ICS ENTERPRISE
GLM
ICS-191 FDE
今回はICS GLMグレネードランチャーです。ベースになった実銃モデルは南アフリカ、ダネル社のMGLというリボルバー式のセミオート40mmグレネードランチャーです。ダネル社の他にMILKOR社、アームスコー社などで製造されアメリカでは軍用としてABRAMS AIRBONE社からMILCOR USA経由で販売されています。実銃では40x46mmグレネード弾をシリンダー内部に6発装填可能で、トリガーアクションはダブルアクション、リボルバーはトリガーと連動ではなく射撃終了後あらかじめ逆回転させておいたシリンダーがテンションで次弾装填を完了するという変則的なリボルバー構造です。リボルバー式のグレネードランチャーはこれまでアーウェン37シリーズやイギリスのライアットグレネードエクスカリバーMKIIなど80年代からいくつかのランチャーが製造されてきましたが多くが警察、準軍事組織向けの非致死性弾の使用が主でした。MGLはこれらのものとは異なりはじめから軍用を目的とした兵器として開発されました。とはいえ基本的なシルエットは他のランチャーと似ています。ICSがモデルアップしたのはアメリカ軍で使用されているMGL140の改良モデルでVLTOR社製レールマウントやM4系列と共通規格のストックを装備したM32と呼ばれるモデルです。シリンダーが通常のMGLに比べて105mmから140mmに延長され、より多様な弾種を発射可能になっています。
ケースは巨大なシリンダーを装備している為、高さと奥行きがある大きなケースです。全長が短いのでずんぐりした箱です。ダンボール製の箱で樹脂製の取っ手が付属しています。本体がプラスチック製で形状も特殊なのでゲーム等へ持ち込む際にも保護ケースとして使えそうです。
内部は発泡スチロールぜ前後を支持する形状です。形状が形状なので空間は多いですから逆に40mmカートやガス、装填ツールに40mm弾の予備、消耗パーツなど必要なものを入れられると考えれば便利なケースです。付属品はタグとマニュアル、CDマニュアルです。パッケージにも説明写真等が印刷されています。
メーカー ICS MILKOR(実銃)
モデル名 GLM ICS-191 MGL140(M32)
作動方式 セミオート セミオート
口径 40mm BBシャワー 40x46mm
装弾数 6 6
購入価格 22800円 ---
本体は全体がプラスチック樹脂で出来ていて非常に軽量です。実物は6kg以上ありますがこちらはカートリッジさえ装填しなければ2kg程度で片手でも保持が可能です。ICS-191は同社のスタンダードモデルで本体のカラーをフラットダークアースにしたモデルで他にブラックカラーのICS-190があります。ICS-190との差異はストック部分にも見られ、190はブッシュマスタータイプのM4ストックが装備されているのに対してICS-191はLMTタイプのストックが装備されています。金属部分は非常に少なくスイベルや各種ネジ類、リボルバーのフレーム支柱部分の一部やスプリングなどの小パーツのみに留まっています。重いモスカートを6発も装填する為、少しでも本体を軽くし、またコストダウンを図るための措置だと思いますが、逆にカートを装填した状態でラフに扱うと容易に破損しそうな雰囲気です。
製品名はMGLではなくGLMですがこの辺はノーライセンスだからでしょうか。また全長もバレルが実物のMGL140よりも短く、ショートバレルモデルのM32A1よりも長いという中間的なサイズになっています。
作動は実銃に近く、予め巻き上げたシリンダーにカートリッジを入れてトリガーを引くとファイヤリングピンがカート後部のバルブを押し込んでBB弾が発射される仕組みです。トリガーはハンマー等が内蔵されている訳では無く押すとそのままファイヤリングピンが出るタイプですので実物の様なダブルアクションではありませんが、発射プロセスは実銃に則っています。射撃後は巻き上げたリボルバーが自動的に回転し次弾を発射できます。
ストックはLMT、バーチカルグリップはタンゴダウンを模した物になっていますがそれぞれ独自のアレンジを加えています。この辺は実物と交換してリアル度を増すのも良いと思います。射撃ですがこちらは銃に対して射撃関係の性能が殆ど存在しないので実射性能は使用するモスカートや他社製類似品の性能に依存します。但しどれもガス作動なので冬場にはまともに使えません。射撃や使用感でいうならばとにかくラフに扱わない様にする事と、射撃時には確実にトリガーを引ききる事が大事です。確実に引かないと回転不良や発射不良が発生する場合があります。
レールはVLTORスタイルの6角形レールです。オール樹脂製ですがスレッドはしっかりしています。ただ微妙にレール幅が小さめなのでスローレバータイプの固定モジュールは上手く固定できないかもしれません。その場合小さく切ったラバーシートなどを挟み込んで調整も可能ですがグレネードランチャーという特性状特に何か付けなければ困るものも無いと思います。グリップ後方に見えるのはシリンダーの開放ラッチでラッチを前方に引き出す事でロックを解除できます。
トップレイルはハンドガード上に1つとシリンダー上部のパイプ状のフレームに1個です。専用のアームスコー製M2A1クアドラントサイト型スコープを装着して運用しますが残念ながらそちらはモデルアップされていません。シリンダー前方左側面に装備されたレバーはシリンダーのリリースレバーで射撃を終えても残弾がある場合等テンションを解除する為に使用します。使用後にシリンダーを巻き上げたままならこのレバーを使ってリリースしましょう。
シリンダーの開放ラッチを引き上げてシリンダーをスイングアウトさせて装填状態にします。シリンダーはグリップを軸に左側へ回転します。支点はパイプ状フレームのマウント基部で、ここには装填時にカートリッジを装填する際にすべての重量がかかるので一部金属化されています。装填は実物の場合銃身を真下に向けて行います。シリンダーの巻き上げはスイングアウト前に予めやっておいた方が軽くて良いかもしれません。
シリンダー内部。各社から発売されている40mmBBシャワーカートリッジを装填できますが、メーカーによって外径の差があるので互換性は買って試すしかありません。著者の使用しているものはCAW製MOSCARTですがこちらは問題無く使用できました。またカートリッジの材質、装弾数によってはカートの重量が変わりますのでシリンダーへの負荷や重さによるシリンダーの回転不良なども考えられます。多少きつい程度でしたら内部を少し削れば装填可能になると思います。
こちらがCAW製モスカートです。バランスのとれた60発タイプを使用しています。
装填は手動で行います。この辺は一般的なリボルバーピストルと同じですが本体前半分がすべてスイングアウトします。シリンダーケースの外側が少し削れているのでそこに指を入れればリムが掴めますのでカートの交換時には便利ですが、グローブなどをしていると取り出しにくいのでゲームで使うならここをもっと深めに削り込めば取り出しが容易になります。実銃ではリボルバーピストル同様にイジェクターロッドを作動させて強制排莢する事が可能ですが、ICSにはその機能はありません。また使い捨てカートでもないのでゲーム中にダイナミックにバレルを上に向けて全弾地面に落とすというのもちょっとどうかと思います。よほどコアなモスカートユーザーでない限りは予備銃を持ち、GLM自体は撃ちきりにしてその後はAEGなどに持ち替えるかハンドガンを使うというスタイルだと思います。
モスカートシリーズは各社から類似品が出ていますが構造は基本的にどれも似ていてプライマー部分が少しでも押されると暴発する可能性が高く、比較的装弾に注意すべき部類の銃(弾)です。装弾は暴発の危険性なども考慮しシリンダーを回転させた後にセーフティーをかけた状態で銃身を下または人のいない方向に向けてゆっくり装填した方が良いです。個人的にはカートに関してはガスを入れてからBB弾を入れるのが良いと思います。バルブロックが確実にかかってるかをまず確認できるので。
グリップ上部にはセレクターがあります。セレクターはセーフティとファイアリングポジションのみでアンビ仕様になっています。トリガーガードは金属製、グリップとトリガーは樹脂製です。
ストックはLMTを模したデザインですがチークピース部分に滑り止めのパターンがあったり、下側部分のデザインは完全にオリジナルになっています。ストックパイプ基部左右にはQDスイベル用マウントとストックの射撃角度調整用ボタンがあります。
ストックはFEDカラーのICS-191にはLMTタイプ、ブラックカラーのICS-190にはブッシュマスタータイプがついています。どちらもパーツ類や形状がオミットされていてリアル派の人には微妙かも知れません。
ストックの基部にはバッテリー収納用コンパートメントがありますが、こちらもオミットされています。結果的にかなりオリジナリティあふれるストックになっています。リアル志向の人には微妙ですが、特に気にしない人には軽くてよいかもです。他のM4系の銃にも付けられますし。ただLMTストックにあるQDスイベルベースが無いのとあったとしても強度的にストックにスリングをつけるのはリスクがあると思います。一応底部にスリング用のスリットはあります。
ストック後部のラバーパッドは脱着不可の一体パーツです。
ストックの角度は3段階に変更可能です。これは傾斜角をつけて射撃する曲射用のグレネードランチャーに特有の機能です。エアソフトガンとしては殆ど使えない機能ですがノンホップのカートなどで予め到達距離を記憶しておけばもしかしたら役立つかもしれません。
ストックはM4カービンなどで使用されているバッファーチューブと同じ構造で6段階に長さを調整できます。
タンゴダウン風のグリップはコンパートメントケースキャップとリモートスイッチカバーが脱着式です。この辺は良くできていると思います。グリップの固定法はプッシュボタン式で実物よりは脱着が容易です。こちらもリアル派以外の方には色々な銃に利用できて便利かと思います。
VLTORタイプのレールハンドガードに装着可能なQDスイベルマウントベースとQDスイベル。ハンドガード前方のレールにマウントベースと共に装着し、後方は本体装備のマウントバースに固定します。こちらは左右どちらにも取り付けできるので利き腕に関する制約はありません。
本体左側面にスイベルを装着した状態。