ベトナム戦争で使われた銃
10年以上に渡り繰り広げられたベトナム戦争では実に様々な銃が登場し使われた。ジャングルでのゲリラ戦という今までに体験した事の無かった戦場に既存の歩兵用武器の概念は一蹴された。そんな中、ある部隊は既に採用から外れた武器を持ちだし、ある部隊は新型銃器の開発をしていった。ベトナム戦争で生まれた傑作、駄作は数多く存在する。このページではそんな銃器を紹介していきたい。銃はベトナム戦争の兵器の中心といってもよく、歩兵の戦争として知られる。銃器には米軍、共産側の両軍が同時に使っていた銃も少なくはない。ベトナム装備初心者やマニアを目指しているマニアに参考にしていただければ幸いである。このコーナーを作ったきっかけは、あるゲームにおいて「UZIってベトナムで使ってたのか?」という言葉に端を発しています。ベトナム戦争(以下NAM戦)からは既に30年が経過していますが日々新しい事実が浮かび上がり、肯定されては否定されという繰り返しがあります。これは、元々実体が掴みにくいミリタリー界の抱える問題ではあります。今日まで使われてないと言われていた物が一枚の写真の出現でひっくり返される場合も多々あります。ですから今回は2001年3月現在までに確認され一般に言われている武器をNAM戦銃器として定義したいと思います。当然すべてを網羅する事はできませんが、あなたのNAM装備の参考にしていただければ幸いです。不明瞭なものはあえて不明瞭のまま掲載します。その銃の使用についてはご自分で判断ください。自分で予想し装備することもこの世界の楽しみであると感じています。


■ピストル編
■コルトガバメントM1911A1
第二次世界大戦以前より使われているアメリカを代表するピストル。意外にもアメリカ軍以外でまともに正式採用している国は少ない。ヨーロッパでは9mmが主力のピストルであったがアメリカ軍では45ACPを使用している。信頼性は高かったが命中精度はその口径に比例して悪く何より装弾数が7発と低かったことがピストルを主力武器として使うトンネル専門の制圧部隊の悩みであった。このためソードオフショットガンなどが代用品として使われ始める。【関連リンク】
■ブローニングハイパワー
当時の9mmオートマチック最高傑作と言われていたブローニングHPは、中国などでもライセンス生産されていたため世界的に使用されているピストルである。ベトナム戦争ではアメリカの特殊部隊を始めオーストラリアSASなども使用していた。装弾数は13発とガバメントよりも多かったために人気は高かった。射撃精度も優秀であったが一般部隊はその恩恵を得るに至っていない。サイレンサー装備モデルも使用された。
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■Mk22 MOD0
Mk22はサイレンサーを装備した9mmオートマチックピストルであり、メコンデルタで活動するアメリカ海軍特殊部隊SEALが使用した。この銃にはガスサイレンサーが装備可能で、専用のインサートを交換する事で一回に22発程度をサイレンサー効果内で発射できる。ベースになったのはS&W社のM39であったがその後試作段階でM59に切り替え採用された。米軍が使った9mmピストルの一つである。【関連リンク】
■コルトコンバットコマンダー
ベトナム戦争中に将官に支給されたピストルだがその携行性から多数の特殊部隊隊員にも使用された。
■ウェルロッドMKII
第二次世界大戦中にイギリスのSOE(英国特殊作戦部)によって開発されたサイレンサー付拳銃。1943年にはOSSにも引き渡されベトナム戦争でも少数が生産され使用された。主にタイ、ラオス、カンボジアで使用されたが命中性能は高くなく、充分な訓練が必要であった。サイレンサーを外すと単発拳銃として使用できる。
■ハイスタンダードH-D
1944年当時のOSS(後のCIA)により発注され完成したサイレンサー装備のピストル。サイレンサーはベル/エマソン製。口径は22口径ロングライフルで装弾数は10発。サイレンサーは固定式でクリーニング時に外被のみ外すことができる。ベトナム戦争ではCIAに支給され各種秘密工作に使用された。
■ワルサーP38
第二次大戦後P1としてフランスなどで大量に生産されたオートマチックピストル。インドシナ戦争の時から使用されておりベトコン等も使用している。特殊部隊ではサイレンサー付のワルサーP38も使用していた。
■ワルサーPPK/S
ワルサー社の小型拳銃にサイレンサーを装備したモデル。HALO(高々度自由落下)部隊に支給されたモデル。
■トカレフTT1930/33
共産軍に使用された一般的なピストルトカレフ。【関連リンク】
■コルトパイソン357
コルト社の高級リボルバー。一部の特殊部隊が近距離戦闘の際に使用した。リボルバーでは他にもセンチニアル、ボディガードなど多くの物が使用された。


■SMG編
■トンプソンM1A1
ベトナム戦争初期には優れた近接専用武器が少なかったため第二次世界大戦などで使用された武器も持ち込まれた。また越境作戦などではアメリカ軍であるための証拠を隠すためこれらの武器が使われている。CIAや高原人の傭兵にも支給された。【関連リンク】
■M3A1グリースガン
グリースガンは中国でも37式の名称でコピーされ使用され、米軍でもサイレンサーを装備するなどして特殊部隊に支給された。M3Sはサイレンサー装備のSMGとして特殊部隊に重宝された。グリースガンは小さくジャングルでの戦闘に向いていたため初期の特殊部隊が好んで携行している。【関連リンク】
■UZI SMG
UZIはサイゴンの第5特殊部隊B57分遣隊がCIAの支援のもと1967年から実施した越境作戦「プロジェクトガンマ」に参加した隊員に支給した。特殊部隊で使用したUZIはベルギー社のライセンス版でアメリカのミリタリーアーマメント社製サイレンサーを装備している。当時としては最高レベルのSMGであった。【関連リンク】
■イングラムM10
ベトナム戦争中に特殊作戦用として支給された小型のSMGで強力な45ACP弾を使用する。多くのイングラムにはサイレンサーが装備されてていた。サイレンサー装備のSMGは主に越境などの非合法作戦に使用されたため刻印や製造番号は削り取られている
■スェーディッシュK(カールグスタフM45B)
36発の装弾数を持ち安定した作動で信頼性も高かったスウェディッシュKはジャングルでの秘密作戦で威力を発揮した。主に越境などの非合法作戦に使用されたため刻印や製造番号は削り取られている。サイレンサー装備のモデルも50挺ほどが製造された。SMGはLRRP等にも支給された。マガジンは12本+1本が支給されていた。この数がベトナム戦争でのSMGの一般的なマガジン支給数である。
■MAT-49
フランス軍がインドシナに於いて使用したSMGで当時のベトミン軍が多数を捕獲したためジャングルでの戦闘に使用された。米軍でも攪乱のために多数のMAT-49を装備し戦闘で使用した。
■ステンMkIIS
WWII中にOSSで開発したサイレンサー装備のステン。サイレンサー基部には加熱による火傷を防ぐため布製のカバーが装備されていた。アメリカ軍が使用したサイレンサー装備のステンはアメリカ本土でのライセンス生産モデルである。越境部隊がAKなどと組み合わせて使用した。殺傷力は低いが接近戦では音が小さいために非常に効果的であった。


■ライフル/カービン編
■スプリングフィールドM14
ベトナム戦争開始時にアメリカ軍の制式採用ライフルであった。セミ、オートマチック射撃が可能であったが7.62mm弾の反動は強く、掃射射撃が多かったジャングルでの戦闘ではあまりにも不向きであった。また全長が長くジャングルでの機動性は皆無であったため、制式採用から僅か5年でM16にその座を奪われた。【関連リンク】
■スプリングフィールドM1ガーランド
南ベトナム政府などに軍事援助品として供与されたWWII時の米軍のライフル。戦後大量に余ったためアジアやヨーロッパの同盟国にも多数供与された。ベトコンにも多数が流出したが反動が大きくアジア人には不向きな銃であった。【関連リンク】
■ウィンチェスターM1/M2カービン
M1カービンは第二次世界大戦後にほぼその役目を終えていたが、体格が小さく軍事供与品のM1ガーランドが不向きであったアジア人には最適な銃として注目され使用された。また軍事顧問のSOGなどにも全長が短く扱い易いことからジャングルで使用された。結果カービンサイズの銃はヨーロッパなどの戦場では不向きであるが、100m以下の接近戦が多いベトナムでは、WWIIに於いて殺傷力が低いと指摘された30ウィンチェスター弾でも充分で、むしろ安定した射撃ができるということがわかった。このような結果からM16ライフルが生まれることになる。【関連リンク】
■FN FAL
ベトナム戦争に参戦していたオーストラリア軍の陸上戦部隊SAS(スペシャル・エア・サービス)で使用された西側を代表するライフル。M14同様強力な7.62mmNATO弾を使用し全長も長いことからジャングルには不向きであった。そのためオーストラリアSASでは早い時期からAK47やM16を使用した。【関連リンク】
■アーマライトAR15
アメリカ空軍が基地を防衛する部隊などに支給した米軍初の小口径アサルトライフル。M16の原型になったモデルでハンドガード、ストックなどの樹脂パーツがODに塗装されていた。その後すぐにジャングルでの戦闘に適したライフルを探していたグリーンベレーなどの特殊部隊にも支給された。【関連リンク】
■コルトM16(M602)
AR15の成功によりアメリカ軍が支給を開始したAR15の改良モデル。ボルトフォアードアシストノブは存在せず、三つ又のフラッシュハイダーが装備されていた。樹脂パーツの塗装は黒になり特殊部隊、空挺部隊を優先して支給が始まったが、クリーニングなどの面で間違った認識を生じさせ暴発事故が相次いだ。【関連リンク】
■コルトM16A1(M603)/XM16E1
M16A1はM16の欠点を半ば強引に補う形で支給が決定した。ボルトフォアードアシストノブなどが装備されストックにはクリーニングツールが収納可能になった。ベトナム戦争を代表する銃で、現在でももっともポピュラーなアサルトライフル。当初は20連マガジンであったが連射速度が速く弾丸消費が多かったため30連型弾倉が支給されたが主に特殊部隊が使用した。【関連リンク】
■コルトMk4
アメリカ海軍が採用したM16でボルトフォアードアシストノブを装備したM602。
■ハーリントン&リチャードソン .223
H&K社のHK33ライフルをライセンス生産したモデルでアメリカ海軍のSEALが使用していた。M16の信頼性の低さが指摘されていた為それに代わる銃として少数が試験的に使用された。【関連リンク】
■ストーナーM63アサルトライフル/カービン
ユージン・ストーナーの設計した可変式ライフルで銃身、パーツの交換でアサルトライフルからカービン、マシンガンにまでなる銃として製作された。海軍で使用され絶賛されたものの陸軍ではM16の支給が充分であったため大きな成功は収めることができなかった。
■CAR-15SMG GX5857
コルト社の海外向けモデルCAR15シリーズのSMG。M16の全長を短縮したモデルでジャングルで求められていたよりコンパクトなモデルとして投入された。しかし車載を目的に作られたCAR15SMGは特殊部隊の使用には耐えられず改良型のXM177に交換された。サプレッサーは3タイプ存在し初期のチューリップ型と後期モデルの大型サプレッサータイプ2種がある。【関連リンク】
■XM177/XM177E1/XM177E2
XM177はCAR15SMGに代わるショートモデルとして1966年に支給されたモデル。CAR15と同じ10インチバレルを持っていたためトレーサーの発光不良が起きやすく改良型のE2モデルになった。1966年に支給が開始され特殊部隊やパスファインダー、軍用犬部隊に配備された。E2モデルの一般部隊への支給は行われていない。【関連リンク】【関連リンク】
■ウィンチェスターM70
ジャングルでの狙撃兵の威力を目の当たりにしたアメリカ軍が同じようにスナイパーを育成して対応したがウィンチェスターM70はその代表的な狙撃銃である。ベトナム戦争時に大量購入されたが、ウィンチェスター社がその発注数に対し製品のクォリティを維持できずにレミントンにその座を譲った。【関連リンク】
■レミントンM700/M40
レミントン社の狩猟用狙撃銃であったがアメリカ軍のベトナム介入に伴い購入されるようになった。主に海兵隊の狙撃兵が使用したが、その後軍用スペックに改良されたM40が採用される。どちらもボルトアクションの狙撃銃として戦後も使用された。【関連リンク】【関連リンク】
■スプリングフィールドM21
M14の優れた命中精度に注目した陸軍が狙撃兵用にスコープを搭載したモデル。ベトナム戦争後もオートマチックスナイパーライフルとして軍や警察で使用されている。
■ルガー10/22ソニックサイレンサー
カンボジア越境の際に特殊部隊が使用したルガー10/22狙撃銃の改造モデルで、バレルを一体型のサイレンサーにしており静粛性に優れている。銃身寿命や制圧力の関係からAK47などの銃も同時に携行していた。
■コルトM16スナイパー/M656
コルト社のM16A1を狙撃しように改造した物でシオニクス社のノイズサプレッサーを装備している。後期モデルでは、HELノイズサプレッサー、MAW-A1ノイズサプレッサーも随時使用された。スコープはレザーウッド・リアリスト3-9倍を使用。
■SKSカービン
ソビエト軍のセミオートマチックライフルで優れた命中精度を誇る。ベトコンでは主に中国製のSKSをジャングルでの待ち伏せ狙撃に使用しアメリカ軍を震え上がらせた。【関連リンク】
■AK47/AK47S/TYPE56
共産軍の中核を成す装備で同時に米軍特殊部隊にも多数使用された。セミオートでの良好な命中精度から人気があったが米軍側ではマガジンが不足しており韓国で秘密裏に生産していた。1967年にラオス内戦以降は軍部が越境時にも米国火器の使用を許可したため使用は減ったがオーストラリアSASなどでは愛用された。【関連リンク】【関連リンク】【関連リンク】
■AKM
AK47の強化改良型で当時は北ベトナム正規兵などのエリート部隊に使用された。【関連リンク】
■ドラグノフSVD
共産軍で中国製のドラグノフが使用された。【関連リンク】


■マシンガン/その他の武器編
■M60GPMG
MG42を参考に開発され1957年に採用されたマシンガンで銃身交換機能を持つ。重くトラブルも多かったが支援火器として頼りにされた。海軍特殊部隊のSEALでは携行性を高めるためにバイポッドを外したものや、フロントバレルを短縮し背中にベルトリンクコンテナを背負う通称デスマシーンも使用された。【関連リンク】
■ストーナーM63ALMG
陸軍と海兵隊がストーナーシリーズをテスト使用した。中でもマシンガンモデルの63Aを改良したMk23は海軍の特殊部隊SEALSに使用され彼等の象徴的火器となった。
■ストーナーMK23
海軍SEALが採用したストーナーライフルの支援火器モデルでフルーテッドバレルを採用しドラムマガジンを持つなど優れた制圧火器であった。
■ブローニングBAR
第二次世界大戦で使用されたBARはベトナム戦争中南ベトナム政府軍や初期に投入したSOGの作戦部隊で使用されたが本格介入後はジャングルでの使用が効果的でなかった点とアメリカ軍の兵器が使用可能になった事で姿を消した。
■FN MAG GPMG
オーストラリアSASが持ち込んだ支援火器で西側で最も使用されるマシンガン。M60よりも遙かに重いくジャングルには不向きであった。【関連リンク】
■M14A1
M14の分隊支援火器モデルでピストルグリップとバイポッドが装備されている。
■ブローニングM1919 .30CAL
30口径の重機関銃で米軍、南ベトナム政府軍が基地の防衛なので使用していた。
■ブローニングM2 .50CAL
最も強力な機関銃で12.7mm弾を使用する。最低2名で運用し基地を防衛する。戦車や装甲車にも装備された。現在でも使用される傑作兵器。【関連リンク】
■レミントンM870
ジャングルを歩くポイントマン(斥候)に好んで使われたショットガン。レミントン社のM870はスライドアクションのポピュラーなモデルで散弾を装填してし使用する。特にソードオフされたものはベトコンの作ったトンネル掃討戦で頼りにされた。【関連リンク】
■イサカM37
イサカM37は主に海兵隊で使用されたショットガンでその軽さからフェザーライトと呼ばれていた。ジャングルでの斥候の他に多くのショットガン同様トンネル戦闘で威力を発揮。【関連リンク】
■M79
M79は単発中折れ式のグレネードランチャーで40mm口径のグレネードを発射可能になっている。ジャングルでの歩兵の火力を著しく強力にした兵器でアメリカ軍は更に巨大な火力を得ることに成功した。ストック、バレルを短縮したM79ピストルという特殊部隊改造モデルも存在する。【関連リンク】
■XM148/M203
XM148はM79の射手にライフルマンとしての能力を与えるために製作されたグレネードランチャーでM16の銃身の下に装着する。当初XM148が投入された。しかし構造が複雑であったため改良を重ねM203が生まれた。M203はXM203の名称で1968年8月に採用され12月に最初の600挺がベトナムに投入された。【関連リンク】
■チャイナレイク スカンクワークス
チャイナレイクの海軍ナティック研究所が製作したポンプアクション式の40mmグレネードランチャー。強力な火力を持っていたものの、あまりにも重かった事から本格的配備には至らなかった。
■Mk19
MK19は三脚に固定して使用するオートマチックグレネードランチャーである。40mmグレネードの撃てるマシンガンという印象で装甲車や河川哨戒艇に装備して使用した。破壊力は凄まじいものであったが歩兵がジャングル内で運用することはできない。【関連リンク】
■RPD/RPK
ソビエト連邦の分隊支援火器でドラムマガジンを持ち優れた制圧力がある。LRRPなどでは越境作戦や後方攪乱作戦時にAK47と同時にRPDを使用した。RPKはRPD(デクチャレフ軽機関銃)の改良型。【関連リンク】
■PK/PKM
共産側の多目的機関銃で歩兵用支援火器として使用可能な以外に車載や重機関銃としても使用可能。