U.S.S.R.
Avtomat Kalashnikova 1974r
AK74
AK74は1974年にAKMに代わってソビエト軍に採用されたワルシャワ条約機構初の小口径ライフルである。AK47以降使われてきた7.62x39mm弾は反動も強く飛翔中に大きな弧を描く性質を持っていたため殺傷力は強いものの、1960年代に登場したアメリカ軍の小口径ライフルM16に比べれば反動が強く、フルート射撃での精度は小口径ライフルに劣った。そこで西側NATO諸国を中心に広がりを見せていた5.56x45mm弾に対抗する為に5.45x39mm弾を使用するAKMの小口径モデル開発が1960年代にスタートした。
5.45x39mm弾は口径こそ1939年にソビエトが試作を行った小口径弾と同一のサイズであるが、当時と形状が同じかは定かではない。AK74に使用される弾頭はAK47に使用された7.62mm弾よりも遥に軽く、弾芯部分にエアホールを設ける事で命中時に弾頭が体内で変形し殺傷力を増す構造を持つ。
マガジンにはベークライト(石炭から抽出したプラスチック)を採用し、ストック部分にはAKMと弾薬などを誤認しないように識別用の溝が設けられた。また大型のマズルサプレッサーも装備され射撃時の反動を制御する事に成功した。同サプレッサーはリコイルを低減し発射音を前方に拡散する働きを持っていた。さらにバレルとガスシリンダーの接続部の形状が変更されより急角度(垂直)になっている。AK74は折り畳みストックのAKS74や特殊部隊用カービンモデルのAKS74Uなどのバリエーションが製作された。80年代にはストックとハンドガードを合板からプラスチックに変更したモデルなども生産され順次採用された。90年代には次期主力小銃としてニコノフライフル(AN94)が採用されるが、コストが高く全軍配備が困難である事から小隊狙撃兵に1挺程度の割合でしか配備されない。ソ連ほ崩壊と共にカラシニコフライフルの製造工場は民営化が行われ、現在ではイジェマッシ社などが生産を担当。AK74を近代化したAK74MやAK100シリーズが生産、使用され、海外向けに大規模な輸出も行っている。

AK74の基本構造はAK47、AKMと同様であり、外観も酷似しているが、弾倉や弾薬、パーツの互換性はまったくない。AKMとの外見上の大きな違いは銃口部に設けられた大型のサプレッサーとガスピストンへの導入口の形状、ストックに設けられたAKMとの判別を行う為の溝、マガジン形状程度である。レシーバーはAKMと同じデザインを採用している。内部機構ではボルトに付属するエキストラクターが露出式に変更された。弾倉は口径変更に伴って専用のベークライト製マガジンが製造された。初期には赤茶色をしていたが現行モデルでは主に黒色のものが使用され、マガジン側面には識別と補強を兼ねたリブが複数配置されている。リブは初期モデルには配置されていない。
AK47シリーズからAK74への主な変更点は以下の通り

○口径を7.62x39mmから5.45x39mmに変更
○大型マズルサプレッサーを装備
○フロントサイト下部にもバヨネットラグを装備
○ガスシリンダーブロックの角度を90度に変更
○ハンドガード形状を変更
○リアサイトを800mから1000m対応に延長(ゲージをN(戦闘距離〜8までを10までに)
○トップカバーロックボタンの形状を突起があるタイプに変更
○ストック両側面に口径区別の為の溝を設置
○弾倉をベークライト製の専用弾倉に変更
○ボルトエキストラクター部分を露出式に変更
AK74になって採用された大型のマズルサプレッサー。他のAKシリーズと外観上の大きな見分けが可能になっている。大型のマズルサプレッサーは射撃音を前方に拡散させ、発射時のリコイルを抑える働きをする。

フロントサイト下部にはバヨネット装着用のラグが追加装備され、フロントサイトの切削法も変更され、AKMとは形状が異なっている。バヨネットラグは従来同様ガスシリンダーブロックにも装備されているが、AK74の場合はマズルサプレッサーが大型化している為に、後方のラグはグレネードランチャーを装備する際に使用される。フロントサイト部分に用意されたラグはマズルハイダーにより後方ラグに装着ができなくなったバヨネットを装着する為に使用する。
バレルから発射ガスの一部をピストンに送り込む為のガスシリンダー導入口は弾薬が小口径化された事でガス圧が増した事から角度が90度に変更され、ガス流入量を変更している。
ハンドガードは合板製でAKMよりも複雑な削り込み加工を行いグリップ性を向上させている。年代によりいくつかの形状が存在するが、概ねAKMのハンドガードを基本にしたリブ付きのハンドガードになっている。
下部ハンドガードの先端には合板の裂けを防ぐ為に補強ピンが入っている。
ハンドガード後方には木製部品の摩耗により左右へのガタつきを防ぐ為に金属製の板バネが補強の為に加えられた。
リアサイトはAKMで変更された1000mタイプのものをそのまま使用している。
ボルトキャリアー形状はAKMと同様にキャリアー後方の形状が変更されている。
レシーバーデッキロックはAKMの最終生産モデルでも採用されている上方に突起のあるタイプが採用された。これはライフルグレネードなどを発射した際に衝撃でレシーバーデッキカバーが外れてしまうというトラブルを解消する目的で採用された。
レシーバーデッキはAKMのデザインを継承している。セレクター刻印はこれまでのモデルと変更はない。
レシーバー左側面にはスコープマウントが装備されている。これは夜間戦闘サイトやスコープを搭載可能にしたNモデルのレシーバーに装備されている。
ストックは小口径弾仕様モデルであるAK74とAK47、Mシリーズを識別する為に側面に大きな溝が設けられている。
AKM、AK74用に製造されたアドオンタイプの40mmグレネードランチャーGB-15を装着した状態。GB-15はダブルアクションタイプのグレネードランチャーでアメリカ軍がM16向けに開発したM203と同様のコンセプトで開発されている。

AK74の使用国とバリエーション

モデル 製造国 備考
AK74 ソビエト 1974年に採用されたAKMの小口径モデル。スタンダードのAK74の他、空挺モデルのAKS74、特殊部隊モデルのAKS74Uなどが存在する
AKS74 ソビエト AK74の折り畳み銃床タイプ。これまでのAKシリーズとは異なり独自のサイドスイングストックを装備した。空挺部隊などで使用された。
AKS74U ソビエト アブドマット・カラシニコフ・スクラドニム・プリクラドム・1974・ウコチェニィム。AK74の特殊部隊向けカービンモデルで主にスペツナズなどが使用した。
AK74M ロシア イジェマッシ社が製造する近代モデルのAK74
AK100 ロシア イジェマッシ社が製造する近代モデルのAKシリーズ。5.45mmの他に従来の7.62x39mm、NATO弾の5.56mm仕様をラインナップする。
AK74 ブルガリア q980年代後半からライセンス生産を開始。AK47の時同様ノックダウン方式で生産されたが輸入元のポーランドがAK74を製造しなかった為パーツ供給はソ連が行った。合板を使用したタイプと樹脂ストックタイプが生産された。バリエーションでAKS74Uも生産している。
MPi-AK-74 東ドイツ 1985年から生産開始された東ドイツ製のAK74。ハンドガードやストックには独自の改良とデザインが用いられ夜間戦用に光学サイトマウントを備えたMPi-AK-74N、MPi-AKS-74Nも採用された。バリエーションモデルとしてサイドスイングストックを持つMPi-AKS-74が採用されている。MPi-AKS-74はMPi-KMS-72と同様のストックを使用している。
MPi-AKS-74NK 東ドイツ MPi-AK-74のカービンモデルで1987年に採用。AKS74Uに準じるモデルだがマズルハイダーやガスポートの接合、全長などで大きく異なるデザインとなった。
ロム・テクニカ
5.45mm
ルーマニア 輸出向けに生産されロムテクニカから販売されていたAKS74。AIM同様にハンドガード下部に垂直型グリップを持つ。
88式 中国 中国が生産したAK74。自国軍用か輸出用かの用途は不明。AK47と似たデザインの金属製のマガジンを使用する。グリップは木製。

[GUN'S DATA]
■MODEL AK74
■MANUFACTURER U.S.S.R. NATIONAL FACTORY
■OVER ALL LENGTH 940mm
■BARREL LENGTH 475mm
■RIFLING 4 GROOVES RH
■WEIGHT 3860g
■CARTRIDGE 5.45x39mm
■FIRING SYSTEM GAS PISTON
■FIRING MODE SEMI/FULL
■MUZZLE VELOCITY 900m/s
■CYCLIC RATE 650rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 30 ROUND BOX
[GUN'S DATA]
■MODEL AKS74
■MANUFACTURER U.S.S.R. NATIONAL FACTORY
■OVER ALL LENGTH 718/956mm
■BARREL LENGTH 475mm
■RIFLING 4 GROOVES RH
■WEIGHT 3450g
■CARTRIDGE 5.45x39mm
■FIRING SYSTEM GAS PISTON
■FIRING MODE SEMI/FULL
■MUZZLE VELOCITY 900m/s
■CYCLIC RATE 650rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 30 ROUND BOX