COLT
M1911/1911A1
M1911
コルト社のM1911は民間市場に於いてはガバメントモデルとして知られ、1911年の登場から現在に至るまで多数の改良、バリエーションモデルを展開し、傑作セルフローディングピストルとして誕生以来約1世紀に渡ってアメリカの軍、法執行機関、射撃愛好家などの間で使用され続けている。
ガバメントシリーズのベースモデルM1911は1900年代にアメリカ軍の新型軍用ピストルとして誕生した軍用セルフローディングピストルである。当時のアメリカ軍は長らく使用されていたコルト社のシングルアクションリボルバーM1873(S.A.A.)に代わり、1892年から採用、使用されていた38口径リボルバーであるコルトニューダブルアクションアーミー(DAA)が制式採用されていたが、1898年から1902年に行われたフィリピン併合に伴う米西戦争で38口径リボルバーの威力不足が指摘された。
当時フィリピンでのアメリカ軍は現地部族のモロ族と行われていたが、トランス状態で突撃してくるモロ族の戦士は38口径の弾丸が命中しても致命傷に至らず、そのまま米兵を攻撃する事が多かった。この事からより高いマンストッピングパワー(阻止能力:人間を行動不能に陥れる能力)を持った新型の弾薬とピストルの開発が必要になっていく。
コルト社ではM1873S.A.A.で使用していた45コルトを短縮化及びリムレス化し45ACP(オートマティックコルトピストル)として新たな弾薬を開発。ピストルは1898年に歴史的ガンデザイナーのジョン・M・ブローニングが設計しコルト社でM1900として販売されていたセルフローディング式ピストルをベースに大型化したものを開発。完成したモデルはM1905と命名されその後更なる改良を受け1911年には大規模なテストが行われ、M1911としてアメリカ軍に制式採用される。
M1911はシングルアクション方式のセルフローディングピストルで7発装填のボックスマガジンをグリップ内部に持ち、45ACP弾を使用する。作動方式はM1900と同様のブローニング式と呼ばれるショートリコイル方式でマニュアルセーフティの他にグリップセーフティを持ち堅牢で確実な作動が行えた。第一次世界大戦では支給数に限りがあったものの、威力、作動時の信頼性共に米軍兵士を満足させるものであり「ポケット砲兵」の愛称で呼ばれる様になっていく。

M1911A1
M1911A1は1926年にアメリカ軍のM1911ピストルの問題点をアメリカ軍の要求を受け、改良したモデルである。機構的な改良ではなく主に操作性を追求したもので、この改良後実に70年以上もアメリカ軍、警察、法執行組織、愛好家に使用される事になる。改良点としては(1)フロントサイトの大型化(2)ハンマースパーの延長と形状変更(3)ショートストロークのトリガー(4)グリップ下部後方のスプリングハウジングの大型化(5)グリップセーフティの延長(6)フィンガーレリーフの設置(7)マガジン下部のランヤードリングの排除(コルト/スプリングフィールド製)(8)各パーツの滑り止め加工をストレートラインからメッシュラインに変更などであった。
バリエーションモデルとして1929年にはコルト社でより扱いやすい38口径の.38スーパー弾を使用したコルトガバメント38スーパーモデルが市販され警察や法執行官、民間へのマーケティングにも成功している。.38スーパーは威力では45ACPに劣るものの、衝撃が少なく扱いが容易だった。また弾倉にはM1911A1の7発よりも多い9発の弾丸が収納できた事から、警察関係者に人気があった。
M1911、M1911A1共に第一次、第二次世界大戦時にはコルト社以外でも大量生産が行われ、イサカ社やスプリングフィールド造兵廠の他にタイプライターの製造会社であるレミントンランド社、ユニオン・スイッチ&シグナル社などでも製造が行われた。M1911A1は戦前、戦中に大量生産され実に100万挺以上がアメリカ軍に納入されたが、新規の発注自体は戦時中の大量生産を最後に以降まったく行われず、、これ以降M1911A1は消耗品、破損品の交換などで維持された。その為、朝鮮戦争、ベトナム戦争でも多くのM1911A1が損耗していくが、それら事態をもM1911A1は乗り越えアメリカ軍兵士に絶大なる信頼を植え付けた。1985年には消耗したM1911A1に代わりベレッタ社のM92FSがM9として制式採用されるが、アメリカ海兵隊MEUに所属する即応部隊のCQB/VBSS(閉鎖空間戦闘/艦上制圧任務)任務の際に使用するコンバットピストルとして使用された。このM1911A1にはスプリングフィールド社製のバレルやカスタムパーツ、パックマイヤー社製のラバーグリップなどが組み込まれより近代化されたものとなった。
M1911A1はアメリカ軍に採用されて以降、市販名「コルトガバメントモデル」として積極的に市販も行われ、全米の警察やFBI、各種法執行機関などで使用された他、射撃愛好家などにも絶大な支持を受けた。
1970年代以降にはコルト社から小改良を受けた民間向けモデルシリーズ70や、コンパクトモデル、カスタムモデルなどが数多く市販され、1980年代以降には多くの銃器メーカーが競ってガバメントモデルのカスタム、パーツ生産を開始。90年代にはスプリングフィールド社やウイルソン社などで自社パーツのみでの完成モデルも製造、販売、以降多数のメーカーがガバメントモデルを製造、販売する。中にはコルト社最大のライバルS&W社が製造するM1911モデルも存在する。また、多くの競技射撃では、ガバメントモデルを使用するクラスが設けられ、軍民を問わずアメリカを代表するセルフローディングピストルとして認知され、現在もなお使用が続いている。第一次、第二次世界大戦をはじめ、朝鮮戦争、ベトナム戦争、レバノン侵攻などの戦場で使用され、M9採用後もその高い信頼性から多くのM1911A1やそのカスタムモデルが特殊部隊で使用され、それらはパナマ侵攻、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争など、20世紀、21世紀のアメリカ軍の戦場で使用され、今現在もその使用が続いている。

M1911A1への変更点

●フロントサイトの大型化
●ハンマースパーの延長と形状変更
●ショートストロークのトリガー
●グリップ下部後方のスプリングハウジングの大型化
●グリップセーフティの延長
●フィンガーレリーフの設置
●マガジン下部のランヤードリングの排除(コルト/スプリングフィールド製)
●各パーツの滑り止め加工をストレートラインからメッシュラインに変更。
●写真緑色の部分はM1911A1からシリーズ70になった際に変更された滑り止め加工が施されていた場所で、M1911A1ではメッシュラインだったのに対してコマーシャルシリーズではストレートラインに変更されている。この他トリガー部分も含む。

M1911と共に開発された45ACP弾薬は6種類で以下の通り
●M1911 BALL

●M1921 ダミー弾
●M1 ハイプレッシャー弾(工場検査用)
●M1/M26 トレーサー弾
●M9 ブランク弾
●M15 散弾
M1911A1はそれ以前まで使用されていた38口径リボルバーピストルとは違い、発射時の衝撃も強く、命中精度は高い部類に入る訳では無いが、ピストル射撃を訓練された兵士にとっては、至近距離でのM1911A1の射撃は今日使用されている小口径ライフル弾を遥に凌ぎ、優れたストッピングパワーを発揮する事から人気、信頼性共に高かった。作動はシングルアクションで、単純かつ優れたブローバック発射機構のM1911A1は泥水に浸けても正常に作動し、アメリカ軍人同様にタフなピストルであった。その為、GIコルトとも呼ばれ、一般人にも知名度が高い。1985年に正式採用の地位をベレッタに奪われるが、その後もアメリカ軍の特殊部隊では愛用され、現在でも民間を中心に使用者は圧倒的に多い。90年代以降はM1911のパテント失効に伴い、コルト社以外にもスプリングフィールド社、ウイルソン社、STI社をはじめとする銃器メーカーが生産をしている。またこの傑作ピストルは多くのバリエーションを生み、今日までに無数のカスタムモデルが輩出されている。
OTHER GOVERNMENT SERIES
コルトガバメントは軍用拳銃としてはアメリカ軍以外の軍隊では殆ど使用される事が無かったが、アメリカ国内では登場以降100年近く製造が続けられ、アメリカのマーケットでは大成功を収めた銃と言える。1986年にはコルト社の持つM1911のパテントが失効になった為、多くのメーカーがガバメントのカスタムワークスとして多くのモデルを誕生させている。これらは競技目的のシューターが使用する高水準、高価格のものが多く、中には警察や軍の特殊部隊が採用しているものも多数存在する。LAPDが採用しているキンバー社のモデルやアメリカ海兵隊MEUが採用しているスプリングフィールド社のモデルなどが有名である。主なカスタムメーカーにはスプリングフィールド、キンバー、パラオードナンス、ウイルソン、STI、S&W、AMT等が存在する。これらのカスタムモデルの中には38口径モデルやロングフレームモデル、ハイキャパシティモデルなどがありグリップやハンマー、サイトなど殆どのパーツが独自デザインにより生産されており、価格も1000ドルを遙かに超えるモデルもある。

[GUN'S DATA]
■MODEL M1911
■MANUFACTURER COLT/USA
■OVER ALL LENGTH 219mm
■BARREL LENGTH 106mm
■RIFLING 6 GROOVES LH
■WEIGHT 1105g
■CARTRIDGE 45ACP
■FIRING SYSTEM SHORT RECOIL
SINGLE ACTION
■FIRING MODE SEMI AUTO
■MUZZLE VELOCITY 262m/s
■CYCLIC RATE ---rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 7 ROUND BOX

[GUN'S DATA]
■MODEL M1911A1
■MANUFACTURER COLT/USA
■OVER ALL LENGTH 219mm
■BARREL LENGTH 106mm
■RIFLING 6 GROOVES LH
■WEIGHT 1134g
■CARTRIDGE 45ACP
■FIRING SYSTEM SHORT RECOIL
SINGLE ACTION
■FIRING MODE SEMI AUTO
■MUZZLE VELOCITY 262m/s
■CYCLIC RATE ---rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 7 ROUND BOX

M1911A1第二次世界大戦戦勝記念モデル
[GUN'S DATA]
■MODEL M1900
■MANUFACTURER COLT/USA
■OVER ALL LENGTH 229mm
■BARREL LENGTH 152mm
■RIFLING 6 GROOVES LH
■WEIGHT 990g
■CARTRIDGE 38ACP
■FIRING SYSTEM SHORT RECOIL
SINGLE ACTION
■FIRING MODE SEMI AUTO
■MUZZLE VELOCITY 390m/s
■CYCLIC RATE ---rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 7 ROUND BOX

[GUN'S DATA]
■MODEL M1905
■MANUFACTURER COLT/USA
■OVER ALL LENGTH 197mm
■BARREL LENGTH 106mm
■RIFLING 6 GROOVES LH
■WEIGHT 920g
■CARTRIDGE 45ACP
■FIRING SYSTEM SHORT RECOIL
SINGLE ACTION
■FIRING MODE SEMI AUTO
■MUZZLE VELOCITY 262m/s
■CYCLIC RATE ---rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 7 ROUND BOX