ASSAULT RIFLES
■ASSAULT RIFLES
アサルトライフルは突撃銃とも呼ばれるが、定義としてはオートローディング(自動装填)式である点、装弾数が20発以上の箱形弾倉である点、フルオートマチック射撃が可能な点、22-30口径前後の中型ライフルカートリッジを使用する点などがあげられる。
アサルトライフルは現在の歩兵用軍用銃のスタンダードとなっている。第二次世界大戦で米軍はM1カービンを使用し有効性を見いだした事で、歩兵銃の可能性はアサルトライフルに有利になった。ところが戦後M1ガーランドに代わって軍が選んだのは、M1のフルオート機能付改良モデルのM14の採用であった。M14はフルオート機構の付随した程度のガーランドと言っても過言ではない。これまでのクリップ式弾倉を現在広く使われるボックス型マガジンに変更し、装弾数を増やし連続発射の際の有効性を増した物だった。しかしフルロード弾である7.62x51mm弾を使用するこの大型ライフルは既に時代遅れな発想と設計で、この後始まるベトナム戦争でアメリカはそれを思い知らされる。またこの時期西側各国で試作が行われていた小口径ライフルはアメリカ主導のNATO弾の制定により、登場の機会を失われてしまう。NATO弾が7.62x51mmに制定された事は歩兵用アサルトライフルの設計に大幅なマイナス要素となった。この時期の多くの試作ライフルは自力で開発していた小口径弾の規格とライフルの設計を放棄しなければならなかった。メーカーの多くは同時代のライフルをNATO弾の設計に変更し、アサルトライフルを完成させた為に多くの弊害をもたらす結果となった。
一方ソビエト連邦ではミハエル・カラシニコフによって20世紀最高傑作と言われるアサルトライフルを開発した。AK(アブドマット・カラシニコフ)1947と名付けられたそのライフルは7.62mmx39弾を使用し、全長はわずか870mm。セミオートとフルオートの発射機構を持ち、その扱い易さと作動の確実性からすぐに東側各国、アジアで大量生産された。
西側で最初に使用された小口径アサルトライフルAR-15

西側の小口径化
1960年代のアメリカ軍はベトナム戦争を開始した。開戦当初米軍は優位に立っており、地上部隊はM14の信頼性を疑うことが無かったが、いち早く現地で秘密作戦を展開していた特殊部隊では小型、軽量、小口径ライフルの出現を望んでいた。
この頃の西側(NATO)諸国はアメリカ軍の主導でNATO弾を制定。7.62x51mm弾を標準弾として使用しており、FAL、G3ライフルなどが採用の中心であった。この為、小口径弾の採用は見送られ続けていた。また、これらの国家の中にはNATO弾がフルオート射撃に適さない点から、アサルトライフルとして必須機能であるフルオート機能を省いたものを採用する国家も多かった。
ベトナム戦争がゲリラ戦の様相を見せてきた頃、アメリカ空軍はアーマライト社が開発した新型ライフルAR15をM16として採用。基地周辺の警護隊などに支給した。AR15は、これまでの西側アサルトライフルとは異なり、発射機構もさることながら、機関部以外を従来の木製ではなく、黒いファイバープラスティックで製作した大胆で奇抜なライフルだった。当初はスペースエイジャー(宇宙時代の銃)、マテル(アメリカ大手のプラモデルメーカー)スペシャルなどと酷評された。しかし小型ライフル登場の知らせを聞いた米軍特殊部隊は早速AR15を使用する。そしてその性能は予想以上に素晴らしいものだった。新開発の5.56x45mnm弾は飛距離と破壊力こそ7.62x51mm弾に劣るものの、視界の狭いジャングルでは遠距離射撃の必要性は少なく、M14と7.62x51mm弾は不利に働く事が多かった。小口径弾は接近戦でのフルオート射撃でも安定した命中精度が維持できる上に、圧倒的な発射速度で歩兵の火力を増大させた。小口径弾は反動が小さく、機関部や銃身もフルロード弾を使用するほどの耐久性を必要としなかった為、小口径アサルトライフルは西側の第一世代アサルトライフルと比べ、小型軽量に設計できた。これは大きな利点であった。更に小口径弾は飛距離が短距離で弾頭が軽い為、直進性が高く、サイトをシンプルに設計できた。30口径弾や射程800メートルに達する新型の5.56mm弾では遠距離射撃の際に重力と弾頭の低下を計算する為、目標距離毎にエレベーションの調整を必要とする。この為射程の長い弾薬を用いるアサルトライフルにはエレベーションアジャストが容易なリアサイトが装備される。カラシニコフのタンジェントサイトやM16A2、M14のリアサイトなどである。
ベトナム戦争以降アメリカ軍は、小口径弾を使用するM16シリーズを使用し、1980年代には射程の長い新弾薬の5.56x45mm弾(M855)と共にM16A2を採用していく。
1980年代以降、西側では小口径アサルトライフルは一般化し、次々と小口径弾を使用するアサルトライフルが採用されていく。オーストリア、イギリス、フランスなどは、機関部をストック部に収納し銃身長を変えずに全長を短縮したブルパップ機構のアサルトライフルステアーAUG、L85(SA80)、FA-MAS F1などを開発する。これら西側のアサルトライフルは皆5.56mmx45弾(新NATO弾)を使用するが、これにはNATOに半数以上の兵力を送るアメリカの働きかけがあったのは言うまでもない。
ステアー社のブルパップライフルAUG/STG-77

ブルパップライフル
ブルパップライフルとは第二次世界大戦後に小口径アサルトライフルが各国に普及していく中で開発されたライフルの構造システムの名称である。従来のライフルはトリガーよりも前方に弾倉、ボルト、チャンバーなどの射撃機構を配置しているが機械化歩兵が歩兵の主役になりつつあった70年代以降は車内での保持性や市街地での戦闘などを考慮し、より小型で機動性に富んだアサルトライフルの必要性が高まっていた。第二次世界大戦中または戦後の多くの歩兵用ライフルが1100mm前後であったのに対して小口径アサルトライフルの多くは900〜1000mmと小型化していたものの近代歩兵の戦術や運用を考慮すればまだまだ十分なコンパクトさとは言い難かった。 これに対して十分なメンテナンス性、命中精度などを維持したままで銃を小型化する事が課題となった。トリガー前方に射撃機構、弾倉を持つ従来のライフルの多くは銃身を短縮化しストックを伸縮または可倒式としていたが、バレルの短縮化は短縮以前の銃身と同じ命中精度を維持する事は不可能であり、またストックは射撃時に通常の長さまで戻さなければならなかったのでスタンダードサイズのアサルトライフルの性能を維持したままでの短縮化とは言えなかった。それらのモデルは現在でもカービンやコマンドーサブマシンガンなどの名称でコンパクト/ショーティのバリエーションモデルとして世界的に普及しているものの用途としては主に空挺部隊や特殊部隊用という限定的な目的に留まっている。
対するブルパップ方式のライフルは多くの歩兵用ライフルでデッドスペースとなっていたトリガー後方のストック部分に着目し、そのスペースに本来トリガー前方のメインフレームにあるべき射撃機構、弾倉などを収納しトリガー前方のメインフレームを省略、そのスペース分銃身を後退させ銃身の長さを変更することなく銃の全長を短縮するというものであった。これによりブルパップライフルは750〜800mmというコンパクトサイズのアサルトライフルとして設計が可能で、銃身を短縮したカービンモデルを製作した場合さらなる短縮も可能となった。
ブルパップ方式はいくつかの国で着目され設計、開発が繰り返されており、当時イギリスのEM-1/2(後のL85A1のベースモデル)やフランスのFA-MAS F1などが同時期に研究されていたがいち早く実用化に至ったのはベルギーのステアー社であった。