| COLT M16A1 (M603) |
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ベトナム戦争の激化と共にアメリカ陸軍は大量のXM16E1を必要とした。度重なる発注を行ったアメリカ陸軍は1967年2月27日XM16E1を制式化する為に"U.S.
RIFLE 5.56mm M16A1"という名称を与えた。既に30万丁以上のXM16E1がベトナムで使用されていたがM16A1の名称と共にアメリカ陸軍ではさらなる改良をコルト社に要求した。コルト社では陸軍の要求によって変更された制式採用モデルM16A1をM603として生産した。
M16A1の改良箇所は以下の通り
○フラッシュサプレッサーを従来のNo2サプレッサーからバードゲイジと呼ばれる鳥かご型に変更
○バレルからボルトキャリアにガスを引き込むガスチューブをスチールからステンレス製に変更し腐食防止対策とした
○ボルトデザインの変更による耐久性の向上
○ボルト、ボルトキャリアの焼き入れ方を変更し耐久性を向上
○ボルト外面をパーカーライズ処理とし従来の銀色から黒色に変更
○ボルトキャリアとファイヤリングピンを固定する為のピンを削りだしからプレス加工に工法変更
○使用火薬変更に伴うボルトキャッチの大型化と形状変更
○使用火薬変更に伴うディスコネクターの改良
○新型バッファーの採用(一部は1966年のXM16E1から適用)
○フレーム側面のマガジンキャッチ/リリースボタンの周囲に誤操作防止の為のリブを追加
○ストックのバットプレート内部にクリーニングキット収納スペースを設置。バットプレート形状をケースカバー装備に変更。
○リアスリングスイベルを可動式から低コストな固定式に変更。
M603はM14に固執していたアメリカ海兵隊でも大量に使用され始める。一方コルト社では一社単独生産の対応が困難となった。そこでコルト社はゼネラルモータース系列の小火器製造部門ハイドラ・マチック社とハーリントン&リチャードソン社に対してライセンス契約を締結し各社はそれぞれ25万丁のM16A1を軍に納入した。1975年までにM16A1はM16と共に944000丁が輸出され1968年から74年にはラオスに88500丁、1970年から75年にかけてはカンボジアに181000丁が送られた。
M16A1はアメリカ軍との契約以降実に400万丁以上が生産、納入され西側小口径ライフルの最大の成功を収めるに至った。 |
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トラブルとの戦い
大量生産体制も軌道に乗り順風満帆に見えたコルト社とM16であったが大量配備と共にトラブルが続発した。トラブルの主な原因は動作不良に関係するもので、ボルトの作動不良、薬莢の排出不良などであった。ベトナム帰還兵からはM16ライフルは欠陥ライフルであるという声があがり事態を重く見たアメリカ政府議会とコルト社はベトナムに調査団を派遣するまでに至る。
その結果、驚くべき事に多くの兵士がM16ライフルはその外観などからメンテナンスのいらないライフルであると誤解していた事が判明した。高温多湿なベトナムは金属を大量に使用し自らも腐食性のあるガスを発生させるライフルにとっては過酷な場所であり本来であれば通常以上に頻繁なメンテナンスが必要であったが、プラスチックを多用した先鋭的なデザインも相まってそれらの誤解は浸透してしまっていたのだ。
M16のトラブル多発にはいくつかの複合的な原因が考えられる。上記デザイン面の誤解もそうであるが、当初M16(XM16E1)は特殊部隊や空挺部隊などのエリート部隊を中心に使用されていた。しかし、M16A1が支給される頃にはベトナム戦争の激化により徴兵された未熟な兵士を多く抱える一般部隊にもXM16E1、M16A1は支給され使用され始めていた。志気が低く訓練も短期間の徴兵された米兵は本来当然の事である火器のメンテナンスと維持を怠っていた。また兵士の中には訓練を受けた際にはM14で現地で初めてM16に触れる者も少なくなく単純なレクチャーやマニュアルだけではクリーニングの徹底には至らなかった。さらにM14などに装備されていたクリーニングキットの収納スペースがM16に無かった事も大きな誤解を生む原因となっていた。兵士の中には作戦中にクリーニングキットを携行しない者まで多数存在していた。
M16の動作不良の原因は熱帯の気候による錆や腐食だけが原因では無かった。
M16をテストした際に使用した弾薬の火薬と実際に使用された火薬が異なっていたのだ。ベトナム戦争でアメリカ軍が使用していた弾薬はより安価で低質のもので激発時に火薬が完全に燃焼せず、より多くのカーボンがボルトやチャンバー内部に残り、これらはメンテナンスを怠ることでさらなる動作不良を呼んでいた。これらの事態からアメリカ軍ではクリーニングキットを大量に支給しM16の特性とメンテナンスの重要性を簡単に理解させるためにコミック仕立てのマニュアルまで配布する事になった。またM16A1に仕様変更される際にはストックにクリーニングキット収納スペースを装備しクリーニングが必要な銃であることを強調した。
こうしたトラブルを繰り返したM16シリーズは度重なる改良を受けコンバットプルーフが成され結果的に優れた銃として機能するに至った。M16A1はベトナム戦争以降もアメリカ軍で使用され80年代には改良型のM16A2が登場することになる。 |
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| M16A1/M603(写真上)とM16/M602(写真下)の比較。銃身先端のフラッシュサプレッサーの形状、ボルトキャリアーの塗装、マガジンキャッチ周辺のリブなどが異なる。空軍仕様のM16にはボルトフォアードアシストは存在しないが陸軍仕様のXM16E1にはボルトアシストが装備されている。 |
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| M16A1のフレーム。写真はコルト社製。M16A1の採用国は60カ国にのぼり北米、南米、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカなど世界中で使用されている。代表的な採用国としてはアメリカ、カナダ、ブラジル、イスラエル、ヨルダン、レバノン、マレーシア、フィリピン、タイ、UAE、イギリス、ザイール、ニカラグア、カメルーン、韓国、台湾などがある。 |
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| M16A1になり変更されたフラッシュサプレッサー(写真左)。XM16E1から引き継いだボルトフォアードアシスト(写真右) |
| フラッシュサプレッサー |
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M603で採用されたスリット型のフラッシュサプレッサー(写真左)とM602で使用されていたNo2タイプのサプレッサー。先端が開いた形状のNo2サプレッサーはジャングルでの行軍の際に枝などを引っかけてしまう事から改良が行われた。 |
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| サプレッサーの比較。左からM601、M602、M603用 |
| ボルトキャリアー |
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| ボルトキャリアの比較。M602(写真上)とM603(写真下)。M603になりボルト表面にはパーカーライズ処理が施された。 |
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| フレームリブ |
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| M602(写真上)ではロアフレームマグキャッチ部分に何も無いがM603(写真下)では誤操作防止の為にリブが追加された。このリブ形状は以降のM16シリーズでも使用され続ける。 |
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| ボルトキャッチ |
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| ボルトキャッチは弾倉が空になった際にボルトとボルトキャリアーを強制的に停止させ弾倉交換をボルト操作無しで行うための装置である。M602(写真左)では強度不足が指摘された為ボルトキャッチの形状を変更した。外観からも見える範囲でもデザイン変更が施されている。 |
| ストックエンド |
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| 従来のライフルでは多くがクリーニングキットの収納場所となっていたストック部分であるがM602(写真左)ではショック吸収の為のラバーパッドを配置したのみであった。ベトナム戦争ではクリーニングキットの傾向不足が問題視された事からM603ではストックパッド部分にクリーニングキット収納スペースを設けた。またリアスリングスイベルはM602まで可動式となっていたがM603では固定式に変更された。 |
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| ベトナム戦争後期になって登場した30連弾倉。本来フルオート射撃の制圧力に優れたM16であったが共産ゲリラのカラシニコフが30連弾倉を持っていたにもかかわらず、M16の弾倉は20連装であった。コルト社ではAK同様に湾曲させたデザインのアルミ製30連弾倉を製作しアメリカ軍はそれを支給した。ベトナム戦争では特殊部隊や一部の部隊への限定的な支給に留まった30連弾倉であったが、その後は一般部隊にも広く浸透していった。M16の弾倉はその後NATO軍標準規格の弾倉となりNATO加盟国は同弾倉を共用できるアサルトライフルを開発、使用している。 |
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■M203グレネードランチャー
ベトナム戦争ではM16と共に歩兵用のグレネードランチャーが多く開発された。中折れ式で単体運用するM79が多く配備されたが射手の火力を補う為にM16にグレネードランチャーを組み合わせる構想が試行された。その結果、XM148などいくつかの試作、試験採用モデルを経て採用されたのがM203である。M203はスライドアクション方式の装填構造を持つグレネードランチャーで40mmグレネード弾を発射可能。射程は450mであった。このコンビネーションは以降M16シリーズと共にアメリカ軍で使用され現在に至り、各国もアサルトライフルにグレネードランチャーを装着するシステムを多数開発、使用している。 |
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| [GUN'S DATA] |
| ■MODEL |
M16A1/M603 |
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| ■MANUFACTURER |
COLT/USA |
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| ■OVER ALL LENGTH |
982mm |
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| ■BARREL LENGTH |
538mm |
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| ■RIFLING |
6 GROOVES RH |
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| ■WEIGHT |
3300g |
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| ■CARTRIDGE |
5.56x45mm(M193) |
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| ■FIRING SYSTEM |
GAS PRESSURE |
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| ■FIRING MODE |
SEMI/FULL |
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| ■MUZZLE VELOCITY |
988m/s |
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| ■CYCLIC RATE |
800rds/min |
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| ■MAGAZINE CAPACITY |
30 ROUND BOX
20 ROUND BOX |
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