| SCOPE |
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Scope
現在もっともポピュラーな小火器オプションであるスコープは元来遠距離の状況を知る為に製作された望遠鏡が19世紀以降の銃器の発達に伴い火器に搭載可能な形にデザインされたものである。それ以前に製作されていた望遠鏡と違い一般的にスコープにはレティクルと呼ばれる照準用のラインが描かれている。これにより遠距離での正確な射撃が可能になるが、これは銃器自体の命中精度、飛距離が19世紀のカートリッジ型弾薬の発展で飛躍的に進化した事も重要であった。20世紀に入ると本格的にスコープの配備が進むが、高価で破損しやすいスコープは取り扱いも難しく使用者はスナイパーなど一部の者に限られていた。この頃には狙撃兵といっても専用の狙撃銃やスコープを携行していない軍隊、部隊も多かった。アメリカがベトナム戦争に介入するとジャングルでの狙撃兵の有効性が認識され次々と高性能の狙撃用ライフルが使用された。また自動小銃にスコープを装着し命中精度を高めるなどの工夫も行われている。さらに夜間の戦闘が増えたことから暗視スコープの本格的な投入もこの時期に行われている。これらには例外なく高性能のスコープが使用されている。民間でもスコープはポピュラーなものとなり狩猟やスポーツなど様々な分野で使用される。
1980年代に入ると対テロ部隊が数多く誕生し、近接戦用スコープの需要が高くなる。これらは特殊部隊の突入時に使用される為、従来の遠距離射撃のサポートとしてのスコープの能力を排除しつつ精密射撃を行える設計を行った。同じ頃SWATや準軍事部隊などが近中距離狙撃用にボルトアクションライフルやオートマチックライフルに狙撃用スコープを搭載している。
1980年代中期以降には歩兵の射撃能力を強化する目的でヨーロッパを中心に歩兵用のライフルにスコープを標準装備する事が一般的になった。歩兵用ライフルは狙撃用に比べ銃身長や精度で劣るが歩兵の射撃訓練に費やす時間や弾薬消費コストを削減できる点や命中精度の向上に貢献している。またこれらのライフルにはブルパップ方式と呼ばれるライフル設計が取り入れられており弾倉と機関部を専用のフレームではなくストック内部に収納する様なデザインを持つ事で、全長をスタンダードなアサルトライフルよりもコンパクトにしつつ、銃身長はほぼ同等に抑える事が可能になっており、操作性と命中精度の確保の為にスコープとの組み合わせが最良とされている。
1990年代に入ると軍特殊部隊は低倍率もしくは無倍率のスコープを狙撃銃以外のライフルに搭載する事がポピュラーになっていく。これは1989年の湾岸戦争などに代表される砂漠地帯での軍の作戦行動により遠距離での戦闘が一般化した他、暗視装置の発達で夜間射撃をサポートする照準発光装置内蔵のスコープが有効となった為である。スコープはクロスヘアと呼ばれる十字線をスコープ内部に表示するのが一般的であるがこれは夜間射撃の際には暗闇に溶け込んで視認性が悪化する。この為クロスヘアラインに変わる照準装置として発光式の光点をスコープに取り込むなどしている。発光式レティクルは80年代前後から一般的になっていたが、短期間の作戦を行う対テロ部隊、警察、準軍事部隊では一般的であったものの主に電池で作動する事からバッテリー作動時間、電池寿命など面で軍で多用されるようには時間がかかった。2000年以降には各国の軍隊が一般歩兵に至るまでの兵士にあらゆる種類のスコープを普及させ使用するライフルにも最初からスコープ搭載スペースが確保されるなど普及率が急速に高まっている。 |
Scopes(スコープの種類/構造)
スコープはその使用目的によって設計思想が異なっている。搭載する火器(ライフル、ピストル)によって選択される以外にもターゲットとの距離でスコープの倍率、使用する環境によりレティクルの種類(クロスヘア、発光)などが選ばれる。また狩猟やスポーツ射撃に使用される一般的なスコープと軍用スコープでもいくつかの設計思想の違いが見られる。現在使用されている一般的なスコープの基本構造はチューブと呼ばれる円筒型の管の前後にレンズを設置し内部にはクロスヘアラインまたはプリズム反射を利用した光点レティクルが再現される。レティクルは上下左右それぞれに調整が可能で目標までの距離や風向き、目標の状況などに対応、調整が可能になっている。また銃はすべて同じ弾道、直進能力を持っておらず、スコープ搭載時にはそれらの調整が予め必要になる。レンズは前後の倍率、サイズが異なる事で望遠鏡と同じように倍率が得られる。レンズは前方を対物レンズ、後方が接眼レンズとなっておりこれにより遠距離を拡大表示が可能で近年では倍率を変更できる可変倍率が一般的な狙撃ライフルに使用されている。レンズ間のチューブ内部には窒素ガスなどが封入され湿度や温度変化によってレンズが曇るのを防いでいる。気体を封入している事からスコープ内部の密閉率は高く雨天時にも使用可能で場合によっては5m以上の耐水圧性能を持つ物もある。チューブ及びスコープ本体は金属製でステンレスやチタンを使用した高価なものもある。さらに対衝撃防御性能を考慮しボディ全体をラバーコーティングするモデルなども存在する。 |
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| @リアフォーカス |
A接眼レンズ |
B倍率変更ダイヤル |
Cレティクルアジャスター(上下) |
| Dレティクルアジャスター(左右) |
Eマウントリング |
F対物レンズ |
Gフロントフォーカス |
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| @接眼レンズ |
A倍率変更ダイヤル |
Bレティクルアジャスター(上下) |
| Cレティクルアジャスター(左右) |
Dレティクルアジャスター(対物レンズ) |
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スコープの装着
20世紀初頭のスコープは各ライフルに対して個別に設計されておりライフルへの装着は個別に行われていたが、現在では殆どのスコープは汎用的に設計されたものでマウントリングと呼ばれる固定器具を介してマウントベースと呼ばれる台座に固定される。マウントベースは銃とマウントリングをつなぐ台座でマウントベースを各銃に合わせたデザインにしスコープと切り離した事でスコープ自体はマウントベースの装着可能なあらゆる銃器に装着可能になっている。銃の種類によってはマウントベースとマウントリングが一体になっている物もある。マウントリングはマウントベースや銃本体にスコープが接触しないように高さを確保する為のパーツでスコープのチューブ径に合わせて数種類が存在するが1インチもしくは30mm径が一般的でさらに数段階の高さが選択可能。マウントリングの高さは選択されるスコープの対物レンズなどが大型で銃に接触するなどする場合には高さの高い物を選択する。マウントリングは通常2個が使用されスコープとマウントベースに固定される。装着後は無風状態の安定した場所で照準を調整する作業が必要になる。また設置時には銃に対してスコープを水平に設置しなければならず専用のレベルゲージなどが用いられる。(写真下はマウントリング)詳細はスコープアクセサリーへ |
| Rifle Scope(ライフルスコープ) |
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| ライフルスコープは中長射程のライフルに搭載されるスコープの種別である。狙撃用ライフル、ボルトアクションライフルなどの大型ライフルの他にもアサルトライフル、サブマシンガンなどに使用される。主に倍率を有するスコープで目標に対して正確な狙撃を行うのに用いる。通常チューブよりも大型(大径)の対物レンズが使用され接眼レンズも大型になっている。遠距離射撃を行うことから高倍率で4x32倍や可変で2〜12x32倍などの高倍率の物が多い。レティクルの種類も豊富で夜間射撃用にイルミネーターなどを内蔵している物も存在する。 |
Pistol Scope(ピストルスコープ)
ライフルスコープと異なる種類のスコープでピストル搭載用として開発されたスコープ。ピストルはライフル、SMGなどと違い射撃時に両手を伸ばしたスタンスを採る事から目から接眼レンズまでの距離(焦点距離)が離れる。その為一般的なライフルスコープの焦点距離とは異なる為にピストルスコープという形で個別設計、製作されている。ピストルスコープは狩猟目的で製作された大型リボルバーやセミオートマチックピストルなどに使用される高倍率のタイプの他、近接ターゲットを射撃する競技用に無倍率のレッドドットタイプなどが存在する。またヨーロッパでは近中距離用の狙撃銃としてロングバレルのリボルバーにスコープとバイポッドを搭載するなどして使用されている。 |
| Red Dot Scope/Electric(レッドドットスコープ) |
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| レッドドットスコープ/サイトはクロスヘアに代わるレティクルとして赤またはオレンジ色の光点をプリズム反射などでレンズ内に反映し射撃をサポートするスコープで無倍率のタイプが多い。光点はバッテリーを利用した電気発光方式の他にトリチウムなどの放射性物質を光源にするタイプもある。また一部のライフルスコープではクロスヘアラインと電気方式/トリチウムの光点を併用したタイプも存在する。レッドドットサイトの利点は夜間や暗い室内でも安定した射撃が可能な点で無倍率モデルであればピストル、ライフル双方で使用が可能になっている。但しピストル用に開発されたレッドドットスコープは視認性をあげる為に大径レンズのものが多い。無倍率スコープは遠距離射撃では大きな成果は得られないが300m前後の中距離から0-150m程度の近距離に至るまでの射撃に対しては有効で特に室内や密林のジャングルでは倍率のあるスコープは視界が狭くなることや300m以上の射界/射線が得られない事から低倍率、あるいは無倍率のスコープが使用されている。軍用としては夜間の射撃能力が重要な点から90年代後半から同スコープと暗視装置の使用が増加している。多くのスコープは倍率が無い代わりに光点(Dot)の大きさが変更可能になっており夜間は小さい光点を使用し昼間は大きな光点を使用する。また射撃距離によっても光点の大きさは変化する。欠点としては昼間に光点の視認性が下がる点でこれはスコープ外の視界の光量(明るさ)が多い事で光点が霞んでしまう事に由来する。解決策としては可変光点の場合、光点の大きさを上げる事が可能だがその場合は光点が大きくなり遠距離での目標の視認性などが下がる。その為多くのスコープにはスモークレンズなどを使用した減光フィルターがオプションで装備されている。減光フィルターは無可変式スコープなどでは標準で装備されている場合もあるが夜間には逆効果になるため軍用では脱着可能なタイプが好まれる。また近年のレッドドットスコープには暗視装置との併用を考え光点にナイトビジョンポジションを備えているタイプもある。このポジションは肉眼では殆ど確認できない光量で発光しているが、光分子を増幅する暗視装置を介して覗くことで光点を表示させる仕組みになっている。 |
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| @レティクルアジャスター(左右) |
Bレティクルアジャスター(上下) |
ドットアジャスター(光点サイズ) |
| Cバッテリーケース |
D偏光フィルター |
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| Night Vision Scope(暗視スコープ) |
| ナイトビジョンは第二次世界大戦中から開発、実用が進められ1960年代に一般化した夜間暗視装置で頭部に設置する暗視ゴーグルとライフルなどに装着する暗視スコープがある。本格的な配備は1989年の湾岸戦争以降に進んだ。初期の暗視装置は大型で視認距離も短く解像度も低かった為頭部に設置するには不向きであった事から主にライフルスコープとして発展した。ベトナム戦争やフォークランド紛争で使用されその有効性が示されており以降開発が激化していく。現在はゴーグルと併用可能なコンパクトなタイプや昼間でも使用可能なサーマル方式のスコープも使用されている。 |
| Military Scope(ミリタリースコープ) |
軍用スコープは特に定義されている物では無いがスペックを維持するため民間品にはあまり利用されない装備が備わっているものが多い。軍用スコープは様々な環境化で射撃を行うことからレティクルを調整するアジャスターに保護カバーを持たず直接操作できるタイプが好まれる。またグローブなどを使用している事が多いため各ダイヤルは大型化されている事が多い。短時間に複数の目標を狙撃する事が多い軍用銃は射撃補正の為にレティクルを素早く調整しなければならないなど民間射撃には無い条件と対応能力が付与されている。
民間のハイスペックなスコープで装備されているフォーカスも対物レンズ先端では無くレティクルアジャスターと同位置などに設置され最小限の動きでスコープをコントロールできる様にデザインされている。またレンズを保護するキャップなども多用される他、反射防止フィルターなども用意されている。これらは隠蔽能力を向上させるもので狩猟などとは違い相手の反撃が予想されることから考案されている。クロスヘアデザインでは中心点以外にも射撃ポイントがクロスヘア沿いに多数設けられておりレティクルの調整をする余裕が無くても補正射撃を行える。この他の能力でも民間モデルと比較して耐水性(水圧耐性)や衝撃耐性などが高く堅牢な作りをしている。 |
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| @レンズキャップ(対物用) |
A暗視装置用マウント兼用マウントリング |
Bレティクルアジャスター(上下左右) |
| Cサイドフォーカス |
D倍率変更ダイヤル |
Eレンズキャップ(接眼用) |
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MOA:Minute of Angle
MOAはスコープの補正能力を示す数値でレティクル調整の際のアジャスト可変を数値化した物。以下は各MOAの数値。 |
1MOA=100ヤード 1インチ
1MOA=200ヤード 2インチ
1MOA=300ヤード 3インチ
1/2MOA=100ヤード1/2インチ
1/2MOA=200ヤード1インチ
1/2MOA=300ヤード1.5インチ
2MOA=100ヤード 2インチ
2MOA=200ヤード 4インチ
2MOA=300ヤード 6インチ
1MOAのスコープでスコープのレティクルアジャスターが1クリック1/4 MOAの場合4クリックで1MOAの軌道変更が得られる。 |