■SELF LOADING PISTOL(SEMI-AUTOMATIC)
オートローディングピストルはオートマチックピストルという呼ばれ方をするが、一般的に見てオートマチックとは引き金を引きっぱなしで弾丸が連続発射される事を言い、次弾発射の際にはその都度引き金を引かなければならないセルフローディングピストルをオートマチックと呼ぶのにはやや語弊がある。セルフローディングピストルは弾丸射撃の際に発生するガス圧を利用して次弾の装填を自動的に行うだけの物であり、自動装填式(セルフ・ロディング)またはオートローディングと呼ぶか、セミオートマチック(半自動)ピストルという言葉があてはまる。セルフローディングピストル19世紀末頃から開発・使用が進んだ。セミオートマチックピストルの登場によりピストルの射撃は一つの目標に対して、より多くの弾丸を撃ち込むことが可能となった。しかし装弾と排莢動作を同時に行うメカニズムは複雑で、信頼性に乏しく、メカニズムの確立には長い時間を要した。軍用ピストルとして最初に使用されるのは1911年ジョン・ブローニングの開発したコルトM1911が最初となる。M1911はいくつか問題も抱えていたものの、従来のリボルバーピストルよりも優れた速射性、操作性を持っており、排莢と装填を瞬時に行うセルフローディング式ピストルはこの後の軍用ピストルのスタンダードとなっていく。1920年以降の代表的なモデルとしてはコルト社のガバメントシリーズ、ブローニング社の9mmハイパワー、ワルサー社のP38などが存在する。
現在オートマチックピストルに使用されている作動方式は大きく分けて2つ存在する。射撃時のガス圧を利用したブローバックアクションと反動を利用したリコイルアクションである。ガスブローバックはガス圧によりスライドを後退させ排莢、次弾装填を行うが圧力=弾丸の大きさとなり、45ACPの様な大口径の弾丸を打ち出す場合、その圧力を直接受けるスライドと射手が反動に耐えられず、射撃可能なのはせいぜい380ACPまでと考えられていた。
しかし20世紀初頭にショーリコイルシステムが開発された事により大口径の弾丸の射撃が可能となった。ショートリコイル方式は弾丸発射時に銃身とスライドをロックし、ブローバックの際にスライドの後退を妨害、その後銃身がロッキングラッチから開放された銃身が僅かに下がり、スライドのみが後退、排莢、装填を行い、スライドは前進を開始。最終的に銃身も上げ戻し、元の射撃位置に戻るという方式である。これによりセルフローディングピストルはスライドのブローバックパワーをある程度相殺することが可能になり、大口径の弾丸への対応が可能となった。この他にもガス圧を銃身下部に設けたシリンダー内部に流し一時的にガスをプールしブローバックを遅らせる事で弾丸発射後にブローバックが開始されるガスディレイド(遅延)ブローバック方式などがある。ガスディレイドブローバック方式は弾丸が銃身から飛び出した後にブローバックが開始されることから、オートマチックの弱点であった命中精度を向上させることに成功した。
マーケットでのセルフローディングピストルは現在のピストル市場の中心となっており、特に警察、公安関係者では80年代以降一般的になっている。
セミオートマチックピストルは現在の軍用ピストルのスタンダードであるが、今日の軍用分野に於けるピストルの存在は実に曖昧であり、一部の特殊部隊が使用する突入作戦用に改良を施したピストル、タクティカルピストルなどが唯一実践的な使用法といえる。主にCQBなどの近接戦闘に使用されるそれらのピストルはサイレンサーやレーザーモジュールを装備する事が多く、他の軍用拳銃がディフェンシブ重視であるのに対してオフェンシブピストルなどと言われ、現在でも多くのメーカーで開発されている。民間、準軍事でのセミオートマチックピストルは1980年代以降一般的になり家庭用のセルフディフェンスでもマーケットの主力になっている。