら消耗させる。彼等の格言に「安らかなる日は唯一過ぎ去った昨日のみ」と言う言葉がある事からもその壮絶さが伺える。第二段階では水中でのスキューバ訓練、UDT訓練が行われる。第三段階では水中からの侵入訓練、上陸戦闘、爆発物取り扱い、長距離偵察、高々度落下訓練、通信訓練などハイレベルの技術、戦闘訓練が施される。その後NAVAL SPECWARCOMを経て各SEALチームに配属される。そこでは更に高度な訓練を実戦部隊と共に行いこれらの訓練を終えて一年後に晴れて正式なSEALメンバーとして部隊バッジのトライデントを授与されるのである。またSEALはアメリカ軍の保有する特殊部隊の中でもメディアに対しもっとも便宜を図っている部隊として知られている。そのため彼等の予算や装備は優遇されてきた。現在SEALは従来の東西海岸配置型ではなく専門地域を持って任務に当たっている。チーム3は中東地区が担当になり、砂漠戦に対応した武装、装備を施されている。その他のチームもアジア地区やヨーロッパ地といった具合に展開している。そのため各地域の活動にあった装備や銃器に特化している傾向がある。またSEAL TEAM6をDEV GROUPと改名した。
■UNIT
SEALsは海軍特殊作戦センターに於いてBUD/Sの訓練を終えたエリート隊員で構成された海軍特殊部隊である。SEALチームは6つの特殊作戦グループに分けられそれぞれ担当地域を持つ。SEALはその名の通りSEA(海)、AIR(空)LAND(陸)と地球上のあらゆるエリアで活動するもので海軍の艦隊作戦の支援及びアメリカ特殊作戦軍の要請により投入される。SEALは通常16名編成で組織される。海上、海中から陸上へ侵入し偵察を行うほか海岸に設置された障害物を除去し上陸部隊の支援を行うなどの作戦行動がとられる。また特殊船艇部隊と連携し河川地域でのパトロール、奇襲作戦なども行う。SEALは基本的に海上から潜入し海上へ帰還する。このため彼らを支援、回収する部隊は航空機、潜水艦、水中潜航艇、車両など多岐に渡る。彼らは最新鋭の歩兵用火器及び個人装備、テクノロジーで武装し敵に気づかれることなく静かに潜入、任務を果たし帰還する。
SEAL TEAM 1
東南アジア地区を担当するチーム。東南アジアにはフィリピン南部のミンダナオ島を活動拠点とするイスラム系テロ組織の他インドネシア、マレーシア近海では海賊行為が多発している。またインド、パキスタンなどの潜在的危険国家やタイ、ラオス、カンボジアの麻薬問題など深刻な問題を抱えている。このためSEALチーム1には熱帯地域での活動及び海上監視、船舶臨検能力が求められる。
SEAL TEAM 2
東ヨーロッパ、ロシア地域を対象に訓練を施している。ソ連の解体により紛争と大量破壊兵器流出などの複雑な問題を抱えている地域であり、旧ソ連製の兵器を大量に保有する国家が多い。敵対する組織の人員が東側の高度な訓練を受けているのも大きな特徴といえる。旧ユーゴスラビア、コソボなどで平和維持部隊の支援の他ロシアルートで流通する武器、麻薬対策などが求められる。
SEAL TEAM 3
中東地域を管轄するチーム3は湾岸戦争を境に一掃の能力向上が求められている。乾燥砂漠地帯という特殊な環境下における活動は特殊部隊の任務でも負担が大きく戦闘以外での死傷の危険も高い。この事から砂漠地帯での訓練を日夜行い環境適応と砂漠地帯での装備の試行を繰り返している。
SEAL TEAM 4
TEAM 4は中央、南アフリカを担当する。民族紛争の多発する地域であり各国の情勢は変化に富んでいる。政治、文化、社会環境なども地域ごとに異なることから優れた順応性が求められる。
SEAL TEAM 5
中国、北朝鮮の他北アジア地域を担当する。特に21世紀に入り表面化してきた朝鮮半島問題に対応すべく錬成を重ねており寒冷地での訓練も行っている。
SEAL TEAM 8
湾岸戦争でペルシャ湾岸の海上臨検を行ったチーム8は地中海、北アフリカ地域の担当となる。北アフリカ地域では地中海に面したリビア、アルジェリアなどテロ支援国家が存在する。また地中海域の安定化のために同盟軍と連携し作戦行動を行っている。
DEVEROPMENT GROUP(TEAM6)
デルタと他の特殊部隊が行い未遂に終わったイーグルクロー作戦を受けて海軍に設置された海軍対テロ特殊作戦部隊である。海軍で最も秘匿性の高い特殊部隊は1980年10月にそれまで編成されていた海軍特殊作戦部隊Mod6に代わり新規編成されたチーム6は海上テロの専門対策部隊として活動を開始している。チーム6はチーム2の変形組織として組織され、海軍特殊作戦部隊の開発任務を担当していた為、デベロップメントグループの名称を与えられたが任務の秘匿性上その名称を継続し海軍特殊作戦部隊開発グループとしている。約300の実働部隊と300名の支援、兵站部隊で構成されていると考えられる。Dev GROUPとして知られデルタなどと統合作戦を行う事もある。
■EQUIPMENT
SEALの特殊装備は作戦上の侵入方法や目的により他の特殊部隊同様柔軟に変化する。主に海上からの侵入や河川流域で活動をすることから個人装備にはフローテーションベストや緊急用浮揚ベストを装備することが多い。小火器はM16ライフルの他M4A1カービン、M203グレネードランチャー、M14などが好んで使用される他、敵支配地域ではAK47などの東側火器も用いる。機関銃はM60の他Mk46支援火器が使われ、対戦車火器としてAT-4、LAWなどが使用される。狙撃銃はH&K社製MSG-90、レミントンM40、ナイツSR25などが使用されこの他にも様々な火器が使用される。また高機動車両を運用し車載兵器としてMk19、M2ブローニング50口径機関銃が搭載される。海上からの作戦ではSEALデリバリビーグル、ゾディアック強襲ボートが使用される他専用のSEAL艇サイクロン級高速艇が支援にあたる。対テロ及び偵察、監視任務に於いてはより軽量なMP5機関銃やサイレンサー装備のMP5SDが使用されSIG社製9mmオートマチック拳銃、Mk23特殊作戦ピストルが用いられる。