NB(No Brand)
BROWNING M2 MACHINEGUN
AEG
今回はNB(ノーブランド)版のブローニングM2ヘビーマシンガンのAEGです。よくVショーなどで個人制作によって販売されていて一時期はエチゴヤ等でも売られていたそうです。何度もバージョンアップしたり小改良が加えられていますので現在はどういった仕様で販売されているのか分かりませんが、僕が購入したのは2012年時点でのモデルです。基本的にフルスクラッチで製造されていてボディはアルミ板をベースに製造され、グリップ周辺等はプラ板、木材、ボディ外装モールドはパテ等で制作されています。バレルアッセンブリー関係は基本水道管用の塩化ビニールパイプやペットボトル?の口やらプラ板で制作されています。
メインフレーム部分はそれなりに出来ていると思いますが、内部機構はFA-MASが改造されて組み込まれた状態でABS板などでマガジンのプールを拡張していて、価格は15万円ほどでした。ただ内部機構はかなり雑で190連マガジンをスプリングパイプで本体に結合し内部に拡張した弾倉スペースを作り、本体下部にある多弾マグ用のゼンマイを回しながら給弾するというものでした。
当初サンプルを見せられてそれなりの飛びは見せていましたが、ゼンマイを手の届きにくい中心部の底に配置していたのでこれでは使いにくいと思い、P90をベースに製作を依頼したのですが、何故かFA-MASのまま納品されました。
使用はハートロック等でHUMMERに搭載して使用する為のものでしたので、何より重要なのは軽さで、リアルさや素材の金属パーツの量などは二の次で、アルミと塩ビパイプでできた軽量なM2はこちらにとってはありがたかったです。納品後は車両に取り付けるための軽量化したクレイドルやシールド等を作り、車載にしました。
ところがハートロック当日は動作が不安定でAEGとして使える性能とはとても言えませんでした。特に多弾マグのゼンマイの露出面積が小さすぎて手でうまく回せないのと給弾不良やゼンマイの空転が頻発する点などが問題でした。
そこでこの銃を自分で再改造してなんとかゲームで使いやすくする事にしました。同時に強度アップや外観の向上なども行いました。
こちらが最初に納品された際に使われたFA-MAS内蔵版です。主な問題点は以下の通りです。

@FA-MASのユニットが大きく、給弾不良等多発し、ホップのかかりも悪い。
A装填(ゼンマイ巻き)に指が入りにくく場所もわかりにくく、時間がかかる上に空転も発生しやすく190連がベースの為にすぐに弾が切れる。
Bグリップ基部のパーツを外さないとバッテリー交換ができないが、グリップが木ねじの為、複数回の頻繁な取り外しには向いていない。
Cトリガーが実銃同様バタフライトリガーでの作動だったがスイッチが引っかかって射撃が止まらない。また逆に接点不良で動作しない事がある。
D内部配線にコネクタを使いすぎで複雑かつロスが出そうなケーブル配線である。
Eグリップの強度が不足
Fバレル先端部分が径違いのパイプをつなげただけで外観的に良くない。
Gバレル基部のクーリングホールがでかすぎてしぼんでいってないのでリアルさに欠ける。
Hバレル基部の固定強度が不足
Iベルトリンク、ダミーカートが装着できない
J二次戦モデルがベースなのでグリップの木目塗装など塗装関係が現用にマッチしてない。

以上の点が大きな問題として挙げられました。こちらを改善する為の対策として

@に対してP90HCを購入し換装する。
Aに対してP90のユニットをそのまま使う事でP90の300連多弾マガジンをそのまま使える様にする。
Bグリップ部分を各種パテで補強し、バッテリー配線を外出しに延長してアーモボックスに収納する様にする。(但し内蔵も選択可能な状態とする)
Cバタフライトリガーを廃止しダミーとし、シンプルなプッシュスイッチ方式に変更する。
D配線の弾き直しと不要なコネクタの排除。
EBと同様の処理
Fパテで修正
G所持していたレジンキャスト製のM2のパーツを切断してそちらを組み込めるように改造する。
Hパテとレジンパーツ、ボルト等を使って補強とセンター出しを行う。
I側面に穴を開けて固定可能にする。
J再塗装

その他の改造点として
@ボディ側面にテプラで刻印プリントをつける。
Aリアサイトにホワイトを入れる
Bフロントサイトにホワイトを入れる
C誰でも簡単に操作できるように操作ガイドを作り、本体にもガイド用のステッカーを貼る。
本体裏側にはかつて190連多弾マグのゼンマイを巻くための穴があいています。特に見える部分でもないし内部にこぼれた弾の排出にも使えそうなのでこのまま塞がずに使っています。
こちらがレジンキャスト製のアメリカ製M2ブローニングです。今回はパーツ取りの為に前半分を切断したり穴を空けたりしました。NB版とは逆に前方はよく出来ていますが、後方、機関部からチャージングハンドル周辺、リアサイト等がかなりてきとうに出来ています。強度もそれほどありませんが、要所に金属パーツを埋め込んでいるのでパーツの分解(破壊)には苦労しました。使用した部分はクーリングホールのあるバレル基部ですが本体からカナノコで切断し先端のバレル交換ナット部分までを使いました。ホーラーと木工用の穴空けドリルを駆使して内径39mmのアウターバレルを通す穴をあけて、クーリングホールにも穴をあけました。少しでも軽量化するために内部も多少削っています。
こちらはP90HCを入れた2013ハートロック時の写真です。外観では大きな差はありませんが、P90HCになってマガジン交換等は少しマシになっています。射撃はそのままP90HCの性能なので優れた連射速度と300連マガジンで火力もそれなりです。バッテリーはまだ内蔵式の為、グリップ基部が強度的に弱いのとP90を入れる為に今まで塩ビパイプのバレル基部が機関部内まで来ていたのですが、それをフレーム先端までに短縮している為、バレルの基部が弱くなりました。強度を補う為に基部をパテでクーリングホール内部のバレル基部を補強しています。ちなみに発射サイクルだけでいえばノーマルのP90の方が実銃に近い速度になるのですがP90HCはインナーバレルが長いのでM2の長いアウターバレルの空間にぶつかってしまう可能性を考えてHCにしました。

アウターバレル基部の改造
アウターバレル基部の外観はこの銃で一番残念な部分です。なんといっても大きすぎ同径のまま先端まで来ています。また取り付けも甘く、ちょっと触ると中心からずれてしまう等、問題は多かったです。P90HCに変更する際、バレル基部にパテを盛って補強しましたが、今回はレジンキャスト製のM2のパーツを使うことでさらにバレル基部の固定を頑強にしました。具体的には取り付けたレジン製M2のクーリングホールパーツ基部内側に更にパテを盛り、外周部分等にもパテを盛りました。また厚みが増した事で本体へのボルト固定も可能になり、これでアウター基部を手で持っても動かなくなりました。この部分が動かなくなると組み立てや分解、持ち運びでの破損を防げるのでかなり準備等が楽になります。
写真上がレジン組み込み後。写真下が本来のパーツです。バレル先端部分のキャリングハンドルが装着される部分は旧パーツがプラ板で作られていたのですが、こちらではパテで一体化しました。この辺は制作元が完全分解できるM2を売りにしていましたが、当方ではメカボックス以外ほぼ分解の必要性が無いため耐久性重視で作っています。
完成後のアウターバレル後方部分です。パテの内部にボルトが3本使われ固定の補強になっています。
アウターバレルの改造
車載時の外観で一番気になるのがバレル先端の段差です。こちらはハートロック2013の時のものですがシールドで大半が隠れる中、クーリングホールのパーツとバレル先端の段差が目立っています。クーリングホールの形状が改善されたのでお次はバレル先端です。
バレル先端は初期の写真(上の方)を見て貰えば分かりますが塩ビパイプを重ねて段付きにしただけのものです。実物はなだらかに絞れていっているのでこちらはパテを盛って再現しました。ここが一番見える部分だったので前から気になっていたのですが、今回の改装を機会に実施しました。
バレルは元から2ピース構造で差し込むだけで取り付けできまs。この構造はそのまま受け継ぎました。1ピース化してしまうと長すぎてガンケースに入らなくなるので。クーリングホール側もパテで絞りの再現を行いました。
外装先端部分はこれで完成です。

ダミーカート取り付け
ダミーカートは付属のベルトリンクのリングを使って固定しています。本体側面にドリルで穴を2箇所開けてタイラップを通して結束しています。比較的シンプルな方法です。ベルトリンクを内部で噛ませる構造にすると内部のP90ユニットに干渉してしまうので最終的にこの方法がベストだと感じました。

P90HCユニット
フィードカバーを開けるとP90HC(ハイサイクル)のユニットが入っています。P90組み込みにあたり、フィードカバーの開放される位置関係を調整しています。P90の固定は本体側面から打ち込まれた3本のボルトナットで行っています。これはユニットが少しでもずれるとアウターバレル内部にBB弾が当たる可能性がある為である程度確実に射撃可能なポジションを探してからの固定となります。
ユニットそのものは上下共に殆どが切り落とされ、底部分はメカボックスに干渉しないギリギリの所まで削り落とし、上部はユニット前部にあるマガジン固定ユニットだけを残して切除しています。またユニットそのものは先端方向が若干下側に傾斜しています。これは内部構造などの関係もありますが、インナーバレルがアウターの天井部分に接触していてこれ以上下に下げられない為最終的にアウターバレルの一番上から下側に向かって弾が飛ぶ形になります。但しホップがかかるのでそこで若干の修正が入ります。実際の射撃ではほぼまっすぐに弾が飛んでいくので特に弾道等で問題はありません。

マガジンキャッチは付属のマイナスドライバーでマグキャッチを後方に押し、ロックを解除します。給弾口の手前にあるのはホップダイヤルで従来P90では本体下側から調節しますが、本体が固定されていて調整が出来ない為、内部に穴を開けて上からダイヤルを回せるようにしています
。P90のマガジン交換に毎回工具がいりますが、今後は利便性を優先して穴を開けて手でリリースできるようにする事も検討中です。マガジンは当初スプリングタイプの社外品をメインに使っていましたが僅かな衝撃ですぐに本体が破損するのでマルイ純正の300連に変更しました。車内にロッドを持ち込まずボトルだけで給弾できるので手間は減りました。また六角レンチを刺す穴がありそこに六角レンチを入れて回せばよろ早く装填できる仕組みなので、主催ゲームの場合フィールドでこのM2を使い、ガンナーは弾の消費が激しいのでかなり便利です。

マガジン交換手順。マイナスドライバーでマグキャッチを後方に下げてマガジンを浮かせます。後は取り出して先端のフックに新しいマガジンを引っかけて後方をチャンバーに押し込むだけです。

バッテリー配線
バッテリーは本体の隙間からミニコネクターで外出しにしています。クレイドル左側に設置されたアーモボックスまで延長配線を取り付けることでバッテリーを取り付けられます。グリップ上部の2本のネジを外せば内部バッテリー式にもできますが、分解の手間がかかるので準備作業軽減の為に外配線をメインとしています。
自作延長コードを接続し、アーモボックスまで引き込んでバッテリーを入れます。

トリガー/グリップの改造
トリガーは実物や販売品では中央のバタフライ型トリガーを押し込む事で動作可能です。しかし、ハートロックなど身内をガンナーにする時以外では操作に熟練を要するのと度々トリガーが戻らなくなったり、接点不良で発射されないことが多かった為、グリップ右側にプッシュボタンを設置しました。リアルさには欠けますが、確実に射撃と射撃の中止が可能で初心者でも扱いやすい状態です。
フィードカバーには各種操作ガイドのステッカーを貼りました。同時に製作した操作マニュアルと合わせて読めば操作が覚えられます。グリップ部分は薄いプラ板等を重ねて作られていて複雑なのですがいかんせん銃の全体重を支えて動かす部位としては強度不足です。なのでエポキシパテ等を使って厚みを増し、強度をアップしました。バッテリーカバーのネジがあるので全周を覆うことはできませんが、下側などはかなり強度が上がっています。またグリップ本体を黒で塗装し、薄いパーツはすべてパテで厚みを増しました。
右側面は特にいじっていません。パテ等で比較的がんばったデザインになっています。
最新のM2マシンガンには側面にレーザー刻印が行われているのでテプラで簡単な刻印を作ってみました。

リアサイト
リアサイト。特に狙って撃つ銃ではありませんが可動式となっています。型で抜いただけでモールドは甘いですが一応クレヨンでホワイトを入れて存在感をつけてみました。写真にはありませんが、フロントサイトも見にくいのでホワイトを入れてあります。

HUMMERに装着した状態。先端のシルエットとかクーリングホールの自然なサイズとか色々改善されたと思います。
以上でカスタムは完成です。全体の塗装はインディのダークパーカーで行いました。これだけでかいと2本使ってしまうので塗装代だけでも5000円くらいになってしまいますが。素人仕事なので近くで見るととても粗いですが、遠くからの撮影とかになればそれなりに見栄えは良くなったと思います。またHUMMERへの取り付け準備が大幅に楽になったので、フィールドでは撮影希望者が多いのでなるべく銃を固定して展示しておきたいと思います。皆さんもフィールドで見かけたらお気軽にお声がけください。(雨天や雨が降りそうな予報の時、天気が微妙な時、夏場、強風時には設置しませんが)