HECKLER & KOCH
PSG-1
Prazisions Schutzen Gewehr 1 |
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黒い9月事件とセミオート狙撃銃
PSG-1はSG-1を改良し、より狙撃銃に特化したセミオートスナイパーライフルである。PSG-1の開発はワルサー社のWA2000と同様に西ドイツ政府及び警察特殊部隊の要請で開始された。これは現代の人質救出、対テロ作戦、部隊、火器開発の起源となったミュンヘンオリンピック事件と関連している。
1972年9月5日、西ドイツで開催されていたミュンヘンオリンピックの会場にあるイスラエル選手村に8名の武装したパレスチナ武装組織「黒い9月(Black
September)」が乱入。彼らは選手村内部にいた選手とコーチの2名を殺害し、9名を人質として立て籠もった。彼らはイスラエルに収監されているパレスチナ人234名の解放を要求。イスラエル政府はこれを拒否した。同時にイスラエルは自国軍隊をドイツ国内に移動させ人質救出作戦を実行する事を西ドイツ政府に提案するが、ドイツ国内法では他国の軍隊が国内で活動することを認めていない為、西ドイツ政府は自国の武力をもって事態の解決に当たる。交渉の結果黒い9月の実行犯はエジプトのカイロへ移動する事を決定。ドイツ政府は人質と犯人を2機のヘリコプターでミュンヘン国際空港へ移送しそこからルフトハンザ航空で国外へ移動するというプランを提示した。
しかし実際にヘリコプターが向かったのは西ドイツのフュルステンフェルトブルック空軍基地で、そこには警察と狙撃部隊が攻撃の準備をして待機していた。作戦は夜間に実施され、犯人グループが用意されたルフトハンザ機の安全を確認し、ヘリコプターに戻ろうとした際に狙撃が開始された。しかし狙撃チームは十分な訓練をされておらず、また夜間に暗視装置の無い状態で発砲を開始した為、犯人全員の無力化に失敗。反抗グループは警察部隊に対して発砲し銃撃戦となった。テロリストは人質の乗るヘリに手榴弾を投げるなどして報復。この戦闘でイスラエル選手9人全員と警官1名が死亡。テロリスト側は5名が死亡、3名が逮捕された。
この事件は現代の対テロ、人質救出に大きな教訓を与え、以降専門の部隊、装備の開発が進む。小火器としては狙撃用ライフルに大きな課題を残す事となった。使用したボルトアクションライフルは連射がきかず犯人を無力化できなかった際に装填時間がかかった事で結果的に反撃の時間を与える事となった。複雑な要因が重なったにしろこの問題は対テロ特殊部隊の創設と同時にセミオートで射撃可能な高性能狙撃銃の必要性を認識させた。
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PSG-1
ドイツではミュンヘン事件の教訓により対テロ部隊の創設とそこで使用する様々な火器の選定を開始した。狙撃銃に関してはワルサー社、H_&K社に新たにセミオート方式の狙撃銃開発を依頼した。セミオート方式の狙撃銃は第二次世界大戦中から軍用としていくつかの使用例はあるものの、人質のいる場面などで、精密な射撃をする場合命中精度に課題を残していた。その結果狙撃銃としてボルトアクションライフルがごく当たり前に選定されていたが、ミュンヘン事件では600mを超える遠距離での命中精度よりも300m前後またはそれ以下の近距離から中距離狙撃の重要性と連射性能が必要とされた。
H&K社では製造したG3ライフルの中から選び出した命中精度の高いG3ライフルにスコープを搭載したZFモデルを長く販売してきた。またそれの上位機種としてより専門的なスコープやストック、バイポッドを装備したG3/SG-1などを製造してきた経緯からG3ライフルをベースにした狙撃銃の開発を開始した。G3ライフルは7.62x51mm弾を使用する事から狙撃銃としては十分な威力があった。またローラーディレイドブローバック方式の射撃メカニズムは狙撃銃に使用しても十分な命中精度を得られると考えた。G3/SG-1をベースに開発されたSG-1は650mmのヘビーバレルを装備し、専用のグリップ、ハンドレスト、フルアジャスタブルのトリガー、ストックを装備した狙撃専用モデルとなった。内部機構はG3シリーズと同じ方式を使用したが、パーツのすべてをマッチグレードで製造しており、対テロ作戦時の高度な要求を満たす使用になっている。G3と異なる機構としてM16などで採用されているボルトの強制前進装置が装備されている点が挙げられる。これは狙撃中の弾詰まりなどのトラブルを緊急的に回避する為の機能で、速射能力を維持する措置と言える。スコープはカーレスヘリオス製の6x42倍率の他に、Hensold製6x42倍(イルミネーション機能装備)、シュミット&ベンダー製1.5〜6倍スコープが用意されている。また夜間狙撃用に各種暗視装置、赤外線スポッターなどを使用可能。G3/SG-1ではアイアンサイトが残されていたが、PSG-1では廃止されている。弾倉はG3と共用だが専用に5発装填のマガジンが設計された。
7.62x51mm弾は1000m近い有効射程を持っているが、PSG-1では有効射程は700mと短縮され、主要な射程は300m前後を想定している。PSG-1は専用のトランスポートコンテナに収納された状態で供給され、内部にはメンテナンスツールと専用トライポッド、5発マガジンx2、20発マガジンx2セット、PSG-1、スコープをセットで収納している。価格は1セット約7000〜10000ドルと言われており、高価であるもののドイツの対テロ部隊GSG-9、イギリスのSAS、韓国KNP-SWATなどで使用されている。 |
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| PSG-1は警察など事前に配置が可能な狙撃銃としてデザインされている。この為優れた命中精度を持つ反面、重量は8kgと重く、現在の一般的な歩兵用ライフルの2.5倍近い。この為常備携行する軍用ライフルとしては大きさ、重量共に不向きであり、軍用狙撃銃としての採用は無い。またバックアップ用のリアサイトも装備されていない。PSG-1は安定した射撃を行う為に通常はバイポッドもしくは専用設計されたトライポッドに固定して射撃を行う。 |
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| PSG-1はG3ライフルをベースに開発された事から多くのパーツがG3シリーズと互換性を持っている。マガジンは専用の5発装填モデルの他にG3で使用されている20連装タイプをそのまま使用できる。目標が多数になる場合には有効な装備となる。 |
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| フレーム先端は専用設計されたハンドガードを装備している。ハンドガード底面には専用のガイドレールが装備されスイベルやバイポッドをマウントするのに使用される。バレルはヘビーバレル化されており、精度と耐久性を向上させている。 |
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| スコープは6x42カーレスヘリオスZF62を標準装備としている他、Hensold製6x42倍(イルミネーション機能装備)、シュミット&ベンダー製1.5〜6倍スコープが用意されている。エジョクションポート後方にはM16に装備された事で知られるボルトの強制前進装置が装備されている。チャージングハンドルがボルトキャリアーに連動していないG3シリーズをベースにしているPSG-1では狙撃の際に給弾不良が起きた場合にはボルトを強制前進させて射撃を行う。スコープには精密射撃を行う為にラバーアイピースが装備されている。 |
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| グリップには調整可能なハンドレストを装備しており、正確なグリップとトリガーコントロールが可能になっている。また射手に合わせ、トリガーポジションも調整可能。マガジンキャッチはG3シリーズではマガジンハウジング後方とレシーバー側面にあったが、PSG-1ではハウジング後方のマガジンキャッチレバーが省略されている。セレクターはセーフティが0ポジション、セミオートが1ポジションとなっている。レシーバー中央には可変ストック用のガイドレールがそのまま装備されているが、補強の為に金属の補強材が設置されている。 |
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| ストックは他のG3シリーズとは異なる専用設計のものが装備されている。上下と全長の調整が可能で側面にはスイベルが装備されている。 |
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| ストックは専用ツールを使用しチークピースとショルダーレストの調整が可能。 |
| [GUN'S DATA] |
| ■MODEL |
PSG-1 |
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| ■MANUFACTURER |
H&K/GERMANY |
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| ■OVER ALL LENGTH |
1208mm |
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| ■BARREL LENGTH |
650mm |
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| ■RIFLING |
4 GROOVES RH |
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| ■WEIGHT |
8100g |
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| ■CARTRIDGE |
7.62x51mm NATO |
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| ■FIRING SYSTEM |
Roller Delayed Blowback |
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| ■FIRING MODE |
SEMI |
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| ■MUZZLE VELOCITY |
921m/s |
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| ■CYCLIC RATE |
---rds/min |
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| ■MAGAZINE CAPACITY |
5/20 ROUND BOX |
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