U.S.S.R.
AKM
Avtomat Kalashnikov Modernizirovannyi
AKMは1959年にソビエト軍に制式採用された第二世代のカラシニコフライフルである。AK47 III型の登場して以降は大量生産と配備が行われていたが、I型で使用されたプレス加工レシーバーの研究も継続されていた。軽量で生産性の高い新型のプレスレシーバーの研究は1958年まで続き完成品が軍に提案された。この結果、各部をさらに改良したモデルがAKM(アブドマット・カラシニコバ・モデルニジロバニ)として採用される事となった。内部機構では射撃速度の安定の為にシアー部分にレートスタビライザー(ディリューザー)が組み込まれ、銃口部には射撃を安定させる為のサプレッサーが設けられた。またリアサイトゲージも800mまでの設定からから1000mまでに延長された。ストックやハンドガードは強化型の合板を使用し、フォアグリップ部分はより確実に銃を構える事ができる様にふくらみを加えている。グリップは一体型のプラスチックを採用し滑り止めのチェッカリングを加えた。マガジンは従来の金属製のタイプに加え、軽量なベークライト(石炭抽出のプラスチック)製も用意されたがこちらはあまり普及しなかった。AKMはAK47 III型に比べて600gの軽量化に成功しており、当時の7.62x39mm弾を使用するアサルトライフルとしては非常に完成度の高いモデルとなった。
1960年にはフォールディングストックを装備したAKMS(AK47Sに相当)が生産され、1975年には限定的ながら特殊部隊、空挺部隊向けのカービンモデルAKM-SUが生産されている。AKMはAK47同様ワルシャワ条約機構の各国でライセンス生産されている。代表的な国は東ドイツ、ブルガリア、ポーランド、ルーマニア、ユーゴスラビア、エジプト、イラク、キューバ等。他のAKシリーズ同様にアフリカ、東南アジアなどの第三世界にも輸出され大量に使用されている。
AK47からの主な変更点

○マズルサプレッサーの装備
○フロントサイトの形状変更
○ガスピストンブロックの形状変更、バヨネットラグの追加
○ハンドガードに滑り止めリブを追加
○レシーバーをプレス方式に変更
○マガジンにベークライト製を追加
○リアサイトを800mから100mスケールに変更
○レシーバーデッキにリブを追加
○レシーバーデッキロックの形状変更
○ボルトキャリアーを黒く塗装
○グリップを木製と金属ベースの組合せからプラスチック製に変更
○ストック角度を直銃床に変更
○フルオート射撃速度を安定させるレートスタビライザーを組み込む
○ナイフ型バヨネットがオプションに加わる
レシーバーがプレス成形となり上部カバーには補強リブが加えられた。バレル先端には円筒型のサプレッサーが装備されハンドガードはフレームに直接接続するデザインに変更。形状もよりホールド性を増す為にふくらみを持つデザインとなった。マガジンはベークライト製が用意されたが多くの場合旧来の金属製が使用され、輸出国やコピー生産、ライセンス生産国でも普及はしなかった。グリップはプラスチック製に変更されチェッカリングを加えている。ストック、ハンドガードなどの木製合板パーツには破損防止の為に各所にピンが撃ち込まれている。またAK47では当初設計されなかったワイヤーカッター装備のナイフバヨネットが最初から設計され、支給されている。
マズルプロテクター部分に配置されたサプレッサー。初期型のAKMにはAK47と同型のマズルプロテクターが装備されていたが、連射時には大きな音で射手と周囲の兵士の聴覚に障害を来す事から改良が行われた。その結果装備されたのが円筒型で斜めにカットされたデザインのサプレッサーで、吹き出したガス圧は銃を左下方に押し戻す働きをする。フロントサイトは従来の物よりもスリムなデザインに変更された。またAK47で発生した爆音の問題に対応する為に発射音を前方に拡散させる働きもする。
ハンドガード前後のパーツは簡略化され、AK47では後方に装着された金属キャップがAKMでは廃止されている。ハンドガードはフレームに直接固定されるデザインとなった。ハンドガード下部の模様で合板製である事が確認できる。
AK47ではガスピストンにホールが設けられていたがAKMでは廃止された。またバレルと接続されるブロックも形状変更され、一部はロストワックス製法で製造された。ハンドガードは合板製で滑り止めのリブが設けられている。ハンドガード後方に設置されていた金属フレームは廃止されハンドガードは直接フレームに固定される。
リアサイトは従来の800mレンジからより遠方への射撃を可能にしたれた1000mタイプのものが用意された。
ボルトキャリアーはAK47がシルバーだったのに対して黒色に変更されている。またボルトキャリアーの形状もフラットなデザインからステップドデザインに変更されている。
レシーバーデッキロックはAKMの最終生産モデルで改良が加えられ、上方に突起のあるタイプが採用された。これはライフルグレネードなどを発射した際に衝撃でレシーバーデッキカバーが外れてしまうというトラブルを解消する目的で採用された。
AKMではストック角度が変更され直銃床デザインになっている。
AKM(上)と空挺、車両部隊向けのAKMS(下)。AKMSはAK47Sと同様の回転式ストックを装備している。

AKMのバリエーションと製造国

モデル 製造国 備考
AKM ソビエト AK47の軽量近代化モデル。1959年に制式採用され全軍に普及。
AKMS ソビエト AKMS(アブドマット・カラシニコバ・モデルニジロバニイ・スクラドニム・プリクラドム)AKMのフォールディングストック装着モデルでAK47Sに準じたモデル。AK47Sのストックと同システムながらプレスと電気溶接で補強されている。
AKM ブルガリア 比較的遅い1970年代になってからライセンス生産を開始。当初木製ストックで生産されていたがプラスチック製のストックとハンドガードを採用して生産された。これらのパーツは小口径モデルAK74向けに開発されたソ連製プラスチックグリップを流用したものと言われている。フォールディングストックを供えたAKMSも存在する。
MPi-KM 東ドイツ 1965年からAKMタイプの生産に移行。1966年には国産化に成功しMPi-KMとして制式採用した。当初はMPi-Kと同様に木製ストックとグリップで製作されたがその後プラスチック製ストックとグリップ、ハンドガード上部に耐熱プラスチックを装備。1980年からは下部フォアグリップにグラスファイバーを使用している。
MPi-KMS-72 東ドイツ 東ドイツの生産する折り畳みストック装備モデルのMPi-KM。ソ連で設計された折り畳み式ストックは折り畳んだ状態でのセレクターの操作が困難である事から東ドイツではデザインを変更。シンプルなワイヤータイプのストック形状とし折り畳み方向をサイドスイングに変更した。このストックはオリジナルのソ連製よりも良好なテスト結果を生みだした。1971年には銃口部にAKMと同様のスタビライザーが装着された。バットプレート部分のデザインを変更し補強したモデルはエジプト軍に輸出された。
AMD-63 ハンガリー ハンガリーでは1963年にAKMに準じたタイプのライフル生産を開始した。ハンガリーのFEGが生産したAMD63シリーズはAKMと大きくデザインが異なった。上部ハンドガードは廃止されガスピストン部分が剥き出しになり下部ハンドガードには多くの放熱ポートが設置された金属製ハンドガードが設置され、その下部に縦型のピストルグリップを装着し射撃の安定性と冷却性能を両立させた。グリップとストックは木製の他プラスチック製なども生産された。この他にソ連製AKMと同様の外観を持つ輸出向けFEG SA-85Mスポーター、軍用AKMエクスポートモデルなどが存在する。
AMD-65 ハンガリー 1965年に採用されたAMD63のフォールディングストック装備のカービンモデル。東ドイツで採用されたMPi-KMS-72と似たデザインのサイドスイングワイヤーストックを採用し銃身を短縮。銃口部には大型のマズルサプレッサーが付属した。グリップは前後ともプラスチック製。主に空挺、特殊部隊などに使用された。
AMP-69 ハンガリー 1969年に採用されたAMD-65の改良モデルで特殊部隊の要望によりライフルグレネード発射装置が装備された。ワイヤーストックが補強されハンドガードは従来の金属製ではなくプラストック製を採用。
PMKM ポーランド ポーランド製AKM。自国用の他にも多くがアラブやアフリカに輸出された為アラビア語刻印のモデルなども存在する。バリエーションにはAKMSにあたるPMKMSが存在する。
AIM ルーマニア 1960年代にAK47からAKMのライセンス生産に移行。60年代末にはそれまで国内で生産していたAKMを独自改良しフォアグリップ部分に垂直型のピストルグリップを装備する。これはフルオート射撃時に反動を抑え安定した射撃を可能にするものであった。セレクター部分はセーフティがS、フルオートがFA、セミオートがFFとなっている。バリエーションにはAKMSにあたるAIMSが用意されこちらにも垂直型のピストルグリップが用意された。この他にも銃身を短縮したAIMSとしてAIMカービン(制式名称不明)とストックレスのAIMカービンが存在する。
M70B1 ユーゴスラビア M70のスチール削り出しレシーバーをAKMに準じたプレスレシーバーに変更したモデル。フォールディングストック装備のM70AB2も存在する。また海外マーケットを睨み生産された7.62x51mmNATO弾仕様のツァスタバ・アブドマットM77も存在する。
56式
プレスフレーム
中国 中国で使用されている56式のAKMに準じたモデル。56式同様スパイクバヨネットを装備しているがAKMに使用されているバレル先端のスタビライザーやプラスチックグリップ、ふくらみのあるハンドガードは持たず、純粋にフレームのみをプレス加工に変更している。サイドスイングストックを持つ56S-1式も生産された。
86式 中国 1980年代になってカラシニコフをベースに中国で製造されたブルパップタイプのAK。口径、弾倉などは従来のAKと同様でありながらマガジンと機関部ユニットをストック部分に移設。全長を657mmとしている。本体前方には折り畳み式グリップを配置。近代的なデザインをしているが不評であった。20連弾倉も用意されていた。
81式 中国 中国がAKをベースに独自開発した軍用ライフル。基本システムはAKと同様でライフルグレネード発射機構などを持ち全長は965mm。折り畳み式ストックを標準装備する。
68式 北朝鮮 北朝鮮でライセンス生産されたAKM。基本的に中国製56式プレスフレームと同様でレートスタビライザーやふくらみのあるハンドガードなどは一切装備されていない。
RKm62-76 フィンランド 1976年に採用されたワルメット(VALMET)社のRKm62-76はRKm62の改良モデルでソビエトのAKMにあたるライフルである。レシーバーを金属削り出しからプレスに変更している。RKm62-76Tは固定型のパイプストックを装備し、RKm62-76Fはサイドスイング型のストックを持つ。ハンドガードはプラスチック製だが大型のタイプにデザイン変更された。この他にブルパップ機構を持つM82も生産されたが採用には至っていない。
M90 フィンランド 1989年にSAKO社がワルメット社を買収し、その後開発した7.62x39mm弾使用のライフル。RKm62-76をベースに近代化が図られマズルにはNATO規格のライフルグレネードを装着可能な他サイレンサーなども装着できる。マガジンには補強リブを施したプラスチック製のタイプを採用。ストックはサイドスイングタイプ。弾倉は既存のAK47、Mシリーズのものを共用できる。

[GUN'S DATA]
■MODEL AKM
■MANUFACTURER U.S.S.R. NATIONAL FACTORY
■OVER ALL LENGTH 898mm
■BARREL LENGTH 436mm
■RIFLING 4 GROOVES RH
■WEIGHT 3290g
■CARTRIDGE 7.62x39mm
■FIRING SYSTEM GAS PISTON
■FIRING MODE SEMI/FULL
■MUZZLE VELOCITY 710m/s
■CYCLIC RATE 600rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 30 ROUND BOX
[GUN'S DATA]
■MODEL AKMS
■MANUFACTURER U.S.S.R. NATIONAL FACTORY
■OVER ALL LENGTH 659/913mm
■BARREL LENGTH 435mm
■RIFLING 4 GROOVES RH
■WEIGHT 3510g
■CARTRIDGE 7.62x39mm
■FIRING SYSTEM GAS PISTON
■FIRING MODE SEMI/FULL
■MUZZLE VELOCITY 710m/s
■CYCLIC RATE 600rds/min
■MAGAZINE CAPACITY 30 ROUND BOX