G&P M16フルサイズ/カービンシリーズ
今さらG&Pである利点
G&P製電動エアーソフトガン(AEG)のレビューをしてみます。G&PのAEGシリーズは当初はパーツ単位の販売から始まりました。東京マルイ製のAEGであるM16A2やM4A1カービン(共にプラフレームのバージョン2メカボックス搭載モデル)向けのコンバージョンキットとして発売されました。当時からジャングルシリーズのフロントアッセンブリーキットはアルミのワンピースアウターバレルや実物と同じ構成のバレルナット、スナップリングASSYなどで実物規格のハンドガードが装着可能になるデザインを持っており、メタルボディに関しては1ピース構造でアッパー&ロアレシーバー後部の接続法を独自のデザインにして、他社製などで金属化されても欠点であったアッパーレシーバー後方にあるテイクダウンピンを通すベース部分(通称耳)の破損を無くすなどしてきました。内部機構に関しては、マルイがプラスチック製レシーバーの柔軟性を活かしたリアルテイクダウンを再現する為に分割式チャンバーを採用した事に対して、マルイ初期のM16A1、M16ベトナム方式のチャンバーを採用し、金属化して付属させました。しばらくはストックやM203、RASなどのアクセサリーの販売をメインにしてきましたが2000年代には自社でマルイ製バージョン2メカボックスのコピーを搭載したコンプリートモデルを各種販売しています。この頃には国内では次世代電動ガンが主流になりつつあり、M4シリーズも次世代に移行しますが、20年以上の販売実績のあるマルイの旧バージョン2シリーズは現在でも多くのフィールドで現役で使われています。

今更感はありますが僕も長年お世話になり、今でもカスタムベースとして使用し、多くのユーザーがいるG&PのM16系の使い勝手や長所、短所を今回は考察していきたいと思います。基本的に著者はM16A1(モデル600)系列をG&Pで制作し、M16A2系(700系)とM4A1系はシステマのPTWで制作しています。AR(アーマライトライフル)、M4系は多くのユーザーがメインウエポンとして使用していると思いますので、ベースガンをどれにするかというのはかなり悩ましい問題だと思います。僕の考え方としてはシステマのPTWを買わないなら次世代よりもG&Pにも少なからずアドバンテージがあると思うので今回の記事を書いた次第です。
とはいってもこれ以外のメーカー製のAR系にガスブロ-バックなども加えるとさらに難解になるので著者が使った経験とあくまでオールシーズン使えるAEGである点などからアプローチしていきたいと思います。

G&Pコンプリートキットとコンバージョン、次世代M4、PTWの比較
プラン プランA プランB プランC プランD
ベースガン G&P
コンプリートキットM4A1RAS
後期モデル
東京マルイ
M4A1ベース
後期モデル(コンバージョン)
東京マルイ
次世代
M4A1SOPMOD
システマ
PTW 2012
M4A1
ベースガン価格 G&P M4A1 RASバージョン
(実売価格39,000円前後)
東京マルイ M4A1(NEWモデル)
(実売価格29,800円)
東京マルイ
(実売価格35,000円前後)
チェレンジキット
組み込み依頼
実売価格12万前後
フロントASSY G&P純正アルミアウター
RAS付属
(付属品)
G&Pジャングルシリーズ
M4A1RASタイプ
(実売価格18,900円前後)
アルミアウター
KACタイプRAS
(付属品)
システマ純正ハンドガード
ハイダーネジインチ加工
(付属品)
レシーバー G&P純正
アルミレシーバー
(付属品)
G&P純正
アルミレシーバーM4A1
(実売価格 13,000円前後)
マルイ純正
アルミ
(付属品)
システマ純正
セラコート/コルト刻印
(オプション)
グリップサイズ G&Pスリムタイプ マルイ純正 マルイ純正スリムタイプ リアルサイズ
HOPチャンバー メタルチャンバー
(付属品)
メタルチャンバー
(G&Pメタルボディ付属品)
マルイ次世代純正
樹脂チャンバー
システマ純正
メタルチャンバー
セレクター G&P純正
片面回転
マルイ純正
片面回転
マルイ純正スリムタイプ
片面回転
システマ純正
両面回転(オプション)
セレクタープレート G&P純正 G&P純正(メタルボディ付属品) マルイ純正 PTW純正
トリガーガード G&P純正 マルイ純正 マルイ純正 実物
ストックチューブ G&P純正
リポインタイプ
(付属品)
G&P純正
リポインタイプ
(実売価格6800円前後))
マルイ次世代純正
リコイルバッファー
(付属品)
実物バッファー加工
バッテリーイン
(オプション加工)
ストック 樹脂製リトラクタブル
G&P純正
コルトタイプ
樹脂製リトラクタブル
マルイ純正
コルト新型タイプ
樹脂製リトラクタブル
マルイ純正
コルトタイプ
実物ストック
MIL-SPECサイズ
各種(価格に含まず)
ボルトストップ機能 無し 無し 有り 有り
リコイル機能 無し 無し 有り 無し
アッパースイッチ
その他備考 コネクタ変更等 配線加工、コネクタ変更等 専用バッテリー 配線加工
総額(おおよそ) 39,000円 68,500円(38,700円) 38,000円 234,000円
上記はG&Pのコンプリートと東京マルイのM4A1NEWバージョン(本来は旧M4A1にしたい所ですが現在廃版なので)ベースのG&Pパーツ組み込み。次世代M4A1SOPMODバージョン、システマPTWの各プランを出してみました。プラン毎に個別に考察していきます。なお価格はあくまで本体価格なのでスコープやオプション、バッテリー、充電器、予備マガジンなどゲームの使用に耐えうるまでの経費はもっとかかることになります。


プランA
純粋なG&Pのコンプリートキットです。M16からM4A1、最近流行のマグプルモデルまで多くのモデルを網羅しています。価格もモデルによって変化しますが、基本的なプラスチックハンドガードストックモデルのフルサイズ/カービンモデルなら33000円前後。RAS装備系カービンモデルで40000円〜50000円程度だと思います。いじるところが無い銃ですが。内部パーツが中華製のままなので実射性能に不安が残ります。実際G&P他各社メタルレシーバーで使用されているメタルチャンバーは射撃の衝撃で巻き戻りが発生するなど問題も多いです。M4A1やM653カービン、XM177など後部がリトラクタブルストックになっているモデルに関しては初期のものは配線を前方にしたハンドガード内部もしくはRASに固定されたPEQ型バッテリーケースに収納します。後期モデルは後方のバッファーチューブ内にリチウムポリマーバッテリーを収納するタイプでG&Pのレシーバーの長所を最も活かせるタイプです。フルサイズの固定ストックモデルも後方配線ですのでM16A1のロアレシーバーにM653のアッパーレシーバーを組み込んでM651カービンを完成させる事もできます。購入時は是非後期モデルの購入をオススメします。基本的に長所、短所は後期モデルについて記載します。

長所 短所
○価格が安い
○内部消耗パーツが入手しやすい
○バリエーションが豊富
○アッパースイッチができる
○マガジン、グリップなどオプションパーツが豊富 
○ストックが自由に選べる
○リコイルやボルトストップ機構が無い。
○セミオートのキレが無い。
○アッパースイッチをする為にフロントASSYキット、メタルレシーバーを購入していくとロアレシーバーが余る。
○ハイダースクリューが14mm右正ネジ
○HOPチャンバーの構造が古い
○メカボックスが国産ではないので若干不安。
○コネクタがミニTなので一般的でない。

G&Pの魅力は豊富なメタルボディと後方配線、サードパーティーのレールハンドガードなどもほぼ無加工で装着可能な事です。また過去に使用していたバージョン2メカボックスの内部パーツや外装パーツの流用も可能な部分が多いです。銃自体を特殊部隊の様に塗装するにしても安く複数持てるので安心して実施できます。次世代は基本価格が高く特許武装が激しいためなかなかサードパーティ製のパーツがでてきませんので次世代によほどお金をかけて実物パーツをてんこ盛りにしない限りはG&Pが優勢です。特にマガジンの豊富さなども魅力的な部分です。但しHK416など根本的にレシーバー形状が違い、アッパースイッチの必要性が無いなら次世代の方がギミックなどの点で優位に思えます。ただ次世代に実物パーツをつけまくるくらいならシステマのPTWを購入できる予算に到達してしまうと思います。




プランB
プランAと似ていますがこちらは旧M4、M16A2を持っている方向けのG&Pパーツへの移植プランです。総額が電動銃本体+パーツなので重複パーツが多く、かなり高価になります。どちらかというと古くから旧M4系を持っている方で、これからカスタムする人や押し入れの中でホコリをかぶっているM4をアップグレードする方用です。なので本体代金を含まない金額を()内に記載してみました。特にG&Pのメタルボディでなければいけないという訳ではないのですが重要なのはメカボックスの配線を後方配線にする事とG&Pもしくは一部メーカーで生産されているリポバッテリーを収納可能なバッファーチューブを取り付ける事です。加工にメカボックスの分解とハンダの技術、工具が必要になります。またフロントアッセンブリーやバッファーチューブのキャッスルナットを組み込む為に専用の工具が必要です。さらにメカボックスやインナーバレルだけ入手して安く作ろうとしてもコンプリート以外では付属しないM4系専用のパーツがいくつか必要です。具体的にはダミーボルトリリース、トリガーガードASSY、トリガーガードピン、セレクターASSY、チャージングハンドルが必要です。この辺のパーツはオークション等で中古品やパーツ取り品を購入もできますが集めていくのが面倒です。理想的には3梃前後の旧M4が家に転がっていると少しは良いラインナップができます。

長所 短所
○旧M4系をリサイクルできる。
○アッパースイッチが可能になる。
○バリエーションが豊富
○マガジン、グリップなどオプションパーツが豊富
○メカボックスが国産
○ストックが自由に選べる 
○パーツ総額が高い。
○セミオートのキレが無い。
○アッパースイッチをする為にフロントASSYキット、メタルレシーバーを購入していくとロアレシーバーが余る。
○ハイダースクリューが14mm右正ネジ
○HOPチャンバーの構造が古い
○メカボックスとバレルだけ手に入れても不足パーツがでてしまう。




プランC
マルイ次世代を購入するプランです。正直G&Pの対案で出しているだけなのでこれを買えと勧めてしまうとこのコンテンツ自体が終了するので、次世代はやめておけ的な事を書きたいと思います。ただ勘違いしないで欲しいのは僕はHK416やHK416DEVGRU、SCAR-LにSCAR-Hを持っていて決してアンチ次世代ではありません。あくまでAR/M4系を作るならG&Pにしておけという事です。マルイ次世代には前方配線でハンドガードがプラスチックのM4 SOCOMとRASを装備したM4A1 SOPMOD、RASと大型ストックを装備したCQB-R、レシーライフルが存在します。SOCOM以外はクレーンタイプもしくはVLTORタイプのストックに専用バッテリーを装着します。このバッテリーはニッケル水素バッテリーで他に流用できず冬場には動きが悪くなります。また充電管理も面倒です。現在はリポバッテリーに変換するコネクターが出ているのでそちらを使うのがベターです。アッパースイッチも前方配線のSOCOM以外なら比較的容易ですが、バッファーチューブ内部にはリコイルユニットが入っている為、大型ストックにバッテリーを入れる必要があり、コルト純正タイプやマグプルなどのストックが使えません。一方前方配線のSOCOMはストックの自由度がありますがバッテリーをハンドガード内部に収納するかRASを装着しPEQケースに収納する必要があります。
致命的なのがメタルボディそのものが殆ど出ていない点や独自のバレルナットなどにより、各種アクセサリーの固定が面倒です。ボルトストップやリコイル等魅力的なメカは備わっていて実射性能も旧M4よりも優れているのでこの形状で文句は無いし、バリエーションも増やさないという人向けです。

長所 短所
○ボルトストップ機能
○リコイル機能
○HOPチャンバーが縦軸方式になり精度が高い 
○ハイダーネジが14mm逆ネジ
○メカボックスが国産で次世代モデル
○SOCOM以外はアッパースイッチが可能。
○外装パーツが少ない。
○ストックの選択幅が少ない。
○HOPチャンバーの構造が古い
○メタルボディがはじめから搭載されているがMade in JAPAN TOKYO MARUIの刻印がある。



プランD
プランDEATHとも言えます。システマPTW案です。理不尽な価格に耐えられるならオススメですがこちらにも欠点があります。M16A2以降のモデルは作りやすいのですがM16A1系のナローバレルがFCCが作っていた程度で殆ど入手困難な点、レシーバーに関してもアッパー、ロア共に形状がA2ベースのレシーバーと異なるので正確なものが作れません。但しレシーバーのサイズ、グリップのサイズなどは実物同様、外装はほぼ実物準拠で製造されてる点や実射性能、特にセミオートのキレ、精度では無双です。アッパースイッチも元から後方配線ですので簡単です。但し2012モデル以前はストックのチューブ径がシビリアンタイプになっているので市場にあるミルスペックサイズのストックが使えません。バッテリーも大型にデフォルメされたクレーンストックにバッテリーを入れますが、2013年以降はミルスペックチューブにバッファーインバッテリーと後方の選択肢が広がりました。欠点はアッパーを1個作るのにハンドガード込みで5〜7万レールによってはそれ以上かかるので決して安くはありません。

長所 短所
○ボルトストップ機能がある
○セミオートのキレがいい
○各部がリアルサイズ
○アッパースイッチが容易。
○2013モデル以降はストックの選択幅が広がっている。 
○チャレンジキットの場合刻印を好みでオーダーできる。
○3バースト機能が選択できる。
○価格が高い。
○価格が高い。
○価格が高い。
○価格が高い。
○価格が高い。
○価格が高い。
○価格が高い。


以上で各モデルの比較は終わりです。過去にはバッファーインバッテリーにできる旧M4系AEGとしてSTAR/ARES製なども紹介しましたが、あちらはメカボックスの耐久性が無い事や互換性の無いパーツが多い上に破損しやすく、パーツの発注が現在は実質不可能である点からして除籍としました。
次は具体的にG&Pのコンプリートを紹介してみたいと思います。
G&P M653
ベースガンはG&P M653カービンです。日本では655バーンズの名前で長年呼ばれてきましたが、正式なコルトナンバーはM653になります。70年代以降M727(XM4)の導入まで米軍特殊部隊等で使用されたM16A1系カービンです。ちなみに655カービンというのも日本独自の呼称で、固定ストック版のM653(日本名M655カービン)はM651とM652(ボルトアシスト無し)となります。M655はカービンでは無くフルサイズのスナイパーモデルでM656と同系列の狙撃モデルとなります。実銃の話しはさておき、G&PのM653の外装ですがハンドガードとストック、グリップがプラスチック製でそれ以外はアルミ、スチールなどが主素材です。ベース銃はM653ですが、以下では一般的なG&P製品のパーツ構成を紹介していこうと思います。
フラッシュハイダー。スチール製で3PRONGタイプからA1タイプの全周バードケイジ、A2タイプのハイダーやKAC製QDタイプなど多数のラインナップがあり個別にパーツ購入も可能です。マルイスタンダードの14mm逆ネジ仕様ではなく14mm正ネジ仕様なので他の銃には流用しにくいです。特にサードパーティー製で直接アウターバレルネジに取り付けるサイレンサーなどは購入時に注意が必要です。海外などで購入する時は複数の記載があるので参考までに正ネジ、逆ネジの記載例を紹介しておきます。
正ネジ 逆ネジ 備考
+ - シンプルな表記ですが最近あまり見かけません
Clock Anti Clock 時計回りと反時計回りを意味しています。
CW CCW ClockWiseとCounter Clockwiseの略です。
A2ハイダーやKACハイダーなどは位置調整が必要で同社では専用のシムリングを付属させています。
アウターバレルは比較的種類がありますが。A1系のナローバレル(細身)とA2/M4系列のヘビーバレルがあります。1ピース構造で実物とほぼ同様のバレルナット固定方式を採用しているのでフロント部分へのオプション装着による重量負荷やスリングによる取り回しでレシーバーやバレル周辺へのダメージがある事はほぼありません。長さも豊富で10インチクラスから20インチクラスまで幅広くでていて、ガーダーや他社製アウターバレルとの互換性も高いです。アウターバレル選択時の注意点としてはナローバレルとヘビーバレルでは使用するフロントサイトポスト、ハンドガードキャップのサイズが変わる点です。
フロントサイトポストはアウターバレル側面に金属ピンを打ち込み固定されていますが、これだけでは若干左右に動くので最終的な固定はスイベル基部のイモネジで行うシステムになっています。スイベルは現行モデルではラバーコートされています。コンバージョンキットの場合は自身で取り付けとなりますが片側のピンの頭を潰して抜け防止にしなければならないのである程度工具が無いと面倒です。内径より僅かに大きいポンチ等を打ち込んで外径を歪ませるのが最も簡単な取り付けになります。取り付け後は外せなくなりますのでM203やマスターキー等を取り付ける際などは事前に接触部位等の確認をするかサイドスリングアダプターなどを使う必要があります。前述していますが、フロントサイトポストとハンドガードキャップはナローバレルとヘビーバレル、A1型の左右分割ハンドガードとXM/A2タイプのハンドガードでそれぞれサイズが違いますのでコンバージョンで購入の場合、不足パーツを購入し充当する場合は注意が必要です。

フロントサイトポスト 主な使用可能銃
A1タイプナローバレル用 M16、M16A1、XM177、E2、CAR-15SMG
M651、M653、9mm SMG等
A2/M4タイプヘビーバレル用 M16A2、M727、M723、M4A1、CQB-R等
ハンドガードキャップはトライアングル形状とラウンド形状、ラウンド形状の底部にカットされた箇所のあるM203対応モデル、これらにヘビーバレルとナローバレル用があります。
ハンドガードキャップ形状 対応バレル 対応ハンドガード(モデル)
トライアングル ナローバレル M16、M16A1、CAR-15SMG
トライアングル ヘビーバレル M16A2、M16A3、M16A4
ラウンド ナローバレル XM177、E2、M653、M651、9mmSMG
ラウンド ヘビーバレル M727、M723、M4、CQB-R他
ラウンドM203カット ヘビーバレル M727、M723、M4、CQB-R他
バヨネットラグは購入するモデル、フロントキットによってあるものと無いものがあります。これは実物に備わっているかどうかで配慮されていますが、一部考証を間違えて付いているモデル、付いていないモデルもあります。
G&Pのハンドガードは基本的に実物サイズに準拠し実物パーツの取り付けが容易です。但し、取り付け強度に関しては各部が緩めにできている為、RASなどは強く扱うとレール下部が外れてしまう場合などあります。実物はハンドガードの装着に専用ツールを使わないと脱着困難ですが、トイガンの場合バッテリーの入れ替えなどで頻繁に脱着が必要な為、敢えて緩めの方が便利だと思います。ガスチューブはフロントサイトポストにロールピンで固定されている実物と同じ方式です。チューブ本体はレシーバーに入ったところで途切れています。ハンドガードに関してはKAC製RASや樹脂製の実物、実物規格のレプリカなど多くのものが装着可能になっています。
スナップリング(デルタリング)ASSYは実物と同じ構造です。専用のツールで締め込みますが、アッパーレシーバーをバイス等で固定しなければ安定して絞め込めません。またアッパーレシーバーをバイスに固定する際には専用のケースが必要です。ここが一番の難点ですがブラウネルズ社製の組み込みツールがオークション等で購入可能になっているので、複数製造する場合やチーム単位で購入して使い回すなどすれば安くあがると思います。
実物との相違はウェルドスプリングが圧倒的に柔らかい事とネジ径がミリ寸な事です。
リング本体ですが、実物同様のパーツ構成で外周のスナップリング、中心部のバレルナットにハンドガードを固定するテンションになるウェルドスプリング、これらを固定するEリングに分かれています。レシーバーへ固定の際は組み上げたスナップリングをアウターバレルをセットしたアッパーレシーバーへ挿入し、専用レンチで締め込みます。最終的な締め込み位置はナットのU字部分が真上に来る状態にして固定します。微調整は付属のシムで行えます。
位置決めが面倒な場合ガスチューブを取り付けずに絞めれるだけ絞める事で固定も可能ですがその場合M203を装着する場合U字の真下、6時の位置に固定ピンが装着されるのでM203が不要な場合以外はしっかりと組んだ方が良いです。
その後外周リングとEリング、ウェルドスプリングをポンチなどで軽く叩きながら移動させすべてのパーツの空間部分が頂点に来るように調整します。この調整法は色々なやり方があるので上記以外の方法も可能です。最終的にすべてのパーツの隙間が頂点に来ることでガスチューブが貫通可能になりバレルナットのゆるみも防止できます。
バレルナットはM16などに使われた初期のフラットなスナップリングのものとデルタリングと呼ばれる傾斜したスナップリングがあります。どちらも機能は同じですが外観では大きく影響します。
アウターバレル裏側は前期型の名残で配線を通す為のスロットが空いています。特に見えるパーツではありませんが、サードパーティ製の切り込みの無いモデルに交換も可能です。唯一CAR-15SMGだけはストックの構造上前方配線のバッテリー収納式になっているのでこちらの機能を使うことになります。
メタルボディ。基本的にアルミ製で刻印等しっかり再現しています。モデルによってはレーザープリントなど様々ですが、G&Pなら基本上下に対して互換性があります。一般的なミリタリーモデルですとM16A1(M603)M16(M602)、AR15(M601)タイプのレシーバー、M16A2、M4A1等が存在します。外見の再現だけできていて刻印の再現ができてないものなどもあるので完璧なものを求めるには厳しいですが、MADE IN〜のロゴ等は無いので多少は妥協しなければならないかなと思います。
マガジンキャッチとダミーボルトストップ、セレクターASSYはメタルボディセットには付いてこないので別途用意が必要です。
刻印部分は彫りも深く、しっかりしていますが不要な刻印まで彫ったりしています。致命的な刻印の問題としてはA1系列のセレクター刻印が挙げられます。A1系列では右側面にセレクターの指示刻印が存在しないのでこちらはA2のものを消し忘れて製造してしまったのか事情は分かりませんがパテを盛って再塗装して消すくらいしかできません。
参考までに知っている範囲でコンプリート、単体ボディに関して相違点を記載します。
モデル 販売形式 備考
AR15(M601) メタリボディ単体 刻印がM602のもので、各部小パーツはM16A1のものをそのまま使用。
M16(M602) メタルボディ単体 マガジンキャッチ周辺のフェンス部分に切削忘れあり。
M16(M602) コンプリート 何故かM601タイプのボディを使用。
M16A1(M603) コンプリート/メタルボディ単体 特に問題なし。
M653 コンプリート 刻印がM16A1のまま。右側面にあってはならないセレクター刻印あり。
M655(651) コンプリート 刻印がM16A1のまま。右側面にあってはならないセレクター刻印あり。
XM177系 コンプリート 刻印がM16A1のまま。右側面にあってはならないセレクター刻印あり。
CAR-15SMG コンプリート 刻印がM16A1のまま。右側面にあってはならないセレクター刻印あり。
9mm SMG コンプリート 刻印は問題なし。
M16A2 コンプリート フルオート刻印。(一部バースト刻印あり。但し内部はフルオート)
M16A3 コンプリート 本来M16A2のフルオートモデルだが何故かM16A5を模している。
M16A4 コンプリート バースト刻印だが内部はフルオート。
M723 コンプリート A2刻印のまま。
M733 コンプリート ロアレシーバーがA1(本来はA2形状)
M4RAS コンプリート/メタルボディ単体 刻印は問題なし。
MK18MOD0 コンプリート 刻印は問題なし。レシーバーもロアはA1。
ダストカバー。最近のコンプリートモデルには装着されているリアルタイプのものが装備されていますが、コンバージョンや古いモデルですと下に写っているモデルが付属します。初期のモデルはボルトカバーが閉じているのが前提のデザインの為、アッパーレシーバーに固定するギミックが無いただのプレス板です。(スプリングにかけるテンションの方向次第で開放状態にもできます)後期モデルは開放が前提に作られているため、見える部分がリアルに再現されています。但しサイズとダミーボルトの寸法の関係で閉じることはできません。メカボックスが無い状態だと閉じることができますが、あまり意味は無いです。どちらかというと後期のものに交換する方が良いと思います。パーツ単体でも販売しているので。
コンプリートモデルのマガジンキャッチASSYはマルイの六角スクリュー固定タイプから分解しやすい+スクリューに変更されています。メタルボディ単体には付属しないのでマルイの本体が無い場合別途購入の必要があります。
トリガーガードASSYはコンプリートだと金属製のものがついてきます。マルイ製でもダイキャスト系のものがついてますが、メタルボディ単体セットには付いてこないパーツなのでこちらもマルイの本体が無い場合別途入手する必要があります。組み込む際はトリガー基部のロールピンの打ち込みには細心の注意を払った方が良いです。割れる可能性がとても高い部位です。
またマルイのXM177E2(プラフレームやM16A1などのトリガーガードとM16A2/M4A1系のトリガーガードはサイズが違います。M16A2/M4A1系でないと適合しないので注意が必要です。
メタルホップチャンバーはバージョン2初期のM16系デザインのものを金属化しています。多くのメーカーがこれを模倣していて組み込みも比較的容易ですが、固体やネジの絞め具合によってダイヤルの堅さなどの問題から、射撃時にダイヤルが巻き戻る事があります。できればマッドブル製などの縦軸回転式ダイヤルに変更したい所です。こちらはパッキン、クッションラバーに至るまでメタルボディセットに封入されていますので完成にはインナーバレルだけあれば問題ありません。プラスチックのパーツは時期によって青だったり赤だったり紫だったりしてます。
グリップはM16A1系とM16A2のフィンガーチャンネル付タイプがあります。どちらも旧マルイ系グリップよりも若干細く作られているので握りやすいです。それでも実物よりはだいぶ太いですが。グリップはカスタムパーツが豊富なので好きな物に交換できますが、グリップを固定する基部がマルイ純正はメカボックスに2箇所固定なのに対してG&Pやサードパーティーの多くが4箇所固定になっています。マルイ純正メカボックスを使った場合2本しか固定できませんので強度的に不安が残ります。コンプリートモデルや強化メカボックスを使用する場合は4箇所固定が可能です。底部は冷却効果を考えてかスラット状でモーター位置調整スクリューは大型化されています。このスクリューは個体によって緩かったり固かったりします。緩い場合はネジロックなどを使い固定しないとすぐ緩みます。
モター底フタの固定は六角レンチスクリューが前後に2個で長さは同サイズです。絞めすぎるとネジをなめやすい部位なので固定は細心の注意が必要です。
コンプリートの場合ストック基部にあるダミーロックプレートは金属製ですがマルイの本体を流用する場合はプラスチック製の部品になります。。写真はプラスチック製の固定ストック用プレートです。(固定ストック用とリトラクタブルストック用では形状が異なります)見えるのは側面のみのパーツですがマルイ純正のままですとここだけプラスチックで意外と目立ってしまうので社外品で金属化する方が良いです。G&Pのバッファーチューブにバッテリーを収納するキットG&P GP895を購入すれば金属製のキャッスルナットとM16カービン/M4系ロックプレートとキャッスルナットもついてきます。但し同キットはリトラクタブルストック用ですので固定ストックモデルを作る場合はやはり金属のダミーロックプレートが必要です。
M653に取り付けられた金属製ロックプレートとキャッスルナット。基本構成はG&P GP895に初期型リトラクタブルストックを装着したもの。
アッパーレシーバー後方に設けられたロアレシーバーとの接続用突起。本来あるはずの後方テイクダウンピンに接続するためレシーバー後方から下方に伸びるステーを破損が多発する為敢えてオミットし、強度を維持する為に接続を前方のピボットピンと後方の独自デザインの突起により実現しています。他のメーカーでもこの手法を使っていたり、或いは双方の機能を持たせたりしていますが、下側にステーが伸びた場合分解が困難になるのとアッパースイッチが不可能になってしまうのでこのデザインが最も秀逸だと思います。これを考え出した当時はリポバッテリーもバッファーチューブにバッテリーを挿入可能なパーツも存在していなかったのでこれらが後々実現したのはかなり偶然性が高いと言えます。
M653のアッパーレシーバーとロアレシーバーの分解。バッファーチューブにバッテリーが入る為、ロアは写真の状態で動作可能な状態にあります。これによりストックやアッパーレシーバーを好みのものにし、使うメカボックスを極力少なくしてメンテナンス製などを向上させたり、1つのメカボックスにお金をかけたカスタマイズをして色々なバリエーションを楽しむ事ができます。
前方ピボットピン。アッパーレシーバーとロアレシーバーの結合は実質このピン一本で行われています。個体によっては抜けやすいのでコンプリートモデルや後発のメタルボディではこのピンが特殊なネジ式で脱落しないデザインとなっていますが、実物と形状が変わってしまうので、旧式ピンに戻しています。ゲーム等ではネジ式を使うのも良いと思います。
M653のストック部分。リトラクタブルストック以外は金属でバッファーチューブ内部にリチウムポリマーバッテリーが収納可能になっています。
但しデフォルトのコネクタがミニTタイプなので変換コネクタを製作するか一度ストックを分解してコネクタを通常のミニタイプに交換した方が良いと思います。
リトラクタブルストックの可変レバーを一番下まで押し下げてストックを後方へ取り外しバッファーチューブ後方のネジフタを外すとバッテリー交換が可能です。写真では既に見にコネクタに交換してしまっていますが、本来はミニTタイプが付属します。、
コンプリート純正の場合写真のミニTコネクタが使用されています。バッテリーの容積を極力阻害しないようにした配慮ですがリポバッテリーの小型化が十分になされている現在ではミニコネクタにしても十分なスペースが確保できます。
ミニTタイプのままで使う場合バッテリー側もミニTのメスに交換しないといけませんが写真のような変換コネクタを作ればミニコネクタのまま使用ができます。但し内部容積を圧迫しますので入れられる場テリーが少し小さい物に限られます。
現在手持ちのリポバッテリーでG&P GP895に収納可能なものを並べてみました。購入時の参考にどうぞ。
ET1 7.4v1400mAh(レッドライン) サイズ:124.5mm×20.3mm×11.6mm
FIREFOX 7.4v1100mAh サイズ:100×21×12mm
ET1 7.4v800mAh(イエローライン) サイズ:102mm×18mm×12mm
ET1 7.4v1400mAh(レッドライン) 82mm×18mm×12.5mm *要変換コネクタ

但し配線の太さ、配線の回し方、バッテリー側のケーブル長の差などで入りにくいもしくは入らない場合もあります。あくまで当方で挿入しフタを完全に絞め込めて射撃が可能だったバッテリーの記載になります。
最後にアッパースイッチ化の一例。G&PのM4A1メタルボディにマルイM4A1AEGベースで製作。メタルボディを3個購入し、アウターバレルは14.5インチ、10.3インチ、10.5インチ。M4A1、Mk18Mod0、Mk18Mod1をスイッチングして使用可能にしています。インナーバレルはマッドブル製チャンバー装備の14.5インチ用と10インチ用それぞれ1セット、ストックは交換式、サイレンサーはすべての銃に装着可能です。次世代やPTWでここまでやるのはかなり大変でお金もかかります。G&Pのパーツで組み合わせていくと他にもまだまだ可能性はあると思います。またロアレシーバーもマグプルやVLTORなど特殊形状のものもありますので何もロアをただ見殺しにするだけでは無く、新規のロアを組んでさらにバリエーションを増やすこともできます。