SMITH & WESSON
1st Generation AUTOMATIC PISTOL
M39/59 Mk22 Mod0
Model 39
S&W社は1852年から創業され以降主にリボルバーピストルを販売する銃器会社としてアメリカの銃器業界に確固たる地位を築き上げた。しかしセルフローディングピストルの分野に於いては苦戦を強いられた。S&W社が最初にセルフローディングピストルを発売したのは1913年の事で、1911年にコルト社が45ACP弾を使用するセルフローディングピストルM1911が発表された2年後の事であった。これまでコルト社の後を追う形でリボルバー機構、スイングアウト方式の採用などを繰り返していたS&W社であったが、セルフローディングピストルの分野でも後手に回った形となった。最初のセルフローディングピストルは35口径を使用する小型セルフローディングピストルでM35と名付けられた。M35は45ACPよりも小型の35S&W弾を使用する事から、当時大口径ピストルを必要としていたアメリカ軍を始め、民間、警察などからも大きな反響は無く、マーケットでは完全に失敗となった。以降100年使用される名銃コルトガバメントシリーズに対抗するピストルとしてはあまりに役不足で、発売のタイミングとしては不幸だったとしか言いようがない。M35のマーケティング失敗によりS&W社のオートマチックピストルは1950年代になるまでその姿を消す。この後S&W社のリボルバーピストルへの特化は高品質なリボルバーを製造していくが、第二次世界大戦を前後して軍用ピストルのスタンダードになったセルフローディングピストルの開発は必要不可欠なものであった。しかしリボルバーのシェアが大きいS&W社は結果的に開発は遅れ、研究の本格化は1950年代からとなった。1954年にはダブルアクション方式のセルフローディングピストルM39が完成した。M39はヨーロッパなどで一般的に使用されていた9x19mm弾を使用するモデルであったが、マガジン自体はシングルカラアムの為装弾数は8発と少なかった。当時アメリカで主流であったコルトガバメントは45ACPを使用し7発、第二次世界大戦以降に最も成功しており、M39と同じ9x19mm弾を使用するブローニングハイパワーが15発の装弾数を持つ点を考えれば装弾数の面で大きなメリットは存在しなかった。唯一のアドバンテージであるダブルアクションの作動も銃自体の装弾数の低さやその機構の複雑さから受け入れられず、比較的小型であった事からハイウェイパトロールなどに限定的に採用されるに留まった。この背景には大口径を好むアメリカ市場での販売活動の不利もあったが、軍以外の市場ではまだリボルバーのシェアが大きく、信頼性などの問題からもM39はそれほど脚光を浴びなかった。
Model 59
モデル59はM39の改良モデルとして1971年に登場した。主な改良点はマガジンをダブルカラアム構造に変更した点で、これにより装弾数は7発から14発に増加した。M39とM59はそれぞれ以降に発売されるS&W社セルフローディングピストルの基礎となったモデルで第一世代セルフローディングピストルと呼称される。同シリーズは1980年まで製造された。ベトナム戦争では9mm弾を射撃するサイレンサー装備のピストルプラットフォームとして選定され特殊部隊用ピストルMk22 Mod0として軍用でも使用された。
ファーストジェネレーションピストルリスト
モデル 使用弾丸 全長(_) 装弾数 備考
M39 9x19mm 192 8 9mmダブルアクション。第一世代ベースモデル
M39-2 9x19mm 192 8 M39の合金フレームモデル
M44 9x19mm 192 8 シングルアクションモデル
M52 38MASTER 192 8 M39の38Master弾使用モデル
M52A 38AMU 192 8 M39の38AMU弾使用モデル
M59 9x19mm 192 14 M59の改良型でダブルカラアムマガジンを採用
M62 45ACP 192 7 45口径シングルアクションモデル
M147A 9x19mm 192 14 M59の改良モデル。1979年発売のダブルカラアムマガジンモデル

[GUN'S DATA]
■MODEL M39
■MANUFACTURER SMITH & WESSON/USA
■OVER ALL LENGTH 195mm
■BARREL LENGTH 101mm
■RIFLING 6 GROOVES RH
■WEIGHT 799g
■CARTRIDGE 9x19mm
■FIRING SYSTEM DOUBLE ACTION
■FIRING MODE SEMI AUTO
■MUZZLE VELOCITY 370m/s
■CYCLIC RATE ---rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 8 ROUND BOX

[GUN'S DATA]
■MODEL M59
■MANUFACTURER SMITH & WESSON/USA
■OVER ALL LENGTH 198mm
■BARREL LENGTH 101mm
■RIFLING 6 GROOVES RH
■WEIGHT 848g
■CARTRIDGE 9x19mm
■FIRING SYSTEM DOUBLE ACTION
■FIRING MODE SEMI AUTO
■MUZZLE VELOCITY 370m/s
■CYCLIC RATE ---rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 14 ROUND BOX

Mk22 Mod 0
Mk22 Mod 0
 S&W社のMk22 Mod0はベトナム戦争中にアメリカ海軍特殊部隊SEALが使用した暗殺用拳銃である。ベトナム戦争中には様々な火器が実験され使用されているが中でも海軍特殊部隊のSEALが使用した武器には異彩を放つ物が多い。Mk22はメコンデルタ地帯で共産ゲリラの暗殺、破壊工作活動を行ったSEALが、より高性能のサイレンサー付ピストルを必要とした事を受け製作されたもので開発ベースになっているのはS&W社の9mm口径ダブルアクションオートM39であった。当初M39ベースの試作モデルWOX-132Aを製作したが、その後ダブルカラアムマガジンを持ちM39よりも7発多い14発の弾丸を装弾可能なM59をベースピストルに変更し、1969年にMk22 Mod0として制式採用された。サイレンサーを装備した場合は音を最小限にするために、改造スライドストップに装備されたスライドロックを使用し、ブローバック機構を停止させる。また弾丸は弾頭をグリーンに塗装した専用9mm弾のMk144 Mod0を使用する。サイレンサーは専用のWOX-1Aガスサイレンサーを使用するが、高い消音効果を持続するのは22発が限界で、それ以上の射撃にはサイレンサー内部の消音インサートの交換を要する。
Mk22は別名「ハッシュパピー」と呼ばれていたが、これはドッグフードの揚げパンの事で、これを与えられた犬は鳴き止み大人しくなる。転じて共産ゲリラに弾丸を撃ち込めば静か(死体)になるという意味で呼ばれた。サイレンサーはガス式サイレンサーでモデル名はWOX-1A。
[GUN'S DATA]
■MODEL Mk22 Mod0
■MANUFACTURER SMITH & WESSON/USA
■OVER ALL LENGTH 364mm
■BARREL LENGTH 102mm
■RIFLING 6 GROOVES RH
■WEIGHT 850+200g
■CARTRIDGE 9x19mm
■FIRING SYSTEM DOUBLE ACTION
SINGLE SHOT
■FIRING MODE SEMI AUTO
■MUZZLE VELOCITY 288m/s
■CYCLIC RATE ---rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 14 ROUND BOX