MAGPUL PTS :PROFESSIONAL TRAINING AND SIMULATION
MASADA ACR 5.56x45mm
14.5inch VERSION
FDE
SV:STREAMLINED VERSION
MAGPUL PTS製MASADA 5.56 SV VERSIONです。マグプル社の製品をエアソフトや訓練向けに安価な素材で提供するPTSブランドで製作されたMASADAの廉価モデルになります。MASADAはバージョン3をベースにしたカスタムメカボックスを採用し、デュポン社製ポリマー樹脂などをロアフレームなどに使った海外製(特に中国製)のカービンサイズAEGとしては比較的高価な価格設定でした。その為廉価版としてPTSからSV(ストリームラインバージョン)が発売されました。実売価格は3万円前後だったと記憶しています。
メカボックスや基本構造、バレル交換システムなどはそのままにロアフレームの素材をデュポン製ポリマーからノンコマーシャルポリマー樹脂素材へ変更し、刻印等も変更しました。またフリップアップ式のフロントサイトが廃止されその分レールを延長しています。 またカラーはラインナップからフォレッジグリーンが外れてFDEとブラックカラーのみになりました。
#BK PT607680307
#DE PT607680313
ストリームラインバージョンの特徴としては安価である事に加えて正規品であればASGK準拠品として承認がなされている点です。

MASADAは近年流行のモジュール交換方式によるマルチキャリバーアサルトライフルで口径やバレル長、各種マウントなどのオプションを自由に選択可能で、目的に合わせた銃に組み替えることができる設計になっています。実銃のMASADAはマガジンの底部にポーチからの引き抜きや携行を容易にする為のその名もマグプルというラバー製フックを製造していましたが、その後、得意のラバーやファイバー製のガンアクセサリーの製作を開始し、多くのユーザーに支持されました。バレルや機関部以外の多くのパーツを自社で製作してきた事から2007年に銃本体の製造に着手し、MASADAが完成しました。MASADAはイスラエル東部、死海西岸近くの岩山を利用し作られた半天然要塞で、古代ユダヤとローマ軍との戦いで使用された山岳要塞の名前です。MASADAは発表後長らく製造されませんでしたが、アメリカのブッシュマスター社が民間向けにBushmaster ACR(Adaptive Combat Rifle)として販売を行い、同国のレミントン社がRemington ACRとして販売を開始しました。
基本構造は歴代のアサルトライフルからその利点のみを抽出し、操作性や耐久性などを向上させたもので、特別な工具などを使用せずに戦地の前線基地等でも簡単に口径やバレル長が交換できるシステムを加えています。当初は5.56x45mmで10.5インチ、11.5インチ、14.5インチ、18インチ、20インチとM16/M4シリーズに準拠したバレルを展開していました。また弾薬も7.62x39mm弾や6.8x43SPC弾などがバレルやロアレシーバー、ボルトなどの交換で選択可能になっています。
さて、エアソフトガンのMASADA SV(ストリームラインバージョン)ですが、基本的にPTSが販売するオフィシャルAEGのMASADAの廉価版で、こちらもパッケージにあるように主に訓練向けの名目で製作されました。SVの箱はグリーンを基調としたダンボールケースでオリジナルの赤色を基調としたボックスとは差別化されています。またパッケージに大きくSV(ストリームラインバージョン)のロゴが追加されています。ボックスアートはオリジナル同様に設計図面風の線画ですが、こちらは14.5インチバレルにAフレーム固定ストックの組み合わせとなっています。残念ながら現在はSVも絶版となっています。こちらも中古で入手し、一発も撃たずに10.5インチバレル仕様に変更してカスタムへ回されました。
ボックス内部はオリジナル同様にウレタンフォームで保護されています。内部付属品。マニュアルも赤を基調としたオリジナルからグリーンを基調としたものに変更されています。別売りのマガジンなどを見る限りPTSは緑色を使ったパッケージを廉価版にしている様です。付属品は本体にマニュアル3冊。(英語版、日本語版マニュアル2冊)、ASGKの啓蒙ペーパー1枚、P-MAGマガジン、BB弾、マズルキャップが入っていました。こちらは並行輸入品ではなくアクセスオーバーシースの輸入販売した正規品らしく、日本語マニュアルが付属しています。アクセスオーバーシース販売のMASADAはKM企画で調整等を行ってから出荷されているようです。また公式なサポートも受けられた様ですが生産中止になっている現在ではその辺はあまり期待できないと思います。

ボックス裏の説明書にはMAGPUL MASADAのGen3(第三世代)モデルをモデルアップしたと記載があります。これはブッシュマスターACRの第一世代に相当しますが、現在はレミントン、ブッシュマスター共々レールや各部のデザイン等かなり改良が加えられています。

MASADA SV本体。14.5インチバレルとAフレーム固定ストック、ホワイト刻印に窓付きのP-MAGとだいぶスタンダード版の10.5インチやマルチアジャスタブルストック装備モデルとは印象が違います。初期のスタンダード版MASADAもこちらの固定ストックと14.5インチバレルが付属していてマルチアジャスティングフォールディングストックは別売りらしかったのですが、詳しくは分かりません。パーツの互換性はあるのでストックを組み替えて遊ぶのも良いと思います。ロアレシーバー等ノーブランドのポリマー樹脂になっている為、スタンダードよりも軽量です。
本体右側面。こちらも刻印を浅彫りのホワイト刻印(プリント?)にしています。この辺や本体色が若干薄いFDEになっている点、素材の変更でコストを下げている感じです。ただどうせコストを下げるならダミーボルト下のMADE IN CHINAを彫らなければ良かったんじゃないかと思います。堂々としすぎでかなり目立ちますす。USAならまだしもCHINAならもっと小さくハンドガードの内部に記載をして欲しかったです。
左側面。固定ストックになってもチークピースはライブです。伸縮と折りたたみができない以外は最低限の機能を果たしてくれます。体にフィットするなら剛性がありそうなこちらを使うのもありかと思います。
フロント部分は14.5インチでハイダーはM16A2タイプ。ネジはスタンダードが正ネジなのに対してSVモデルからは逆ネジに変更されています。別売りバレルの装着の際は混同されてしまいそうですが別売りのバレルは新品で購入したものは逆ネジでした。この辺中古で買うとバレル交換等で混同している可能性があるので事前に調べる必要があります。PTSではこれに対応してPTSのMASADA向けハイダーやサイレンサー付きセットは正逆両方でていますが、どうせなら統一されていた方が楽です。
チャージングハンドルは左右交換式です。金属製のフリップアップフロントサイトが廃止され、その分レールスロットが延長されています。またリアサイトの付属も無いので双方届ける必要があります。この辺は既にモジュラータイプのサイトやスコープを搭載すれば問題無いと思います。
スロットが延長されてもフロントサイトが無くなった分レールとハンドガードの間には隙間があります。この部分はレールを装備してもハンドガードのガードが邪魔して使えないのでコスト的にも仕方ない処理だと思います。
ハンドガードは樹脂製ですが、スタンダードモデルとは素材が違います。こちらはリチウムポリマーバッテリーが普及している現在ではバッテリースペースを気にする必要が無くなっているのでリアルサイズモデルと交換してしまうのが良いと思います。
レシーバー左。刻印はホワイトでオリジナルにはないCAGE-1L X50というタイピングが追加されています。その他の刻印は色と仕上げ以外スタンダードと同じです。セレクター、マグキャッチ、ボルトストップはアンビ仕様。トリガーガードもスタンダートと同じ本体一体型の大型のタイプが装備されています。マガジンハウジング前方の滑り止め、フレームピン前方のQDスイベルのマウントベースも左右に配置されています。
グリップは角度、サイズ共にスタンダードモデルと同じデザイン。本来ツールケースになるグリップ内部にはモーターが入っています。
レシーバー右側面。基本的なファンクションは左側面と同じでダミーボルトとケースデフレクターが配置されています。刻印はシリアルナンバー、口径表記、PTSロゴとトレーニング用という表記以外ほぼ同じですが何故かメイドインチャイナという表記がどでかく表示されています。低コストを目指しているなら書かなければいいのに何故書いたのか。謎きわまります。実物ではダミーボルト部分には口径が刻印されているのですが残念ながらスペースの関係等で記載がないです。この辺ステッカー等でなんとかしてみたい気もします。またプリント刻印の場合MASADAの実物では黒く墨入れされたものがあるのでできれば黒にしてほしかったです。
マガジンは左がSV製でABS素材で出来たP-MAGです。残弾確認が可能なモデルを再現しています。装弾数は75発です。右がオリジナルモデルの付属品でマガジンカバー装備のポリマー製マガジン、装弾数は120発になっています。重量はABSモデルの方が軽いです。
ストックはAフレームタイプと呼ばれる初期及び民間モデルで使用された固定ストックタイプが付属します。こちらはマルチアジャスタブルストックと交換可能になっています。チークピースはスコープ搭載が前提の銃のため可動式が装備されています。ストック底部と上部にはスリング用スリット、ストック後方には左右交換式のQDスイベルマウントベースが付属しています。ストック前方基部にはワンポイントスリングを固定する為のベースが付属しています。この部分を専用の別売ワンポイントスリングマウントに変更する事が可能です。
チークピース収納時(写真左)とチークピース展開時(写真右)スコープの使用を前提として作られた銃なので固定ストックといえどチークピースの調整は必須になっています。ストックのバットプレートはラバー素材を使用しています。
パーツの分解
パーツはスタンダード、SV同様に4本の固定ピンによってアッパーレシーバー、ハンドガード、ロアレシーバー、ストックに分解が可能です。写真前方のピンがハンドガード、その後方がピボットピン。レシーバー後方のピン上側がテイクダウンピン、下側がストック固定用のピンになっています。
4本のロックピンを解除し、バレルを取り外した状態。MASADAではストックがAフレーム固定、マルチアジャスタブルストック、PRSストックが選択可能で、ロアレシーバーはACR5.56とAKM7.62モデルに交換が可能です。バレルは10.5/14.5/18インチ、ハンドガードは樹脂製のスタンダード用、SV用、リアルサイズ、リアルサイズロング、アルミモジュラーレール(3レール)、マガジンは各社旧M4系、AKMの場合旧AKMシリーズのものが使用できます。各部位のカラーは5.56mmACRでBK/FDE/FG。AKMでBK/FDEです。
バレルの交換
バレルの交換はスタンダードモデルと同じ手順です。またパーツの互換性もあります。チャージングハンドルを後方へ引きダミーボルトをロックさせてからホップダイヤルでホップを完全にオフのポジションにします。ちなみにメカボックスはスタンダードが黒く塗装されているのに対してSVは一般的な無塗装の銀色です。
ホップをオフにしたらハンドガードを取り外します。
バレルが露出したらバレルロックレバーを下へ下ろします。
ロックレバーを下ろしたらロックレバー基部にある小さなロックボタンを押しながらレバーを45度に方向けます。
その後引き抜いて完了です。
10.5インチと14.5インチバレルの比較。ハイダー基部がガスレギュレーターに僅かにかかっている10.5インチはハイダーそのものやサイレンサー装着時にガスレギュレーター部分と干渉する可能性があるので社外品の使用には注意がいります。
バレル交換は逆の手順で完成です。
CQB用の10.5インチに変更したSV。
ストックの交換
SVのストックはAフレームと呼ばれる固定ストックが基本装備ですが、これを別売りのマルチアジャスタブルストックに交換する事で長さの調整に加えサイドスイングが可能になり、ストック内部にサイドスイング時に開閉可能な防水コンパートメントが装備されます。
ストックの交換はテイクダウンピンを引き抜き本体をアッパーレシーバーをテイクダウンさせます。続いてテイクダウンピンの下にあるストック固定ピンを取り外してAフレームストックを上に引き抜きます。その後マルチアジャスタブルストックをロアレシーバーの上から押し込んで装着します。その後は逆手順で完成です。
バレルを10.5インチ、ストックをマルチアジャスタブルストックに交換したSVモデル。
スタンダードモデルとストリームラインモデルの比較
スタンダードモデルとSVモデルの比較になります。基本的な違いは下記に記載します。写真上がSVモデル、下がスタンダードモデルです。全体的に色合いが濃いのがスタンダード。若干薄いのがSVです。外観、素材の違いによりコスト差、見た目の差はありますが、操作性や外装パーツの互換性はあるので文字通り予算に合わせて廉価版とスタンダード版を買うのが良いかもしれません。
  PTS MASADA 5.56 ACR PTS MASADA 5.56 ACR SV
ハイダー基部 14mmCW 14mmCCW
ハンドガード デュポンポリマー ABS
アッパーレシーバー 6063アルミニウム アルミニウム
フロントサイト 金属製フリップアップ 装備無し
リアサイト PTSリアサイト 装備無し
ロアレシーバー デュポンポリマー ABS
メカボックス 塗装/ブラック 未塗装/シルバー
ストック マルチアジャスタブル Aフレームフィクスド
マガジン P-MAG 窓無し デュポンポリマー P-MAG 窓付 70連
刻印 深彫り。ボディ同色 ペイント/ホワイト
価格 53800円 29800円
製造国 中国 中国
上:SV 下:スタンダード。ボディ全体。刻印はSVがホワイトなのに対してスタンダードはボディ同色で製作されています。
上:SV 下:スタンダード。トップレイル先端にフリップアップフロントサイトが装備されているスタンダードなのに対してSVではレールを若干延長してサイトはオミットされています。
上:SV 下:スタンダード。ハンドガードなども素材の違いから色合いが違います。双方とも純正のワイドハンドガードなのでリアルサイズに交換する事で同色にできます。
上:SV 下:スタンダード。ロアレシーバーはスタンダードがデュポンポリマー、SVがノーブランドポリマーです。またグリップやマガジンハウジングに装備されている滑り止めはスタンダードの方がより強いグリッピングが可能です。
オプションの装着
EO-TECHホロサイト552を装着した状態。