G&P
M14 DMR(Designated Marksman Rifle) STOCK for TOKYO MARUI M14 AEG
今回は海兵隊がアフガニスタンやイラクで使用したM14の改良狙撃モデルM14DMRを作ってみます。ベースになるのは東京マルイ製M14AEGで、ストックをG&P製のマクミランタイプのストックを組み合わせたものになります。実銃のM14DMRはUnited States Marine Corps Designated Marksman Rifle(NSN:1005-01-458-6235)という制式名称を持っており、海兵隊が独自にデザインしたマークスマン(選抜射手)用スナイパーライフルで、海兵隊の誇る専門のスナイパーではなく、スポッターや分隊、小隊の上級射手向けに支給される簡易型の狙撃銃という位置づけですが、製作はバージニア州クアンティコにあるUSMC Precision Weapons Shopでしっかりと製造されています。
通常M14DMRはストックをマクミラン製M2Aファイバーストックに交換すると同時にバレルをカスタムバレルに交換し、マウントや光学スコープ、バイポッドなどを搭載し、専用弾のマッチグレードM118LR(175グレイン)と共に支給されます。多くのDMRは銃口部分のフラッシュハイダーがM14の純正タイプをそのまま使用していますが、希にMk12SPRなどで使用されているOPS製の2ポートマズルブレーキと12thサウンドサプレッサーを装備したモデルが存在します。今回DMRを制作するにあたってはストックの交換と同時にせっかくなのでミリタリーフォトで見かける有名なOPSハイダー装備のモデルを再現したいと思います。
McMillan Type Tactical M2A fiberglass Stock
まずは素材です。G&P製のマクミランタイプM2Aストックになります。プラスチック製ですがゲームで使うには十分な強度があります。実銃同様オリーブドラブのボディに独立したピストルグリップ、可変式のチークピースと長さを変更可能なバットプレートを装備しています。付属部品としてはこの他にモーターハウジングが付属します。EBRではストックの角度がM14と異なる為、メカボックスにアクセスするモーターの角度を水平に近くなるように変更しなければならず、その為の専用モーターハウジングが付属します。こちらはハウジングを固定しているネジを外して簡単に交換可能です。
モデルアップされているのはマクミラン社製のMcMillan Tactical M2A fiberglass Stockで基本的な形状はベトナム戦争時に使用されたM14の支援火器モデルM14A1(E2)と同じ形状をしています。マクミラン社ではそのストックをベースにファイバーグラスへの素材変更、OD色の採用、フィンガーチャンネル付きピストルグリップ可変チークピース/バットプレートを装備させたモデルとなっています。またグリップとストック前方部分の表面に滑り止め加工が施されています。M14A1の木製ストックよりも450g軽量化されているのも長所となっています。
モーターハウジングは前述の通り専用設計でモーターの角度を水平に近い角度に変更するようになっています。後述しますが、DMRストックは後方のスクリューを2本外すことでバットストックが分解可能でそこからバッテリーの出し入れを行います。しかしながらこの交換法は非常に時間がかかり面倒です。なので筆者は上記のストック内のケーブルへ接続する為の配線コネクターをそのままバッテリーを装着するのに使用し、バットストックを取り外さずにバッテリー交換をできるようにしています。この方法ですと通常のストックと本体の分解方法で銃本体を少しストックから浮かせて前進させる事でバッテリーの交換が可能になります。特に工具もいらないので便利です。
但し本来行わないストックと本体の分解を頻繁に行う事になりますので、特にセレクター後方にあるプラスチック製の内部パーツであるトリガーバー(プラスチック製でセレクターを動かすと同時に可動するパーツ)が分解時などに負荷がかかって折れやすくなるなど欠点もあります。(分解は基本セレクターバーが本体に近くなるオートのポジションで行います。
またバッテリーの重みでモーターに固定されている金色のミニコネクタが外れやすくなるのでペンチ等で少しかしめておくと良いです。最後にストック内部でバッテリーが暴れて配線類の外れを防ぐためにストックに適量のスポンジ等を詰めてバッテリーが暴れないように内部を狭くしておくと良いです。(使用するバッテリーサイズによって内部スポンジの体積は変わると思いますので適時対応するか、諦めてストックを外す通常の交換法を選ぶかだと思います。
ストックは手間がかかるもののチークピース、バットプレートがアジャスト可能でストック下部にはスイベルが付属します。
バットプレートは後方に付属する2本のマイナスネジを緩めて取り外しが可能で、通常であればここからバッテリーを交換します。しかしながらネジの回転数が多く下側はスイベルも一緒に外れてしまうので交換は面倒です。そこで前述したバッテリー交換法を選択した訳ですが。分解は写真の通りで4枚のアジャストプレートが付属します。これはストック分解時に任意の枚数を取り付け、取り外しが可能で0〜4枚の間の5段階で調整できます。
バットプレートはラバーパッド装備です。チークピースはストック左右に配置された4本のスクリューで調整可能です。基本的には無段階調整ですので細かい調整が可能になります。スクリューは左右2本で合計4本付属ですが実際にM14DMRの使われている画像を見てみると頬付けする側のスクリューは取り外して使用されていますので強度や微細な動き等気にならないのであれば2本外しておくのもマニアックで良いと思います。
M14 AEG
ベースになるのは東京マルイ製のM14AEGです。他にG&P製のバレルトップカバーブラウンカラーGP444も使用します。通常通りの分解を行い、モーターハウジングを交換して完了です。でも先述した通り今回はOPSハイダーのついたモデルを作りたいのでここから改造が始まる感じです。
M14に装着したDMRストック。これに光学機器やバイポッドを装備する事で一般的なDMRとなります。
こちらがオプションを装着したM14DMR。銃身やフロントアッセンブリは基本的にマルイ純正で実銃と同じ形状です。通常はこんな感じで完成だと思います。
OPS HIDER VERSION
さて今回の本題であるM14DMRのOPSマズルブレーキであるOPS INC/12th MODEL MUZZLE BRAKE KITを装備したモデル(以下OPSモデルと記述)を製作したいと思います。M14DMRのOPSモデルはMk12 Mod0やMk12 Mod1などのSPRに使用されている2ホールタイプのマズルブレーキを装着する事に重点を置きますがもう一つ気になる部分があります。上記の写真を見て気がつく人もいるかもしれませんが、このモデルは実物の写真をよく見ると通常のM14よりもバレルが太いのです。どこの文献にもヘビーバレルの記載はなく、通常はA 22 inches (560 mm) stainless steel, match-grade barrel (Krieger Barrels, Inc.製)を使用しています。これは通常のM14タイプのマッチバレルだと思うのですが、OPSモデルでは明らかにバレルが太くなっているのです。権利関係がわからないので本物の掲載は控えますが、タクティカルベスト(個人装備)を枕にしてM14DMRを構えている海兵隊員の写真を見るとピストンにアクセスするガスブロックの8の字のパーツが通常のM14であればバレルの方が細く段差ができているのに対してOPSモデルではよくみるとまるで段差が無いのです。これはヘビーバレル化されていると思うのが自然ですが特にそういった資料は見つかりません。ともあれ写真のあの銃が欲しいけど技術は無い僕ちゃんなのでなるべく簡単かつ適当に制作していきたいと思います。一緒にDMRのストック等もお手軽なカスタムなどして紹介したいと思います。
今回ヘビーバレル化というのが一番面倒な部分なのですが本来なら根本から削りだしの一本アウターとかやってみたいですけど、そんな技術も設備もお金もないのでホームセンターで売っているアルミ丸パイプ19mm径を使う事にしました。ちょうど良い感じの太さだったので参考までに写真を載せておきます。
まずはガスブロック周辺の加工です。M14のウッドストック装着の記事でもありますがガスブロックを固定しているイモネジを緩めて引き抜きます。写真の通りの状態になりますが、バレルを太くする最初の難関がこの一部だけ見えているガスブロックと本体キャップの間だ部分です。実銃でもこの部分が両サイドのパーツと同じ太さになっています。そこでこの隙間に合わせてアルミパイプをカットします。サイズを計ってパイプカッターでカットして作ります。少し大きめに切り出してヤスリで微調整するのもアリです。
仮組みした状態。同時に先端部分のバレルも太くする為、そちらもパイプカッターでカットします。長さはガスブロック部分からハイダーの14mmネジの基部より1〜2mm程度長いサイズでカットします。ハイダーとカラーはG&PのOPSサイレンサーに付属しているものを使います。ただ最新モデルは写真の様にマズルブレーキとサイレンサーを固定するストッパーのカラーパーツがが分割トされている(2ピース構造)のものが付属するのに対して旧型はこの間のバレル部分まで一本のパーツで作った一体型のワンピースのマズルブレーキが付属します。新型のタイプでないと今回の改造は難しいので新型を買ってください。旧型はもう市場にないとは思いますが。 またオークションやショップで買うにしてもこのパーツが付属している写真と解説付きで販売しているものでも何故かサイレンサー本体しかついてこないものがあるのでなるべく確認してから購入してください。筆者はamazonとヤフオクで2度購入したのですが二度とも写真や解説にパーツ等の付属、付帯説明があったにも関わらずサイレンサー本体しか付いてきませんでした。
amazonは返品、オークションはパーツを送付してくれるという事で対応してくれたので良いのですが、このサイレンサーはよくある14mm径のサイレンサーではなくマズルブレーキにつけられたネジにサイレンサーを固定する構造なのでハイダーが無ければ他の銃等に取り付けは不可能です。サイレンサー側のネジ径は実銃OPSマズルブレーキに対応しているのでその辺は神構造と言えますが、今回に関しては14mm径のハイダーが欲しいのであってサイレンサーは二の次です。G&Pの写真のハイダーは内部カラーの交換式で正ネジ、逆ネジを選択できます。マルイなので逆ネジを選択します。またカラー、マズルブレーキのプロテクターカラーもG&P製を使いますがすでに別のものに流用してしまった為、VANARAS製のバレルセットについてきたものを使っています。この辺は大した差はないのでご容赦を。
仮組みその2。中間カラーはちょっと斜めで失敗気味なので新しいのを作りましたが写真はこのままで。
仮組みその3。サイレンサーをストップさせて固定する為のカラーはVANARAS製の場合内側を少し削らないと入らなかったので削りました。スチール製なので大変でしたがG&P製であればアルミ製だと思うので仮に削るにしても簡単にできると思います。バレル先端用のパイプにストッパーカラーをイモネジで固定します。これは実銃のOPS製も同じです。その後先端にマズルブレーキを固定します。先述の通りアウターバレルのパイプの長さはハイダー用のネジ基部より1〜2mm長くカットしているのでハイダーを固定すると圧力で固定されます。
ガスブロックのカラーは瞬間接着剤で仮固定してそこからパテで周囲を固めて固定します。あとは紙ヤスリでパテを削って丸くしていきます。写真上側がガスピストンで短い下側がバレルになります。この構造ですとバレルに通して固定するガスブロックパーツを問題無く固定可能な上、同じパーツを購入すれば元のサイズのM14にも戻せます。他のやり方としては8の字のガスブロックパーツ部分を切断して別パーツにして、アウターバレルに対して、ガスブロック後方部分>スリーブ>8の字パーツの順番で通していけば固定可能でスタンダードサイズに戻すのも可能ですが、カットした分削れた長さの補填問題とかそっちも色々あるので簡単なこちらのやり方を選びました。
仮組みで問題無ければ塗装を開始します。筆者はすぐ乾燥して使いやすいインディのパーカーシールシリーズを愛用しているので今回もインディ製のブラックパーカーで塗装を行いました。写真を見る限りどのパーツもほぼ同色に見えたのでストックとの固定キャップ、ガスブロックアッセンブリ、ハイダー、カラー、アウターバレルパイプ等すべてブラックパーカーで塗装します。
M14本体のアウターバレル部分も一応同色で塗っておきます。
塗装後組み立てを行います。先端はまだ細いままです。イモネジ1個で固定していますので簡単に装着できます。
ガスブロックまでを本体に装着した状態。
次に先端のアルミパイプの取り付けです。こちらもかなりやっつけですが一応元に戻せるようにビニールテープを適量巻いていきます。調整しながらスリーブがちょうど通るくらいで二箇所ほど巻き付ければ完了です。あとはパイプをアウターバレルに通します。
装着完了。これでバレルが太くなりました。
最後にサイレンサー用ストッパーのカラーをイモネジで固定し、OPSハイダーを固定すれば完成です。
実物のOPSタイプではサイレンサーをストップさせるカラーはこの形状ではなくバレル本体と一体型の丸みのあるデザインですがパテ盛るのも大変なのでここは逃げました。身も心も弱い僕を許してください。
マズルブレーキのカラーを外すとサイレンサーの固定用スレッドが出てきます。通常時はスレッドを保護する為のプロテクターを装着しておきます。
改造箇所その2。チークピース本体をラバーコーティングスプレーで塗装して滑り止めを行いました。コーティングは薄いので気分だけのものですが手触りは変わります。実物の仕様はどうなのかわかりませんが、実銃ではこの部分にウレタンを貼り付けているのでもしかしたら金属か樹脂のままなのかもしれません。
今回上記カスタムで使ったスプレーです。本体はインディ製ブラックパーカー。チークピースはメディコム製スーパーラバースプレーです。
本体完成状態。
ハンドガードトップカバーはマルイ純正ではなくG&P製のブラウンカラーのものです。こちらも実銃に準拠したカラーを選んでいます。
ちょっと時系列が逆になりますが、バイポッドマウント用のスイベルベースの固定です。ストック内部のプラスチックの補強ガイドをカットします。
固定に使用するのはハリスだかアンクルマイク製だか忘れましたがM16A2用の実物固定パーツです。M14のバイポッドの固定ベースはトイガン用も出ているのでそちらを購入して取り付ける方が安上がりです。3個のパーツで構成されていて本体を挟み込んでネジ兼スイベルベースのパーツで固定します。下側の長いプレートが内部にくるのでこのパーツがフラットに配置できるように先ほどの内部カットが必要になります。
ストック表面側に小さい方のプレートを挟んでネジをしめて固定完了です。
最後にオプションパーツを付けて完成です。ハリス製バイポッドS-Lサイズ、アンクルマイク製QDスイベル、アメリカ軍用マークスマン/スナイパー用レザースリング、スコープ(リューポルド)、バトラーキャップ、スコープマウントベース(スプリングフィールド製)、マウントリング(A.R.M.S.製)などを取り付けて完了となります。全てがDMR純正支給品ではありませんが、その辺はご容赦を。
筆者は左利きなのでチークピースの右側面のネジを取り外してみました。
最後に有名なアングルのショットです。ここへ来ていうのもなんですが、このタイプのバレルは実物の写真を見る限り、実際は純正バレルよりも少し短いんじゃないかなとかも思ったんですがハイダーカラーとかをつけてバイポッドの角度や位置関係などを実物と角度を合わせて比較してみると意外とスタンダードサイズもしくはそれに近い長さに見える気もするので結果的にそのままの長さで作りました。決して先端を少しカットしてネジを切る代金をケチった訳では・・・。それでもよくよく考えればハイダーの長さ分は少し短くなっているのでどちらにしろ全体的にはスタンダードより数センチ短いはずです。

以上でOPSモデル制作は終了です。あれ?サイレンサーは?と思った方はとても鋭い方ですね。このページ自体の写真が多くなったので別ページで掲載したいと思います。