DUCT TAPE
MILITARY ISSUE
ダクトテープは粘着テープの一種である。、トーマス・エジソンの発明した水溶性の糊(ガム)を使うガムテープよりも強力な粘着力と強度を持ち合わせているのが特徴で、第二次世界大戦中のアメリカ合衆国に於いて軍用品としてジョンソン&ジョンソン社が開発したのが起源とされている。戦後は民間にも広く普及し、配管工事などの際に使用された事からダクトテープという名称が普及した。表面をポリエチレンでコーティングしてあり、内側に繊維を織り込んでいる事から手でも容易に切断できる。また表面は水をはじく事から水陸で活動するアヒルに準え、ダックテープというニックネームがついた。
第二次世界大戦時には軍用としての迷彩効果を考慮し表面はアーミーグリーンで作られていたが、その後ブラック、デザートタン、雪原用のホワイトなどが生産されているが、一般用途としてはグレー(シルバー)のものが多用される。
戦場に於いては個人装備の固定や装備品の補強、修繕などに使用された他、負傷箇所をダクトテープで応急処置した事例も存在する。緊急用としては捕虜への目隠し、口を封じる、幾重にも重ねて巻き付ける事で手足を縛るなどにも使用できる。1970年のアポロ13号の宇宙空間の爆発事故月では船内備品として装備されていたダクトテープを利用する事で空気清浄装置を復旧させ、乗員の生還に貢献している。
ベトナム戦争では銃への偽装(迷彩)目的に貼り付けたり、脱落しやすいパーツの固定などに用いられた他、ブーツとトロピカルパンツの裾を固定したり、ナイフをサスペンダーに固定するなどの利用法が多用された。現代戦に於いても余分なストラップの処理や装備の固定、応急修理、雪上迷彩などに多用されている。
現在ダクトテープは様々な製品が製造されている。世界再大手の米ヘンケル・CA社他、3M、エイブリィ・デニソン社、インターテープポリマー・グループ社などが各種ダクトテープの製造を行っている。特に3M社が開発した8979N(Nuclear Grade)は低ハロゲン低硫黄タイプの製品で、核施設での使用に耐えうるものとなっている。
軍用品として使用されるダクトテープはその作戦地域によって使用色が使い分けられるが、概ねOD、BLACK、TAN、WHITEが使用される。
装備品への使用例。パラシュートフレアーケース、シグナルグレネードなどをタクティカルベストに固定している。
サスペンダーバックルが不用意に外れない為に巻き付けられたダクトテープ。またナイフにはMk13シグナルグレネード、ケミカルライトを固定する為にダクトテープが使用されている。
余剰ストラップの固定に使用されているダクトテープ。